さいきんの流星光
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僕は、黒澤明監督の映画のスタッフとして働いている。

スタッフといっても単なる荷物運びだが、
女子スタッフやエキストラの女の子たちの人気を勝ち取ろうと、
必死で働く。

スタッフの棟梁が三浦友和だった。

朝、現場に到着すると、
全員健康診断を受けなければならないと告げられ、
保健室みたいなところに行く。

部屋の奥で、三浦友和が、ぶっとい注射を胸の筋肉に刺されていた。
注射針は、安全ピンのように、
三浦友和の胸筋を貫通しており、
三浦さんは、

「これ、何のためにやってんの?」

と文句を言っている。


黒澤監督が、小さな花壇のすみっこを指差し、

「ここ、撮っといて」

と僕に指示を出した。

カメラマンを呼ぶと、

「どう撮ればいいの?」

と聴かれたので、僕は遠くにいる監督にむかって、

「監督!お願いします!」と叫ぶ。

監督が来て、カメラマンに指示を出していたが、
僕は、一人で悩む。

監督を呼びつけて良かったのだろうか。
実は、監督が「撮っといて」と言ったら、
質問のたぐいは一切禁止で、
とにかく自分で考えて撮らなければいけなかったのかも知れない。
この現場では、そういう暗黙のルールがあったのかも知れない。

と自分の行動をはげしく後悔するのであった。





おしまい。






■流星光Twitter

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