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未読の方は、ネタバレ注意です。
西暦2000年に発行された本です。19年前か~。
それにしては、古さは感じませんでした。
今日までに、全体の三分の一を読んでいました。
あらすじは…
大学のゼミ仲間だった男が、女を殺して逮捕された。主人公はショックを受けつつも、学生当時の「虚学」という不可思議な名前のゼミの授業に想いを馳せる、という感じ。
ストーリーはじわじわとしか進まず、一向に面白い部分へ突入していかない。
そんなワケで、今日は1ページ、今日は2ページと、全然進まない読書でありました。
長いこと一つの小説にかかずらわっている訳にもいかないので、いい加減にしびれを切らした僕は、一気に読んでしまうことにしたのでした。
で、さっき1時間くらいで、一気に残りを読み終えました。
読み進んでいくうちに、嫌な予感がしてきました。
「この小説…、もしかして、アレじゃないのか?」
「アレの可能性が、高いぞ…」
「いや、これ、アレだろ!」
「アレだ! ぜったいアレだ!」
アレ とは…
ストーリーなど無く、全編、荒唐無稽な夢の話を文章にしたような小説。
主人公の夢の中か、あるいは、主人公は死にかけていて、その死の間際に見ている夢を小説にした、みたいなオチが待っている。
夢なので、ツジツマとか伏線を回収するとか、納得のいくラストみたいなものは無い。
そんな小説が、僕の言う「アレ」です。
こんな小説、明日まで持ち越したくない!
今日中に終わらせるんだ!
そんな思いが強くなっていきます。
セリフだけ飛ばし読みする。
しかし、セリフだけ読んでいると、さすがに筋がわからなくなってきて、主人公がいる場所さえわからない状態になっていた。
また戻って地の分を読む。その繰り返し。
僕は、もの凄い速さで読み進んだ。
22時までには、読み見終えたい!
夢の中をさまよっているかのようなシーンが続く。
もう、訳わからん。勘弁してくれ!
いらいらいしてきた。いったいこの話は、どうなるんだ!
満足できる結末が用意されているのだろうか。
怖い。 ああもう嫌だ。
後半は、もの凄い勢いで読んだ。これまでにない速さで。
速くこの小説の結末を見たい。がっかりするならするでいい。早く解放してくれ!
はからずも、速読の訓練にはなった。
やっと読み終えた。
予想通り、アレだった。
あとがきも、意味がわからない。
最初から最後までケムリにまかれたような小説だった。
一体何だったのか。筋もわからない。
冒頭の事件は、結末とは何の関係もない。
何が言いたかったのかもわからない。
僕が費やした時間はいったいなんだったのか。
僕が悪いのか?
理解できない僕が。
この手の小説は、本当に苦手だ。僕が悪いのか。悪いのだろうな。自問自答をくり返す。
僕が悪いのだ。理解できない僕が。楽しむことが出来ない僕が。
妻は、おもしろいと言ったのだから。
少なくとも、誰かの書評を読んでから、読むべきだった。
妻の本棚にあったものを、「これ貸して」と言って読み始めたのは、僕だ。僕が悪いのだ。僕が。僕が自分から、好きこのんでこの迷路に入り込んだのだ。
ちょっと待て、このタイトルは一体何だったのだろう
『サーチエンジン・システムクラッシュ』
まったく内容と関係ないように思えるのだが……。
確かに主人公は、池袋という街を右往左往して何かを探し回る(サーチ)。それが「サーチエンジン」という事か?
そして、仕舞いには、何を探していたのかさえ忘れてしまう。
俺は何だ。どこにいるのだ。そして、どこへ向かっているのか。
この世界は現実なのか。もうわからん…。
みないな感じだから、まあ、「システムクラッシュ」と言えなくもない。
そのことか? このタイトルは。
そして、読み始める前の妻のひと事。
「おもしろかったよ」
ほんとうか?
妻は、この小説のどこを面白いと思ったのだろう。
妻は19年前、著者・宮沢章夫氏の大ファンであったそうだ。
イベントにも参加して、一緒にどこかをあてもなくさ迷い歩いた事もあるという。
ハードカバーの背表紙の裏には、著者直筆のサインまで入っているではないか。
ファンの言う事は信じるな、という教訓か。
そして、帯にあった「芥川賞候補作」…意味がわからない。
芥川賞って、純文学に送る賞だったはずでは?
これが純文学か?
僕の認識では…違うと思う。
「生きているか、死んでいるか、その曖昧さに耐えられるか」という言葉がキーワードとなっているようだけど、
主人公は、その言葉を思い出し、学生時代のゼミを思い出し、教授の名前の勘違いがあり、最終的には、自分は大学に本当に通っていたのか、自分自身が誰だったのか、生きているのか死んでいるのか、まったくわからないわからない、わからない…
みたいな感じでラストに続き…。
そして、なんか、純文学っぽく終わっている。
だけど、まったくスジも何もないし、よくわからない。
ほんとうに芥川賞候補になったのか疑がわしい。
本人が帯にそう書いただけなのではないだろうか、とさえ疑ってしまうほど。
ふと気を抜いて、妻の本棚にあった本を手に取ったのが間違いのもとであった。
これからは、誰かが評価したものか、何かの章を受章したものからはみ出さないように
読書道を歩いていこうと固く心に決めた一冊でした。
追伸…
ネットで、この小説の書評を探して読んでみた。
すばらしい。
すばらしく高評価。
すごいなあ。
日本語を操るプロってすごいと思った。
僕のように、読み終わった感情そのままに、怒りをぶつけるなんて事はしない。
そもそも面白いと思えたのだろうか、それならもっとすごい。
本当の大人は、人さまが時間をかけて作り上げた作品を、そんなに簡単に酷評などしないものなのだろうか。
落ち込んだ。
宮沢章夫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サーチエンジン・システムクラッシュ (文春文庫)(Amazon)
書評:宮沢章夫『サーチエンジン・システムクラッシュ』(三角猫の巣窟)
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長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました! <(_ _)>
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