さいきんの流星光
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誰でも年をとって体にガタがきて、

とうぜん脳にもガタがきて、

認知症になったり痴呆症になったりして、
看病する夫に
「どなたでしたっけ?」
なんて言って悲しませたりする。

あるいは寝たきりになり、ほとんど気力もないように一日天井を見上げてため息ばかりついているような暮らしをいく日も続ける。

それは周囲の人たちから見たら、やはり悲しい変化であるし、嘘なら嘘と言ってくれと言いたくもなる出来事なのだろう。

僕も、さいきんまでそんな人たちと同じように、

ああ見たくない、そんな現実見たくないし訪れてほしくないと現実逃避していた一人の男であった。

しかし、このところ僕の中で何かが変わった。

何が悲しいのだろう、と感じるようになった。

人は、年老いて、死ぬ。

死ぬ前には、健康でいられなくなる。

なかにはいきなり何かの拍子にポックリと逝ってしまわれる人もいなくはないが、
年老いてガタガタぼろぼろになって、最後には亡くなるという人も少なくないだろう。

そしてその状況を悲しんで心を痛めて、
目に見える景色がグレーになっちゃってる人もいることだろう。

僕もそんな感じだった。
でも、今は違う。

それって、普通のことだ。

そうだ。 普通なんだ。

親が認知症になったら、それは普通のことだ。

無理やりそう思い込もうとしているのだろうか。
悲しい気持ちから目をそむけようとするあまり、
こんな考えに取りつかれてしまったのだろうか。

真実は、わからない。

とにかく、対処する。

事実を言うと、僕の両親は、まだ認知症にはなっていない。
母親は、うつ気味で、何をするにもだるいと言いがちではあるが…。

でも、対処する。

それだけだ。

そして、いずれ死ぬだろう。

それにも、対処する。


人間の場合、

「あ、もう死んじゃうんだ!」

そう思ってから、まだしばらく生きると思う。

猫とかの場合は、もっと早い。

だいたいそう思ってから3日くらいで死ぬ。

もう一度元気になってくれ!

そう思うのも人情ってものだけれども、
そんなことは、もうない。

だから、対処するだけ。

悲しむ必要はないし、胃が縮むようなストレスを感じる必要もない。



僕は、変わった。

それが、いいことなのか悪いことなのかは

まだわからない。



以上。




※ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

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長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました! <(_ _)>

 

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