さいきんの流星光
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テレビで、『カメラを止めるな』という映画が放映された。

一年くらい前に、
これは面白い!面白過ぎる!
と、世間じゅうをにぎわせた映画が放映されるというので、
妻が録画しておいてくれたのだ。

妻と一緒に、ぼくも観た。



なにやら、放映前に、

「この映画の最初のほうは、我慢して観てください。あとで、きっと面白くなりますから」

というような解説があった。

そして、映画は、始まった。


観終わった。


ストレス性の何かの病気になりそうになった。

冒頭に、ノーカット長回しのシーンが延々と続く。

その後で、退屈なシーンが延々と続く。

普段の僕なら、確実に、市長を中止して、



ああ、感じの誤変換が多すぎていらいらする!


視聴を中止して、自室に閉じこもって読書でもしているところだが、
とにかく「我慢してください」とクギを刺されていたので、我慢して観た。

その時の僕の顔は、表情がなくなり、
本当につまらないものを無理やり見させられている人間の顔だったに違いない。

ふだんから感情をあまり表に表さないんだけど、その時は、
近年まれにみる無表情であったに違いない。


観たくないものを、無理やり見るように強いられるなんて、
人間、極度のストレスにさらされて危険なのだ。

体の中に、何らかの病気が発生するかもしれない。

座りごこちの悪いイスに少しの間だけでも座っていると、
お尻におできみたいな、ぢ、みたいなものが出来てしまう。
結構すぐに。

それくらいに、人間の体というのはストレスに弱いものなのだ。

我慢してください、とは何事か。
映画を作っただけならまだしも、その後で、最初は我慢してみてくださいとは何事か。

人体とストレスの関係について、何もわかっていない製作者であると僕は感じた。


直前に、映画「バイオハザード」をパート1から6(ファイナル)まで一気に観たことも、少なからず影響していたに違いない。

とにかく、総評すると、

「この稚拙なゾンビ映画は、こういうふうに作られているんですよ、みたいなメイキング動画を見せられた」

というだけであった。

そういえば、映画が始まる前に出演した役者の一人がこう言っていたっけ

「本編は、クレジットロールです」(不正確)

それは、なるほど、と思った。



確かに、本編は、クレジットロールなのだ。

あとは、不要。


何よりも、ホラーだったのは、
この映画を、ほぼ一年前に、僕が感じた限りでは、
ほぼ世の中じゅうの人が、

「すばらしい!」
「おもしろかった!」
「サイコー!」

と絶賛したことだった。


当時は、僕はまったく見ることがなかったんだけど、

「へー、そうなんだ」

くらにしか思ってなかった。

しかし、本編を見てみて愕然とした。


「何コレ…。」


「なんでこれが、大絶賛されたの?」

僕は、世間からのズレを強烈に感じて怖くなった。

いよいよ僕も終わりなのか?

もう完全に、別の惑星の生き物同士のようになってしまったのか。

それとも、世の中が、気が狂ってるのか?

そして、その狂気は、いつか治るのか?
ゾンビが、知性を取り戻すように。

ふだんから人と会わない僕は、ますます孤独感を強くした。

世の中には、僕一人。


耳もよく聞こえない、目もかすんで、人の顔もよく見えない。
テレビのアナウンサーの喋るスピードにもついていけいない、
となってしまった老人のように。

誰に話しかけても、帰ってくるのは、異国の言葉のような
超ハイスピードの小声の言語だけ。

結果、黙って空を見るだけの毎日になる、みたいな
そんな老人に、一気になってしまった感覚をおぼえて、

僕は、ぞっとした。


この映画を、高校生が製作し、たまたま行った文化祭で上映されていたら、
僕は、たぶん絶賛しただろう。

なんて将来性のある監督だ。
すばらしい!と。

だけど、現実は違った。

この映画は、普通に大人が作った映画であり、
普通にお金を取って、日本じゅうの人が、観たのだ。



この映画は、ホラーだ。






長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました!

流星光ツィッター

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