さいきんの流星光
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この本は、「うるさいこの音の全部」のパートと、
「明日、ここは静か」のパートに分かれている。
短編が二本収録されているということではなく、あくまでもパート分けされているという感じだ。
同じ世界、同じ主人公だから。
「明日、ここは静か」のほうが、時間が少しだけ経過している。

      ★
小説の内容はというと、
子供のころから、周囲の目を気にして、うまく関係性を保つことだけに注力してきた主人公が、小説家になってからも、まわりの人の要望に応えることで、自分自身が瓦解していく、というお話…

ではないけど。


「瓦解」は明らかに言い過ぎです、すいません。

瓦解とか自己が崩壊するとか、そういうことにはラストまでなっていないけれども、
ああ、この主人公、人生、生きづらいだろうなあと思った。
いずれネット回線がつながる誰も知らない町で、誰ともかかわらずに、小説家であることを完全に隠して生きていくことになるかも知れないなあと思った。

作者の高瀬隼子(たかせじゅんこ)は、芥川賞作家だ。
下に貼ってあるアフィリエイトの「おいしいごはんが食べられますように」という小説で芥川賞を受賞している。
この小説は、芥川賞受賞作家が書く、芥川賞を受賞した小説家のお話なのだ。

こんな、小説家の考えてることや日常、頭にあることをあけすけに文章にした小説は読んだことがなかったので、非常におもしろかった。

小説家が、全員そうだとは思わないけれども、確かにこういう小説家もいるに違いないと感じた。
そういう人は、突出した才能だと思うけれども、突出して変な人だと思った。

     ★    

小説の中で、主人公が仲良くしている女友達とか同僚が数人出てくる。

どの人も、表面上はちゃんとした大人だし、明るく元気に他人と話せる「立派な大人」なのだけれども、みんな同じように、それは表面に配置した面であって、かならず裏の顔があって、腹の中では、社会で上手くやるためにはこの表面上の顔をはずしてはならない、という気持ちをかかえている。

そういうのを読むと、怖い。

そうか僕自分が日常生活で、明るくて誰にでも優しく接しているすばらしいと感じる人でも、それはあくまで表面上の顔であって、腹の中では僕と同じ、人付き合いがとても苦手な人なのかもしれない、と思った。

そして、僕が、人付き合いや会話が極端に苦手なのは、その表面上の顔を設置する作業を極端に嫌がっているからなのだ。

誰もが、社会生活を送る上で、表面上の顔を前面に出さなければならない。
たぶんそれが礼儀だし、常識なのだ。

僕は、それが面倒というか照れくさいというかなんと呼べばいいのかわからないけれども、とにかく激しく嫌なのである。だからしないようにしている。

その姿が、他人から見ると、嫌悪とか怒りに変換されることもあるだろう。

自分が、嫌で面倒くさいんだけど、大人として頑張ってやっていることを、コイツはやっていない。楽をしている。その体制で、のうのうと社会を生きている。それが許せない。
そう感じる人がいても、おかしくない。

おかしくないどころか、僕が認識している以上にたくさんいるのかも知れない。

だから「この人とは距離を置こう」となって僕に連絡を取らなくなっているのかも知れない、とも思った。

僕自身も、他人と頻繁に連絡をとったり、飲み会に誘われたりするのは、あまり好きではないし断るのが面倒なので、いまの状態が心地よい。
だから放置しているのだけれども、大人としては良くないんだろうなと思う。


以上。



※ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!


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長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました! <(_ _)>

 

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