ひのっき

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「映像研には手をだすな!」はクリエーターの業の深さを描き切った傑作

2017年10月01日 | 絵日記
映像研には手を出すな!(1) (ビッグコミックス)
大童澄瞳
小学館

大童澄瞳先生の「映像研には手を出すな!」を読みました。

面白かったです。感動しました。

主人公は想像好きな女の子。自分が考える最強の街を、創造設定としてノートに描きためます。

小学6年生の時、人生観を一変させる凄いアニメ作品に出合います。

「未来少年コナン」

若き宮崎駿が初めて監督したこの名作。その広い広い冒険の世界観にはまり込み打ちのめされた主人公は魂を震わせながら決意します。

「私の考えた最強の世界を創造し、アニメで表現する!」

様々な世界を想像して創造してはイメージボードと設定画に描き続け、いつしか玄人はだしの腕前となります。

一人黙々と作業を重ねた主人公ですが、高校に入り運命的な出会いを果たします。細部表現まできっちり網羅し演技にこだわり抜くアニメーター志望のカリスマ読者モデルと、冷徹でマネジメント能力に長けた豪腕ネゴシエーター。

アニメ作品製作に必要な3要素、監督、アニメーター、プロデューサーが奇しくも一堂に揃い、動き出す歯車。

果たして主人公たち3人は、アニメーション作品で自分の描きたい世界を表現することができるのか!・・・というお話。

主人公たちの「描きたい!」「表現したい!」という想いの熱さに痺れまくります。

次々と立ちはだかる困難に立ち向かい、ドロドロになりながらのたうち回り描き続ける若きクリエーターたち。

そこで育つのは友情より仲間意識。クラスメイトとしてではなく戦友として認め合い無二の信頼関係を深める三人。

全力で乗り切った文化祭のあと、親御さんからの「お友達?」の問いに「いえ。」と首をふる主人公。

「仲間です。」

描くこと、創ることに魅入られたクリエーターたちの業の深さに痺れつつ、もし生まれ変わるならこんな高校時代を過ごしたいなんて思わせる傑作です。

 


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