さいきんの流星光
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猫は自由だ。
本当は自由じゃないんだけど、自分では自由だと思っている。
毎日まいにち仕事をしなくてもご飯がもらえて、
今日は、家の中のどこで寝ようか…くらいしか考えいないように見える。
一日の大半を睡眠時間に使っている。

何もしていない猫。

しかし猫は、それで幸せそうだ。
そういう生活をして15年ほど生きて、死ぬのだろう。

僕は人間で、猫を下に見ている。
人間の活動範囲に比べたら、猫のそれは笑うくらい狭い。
猫が一生かけて出来ることなど、人間に比べたら天と地ほどの違いがあるのだ。

だが、僕も同じようにも言える。
僕も何もしていない。
毎日まいにち家でゴロゴロしているとも言える。
仕事を考えても、生活費を得るために働いている部分が大きい。
活動範囲は、やはり他の同世代の人間に比べたら驚くほど狭い。

僕は、猫を笑っている場合なのか?

世の中には、日本や世界の経済界を動かすほど影響力のある人間がいる。
巨額の金がからむ経済活動をする人間がいる。
そんな人間に比べて僕は何をしている?
そんな人種から見たら、僕と猫の違いはほとんど無い。

そう考えると、
猫が、常に僕の近くにいようとするのもわかる気がしてくる。

猫は僕のことを完全に「大きい猫」だと思っている。
動物的感覚で、そう判断しているのだ。

僕を取り巻く環境は、恐ろしいことになっている。



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