ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

タミフル耐性インフルエンザとリレンザ

2009-01-25 18:05:12 | 新聞記事など
タミフル耐性インフルエンザとリレンザ

 最近はインフルエンザが流行してタミフル耐性インフルエンザ(Aソ連型)の報道の以降は、リレンザを処方することが多くなりました。

 基本的には治療にあたって患者さんに3つの選択肢
1)「抗インフルエンザ薬を使用しない」
2)「タミフルを使用する(耐性の可能性がある)」
3)「リレンザを使用する(子供は吸入が上手にできないと有効でない)」
があります。と簡単に説明します。吸入できる年齢の多くの人が3)「リレンザ」を選択されています。もちろん、2)の「タミフル」の患者さんもおり。僅かに1)の「使用しない」という患者さんがおり、普通の症状にあった薬を処方することになります。付加的に漢方という選択肢もあるのですが、いまのところインフルエンザで漢方を希望されたことがありません。しかし、1)の「使用しない」の選択肢は正しいのですが、落とし穴があります。両親とともに受診してくださっていれば問題ないのですが、多くは母親と一緒、ないしは父親と一緒に受診されます。すると、診察室では「使用しない」としても、帰宅してから父親と母親で意見が食い違って薬を取りに来ることもあり単純ではありません。
 このように、ひきた小児科クリニックでも比較的抗インフルエンザ薬の処方が多くなっています。しかし、つい数年前まで日本人が世界のタミフル年年間処方量の7割を使っていたました。このことを考えると、やはり使いすぎであるかなとも思います。今回の耐性ウイルスに関しては、タミフルがあまり使用されていない国で昨年多く見つかっているので、おそらく薬物の使用で耐性となったわけではないと考えられています。しかし、抗インフルエンザ薬を使用しなくても治るのですから、使用しないという選択はもっと多くても良いかなと思います。事実、欧米では「何もせずとも治るならゆっくり休んでいよう」という考え方が主流です。今日の新聞記事では「日本人は高価な薬を使い、早めに治して会社や学校に早く行こうとする」のではないかと書いてありました。確かに、熱が出たら全員にインフルエンザ検査をして、検査で陽性なら抗インフルエンザ薬を使うというのは、日本人のきまじめさからくるのかもしれません。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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