鹿児島・天文館の老舗の味を立石で
せんべろの聖地・立石。浅草から京成線で10分、ここは昭和に取り残された空間。立石駅の南側にある仲見世通りを始め、界隈には、もつ焼きや立ち食い寿司、スナック、朝呑み居酒屋などがひしめき合う。もちろんラーメンも相性の良い町。
この立石に、鹿児島のラーメンを食べられるお店がある。ご主人は鹿児島随一の繁華街・天文館で人気の老舗「のり一」で修業。「のり一」の味をそのまま、立石に持ってきた。平日は午前1時半まで営業しており、シメに丁度良い丼が楽しめる。
九州と聞くと白濁豚骨をイメージする人もいるだろうが、こちらのラーメンは丸鶏や野菜、豚骨を煮込んだ清湯で、あっさりした塩味。塩ダレが沈殿しているようで、店長からは提供時に「最初は味が薄く感じるので、よく混ぜて下さい」と勧められる。
混ぜると塩と胡椒がスープに溶け出し、思いのほか強めの味に変化する。これは完全に呑んべえ仕様だ。値段の割にチャーシューが多めで嬉しい。モヤシはヒゲを取り除いて炒めたもので食感がよい。揚げネギもクセになる。オリジナリティあふれる一杯だ。
また、お酒の方も鹿児島仕様。焼酎を前もって水で割り一晩寝かせ、アルコールの刺激を和らげる「前割り」も用意している。一方、こちらは乃の一オリジナル「パクチーラーメン」もある。鹿児島県人にもパクチーファンにもオススメの店だ。
<店舗データ>
【店名】 乃の一
【住所】 東京都葛飾区立石4-28-19
【最寄】 京成押上線「立石駅」徒歩3分
★2017年5月15日をもって閉店。残念…