叱らない上司
最近の上司は部下をあまり叱りません。大きな理由は二つあります。
一つは、パワハラと思われたくない、つまり嫌われたくないのです。業績を上げるよりそちらを優先するタイプに多い、いわゆる優しい上司です。
最近の上司は部下をあまり叱りません。大きな理由は二つあります。
一つは、パワハラと思われたくない、つまり嫌われたくないのです。業績を上げるよりそちらを優先するタイプに多い、いわゆる優しい上司です。
もう一つは、親から叱られることに慣れていない、いわゆる軟弱(ひ弱な)部下が他人から叱られると一気に落ち込んでしまうことがあるからです。
さらに、その理由とは無関係ですが、上司の方も「怒る」と「叱る」の区別がついておらず、自分自身が怒ってしまって、部下をいきなり叱ります。時として、とても理不尽な要求や戯言(たわごと)で罵(ののし)られることもあります。これでは部下もたまったものではありません。
さらに、その理由とは無関係ですが、上司の方も「怒る」と「叱る」の区別がついておらず、自分自身が怒ってしまって、部下をいきなり叱ります。時として、とても理不尽な要求や戯言(たわごと)で罵(ののし)られることもあります。これでは部下もたまったものではありません。
自分の怒(いか)りを他人にぶつけるだけでは、叱っていることになりません。叱るということは、相手のためになる教育的な意味が込められているのです。
忠告、注意、叱る
highdy は以前、他人に何かを教える場合、「言って聞かせて、やって見せて、やらせる」方式だと書きました。そして、「人は褒めて育てる」とも。
しかし、部下も機械と違って人間ですから、失敗することもあれば、ルールを守らないこともあります。そのような場合、いきなり自分の感情のままに上司が怒ってしまっては、良い部下は育ちません。
物事には手順があります。私は他人を叱るときは、初めはいいところを褒めてから叱ることをルールにしています。「・・・うまく出来なぁ、やっぱりセンスの問題かな! 等々、いずれにしても素晴らしい!!、ところで、それがうまくできるのに、何故これが・・・」と沢山褒めた後に叱ります。良い所を沢山見つけて、それを伸ばす指導を忘れないことです。それをいきなり「おいっ! 何やってんだ! 馬鹿者!!」と発言すれば、相手も人間ですからカチンときて、俗に言うキレてしまいます。これでは教育になりません。
叱るには、これまたそれなりの手順があります。
先ずは、常日頃から目をかけ、適切な「忠告」(アドバイス)を与えていることです。
次に、失敗があった場合は、物事の手順や忠告を守っていないことへの「注意」をします。
それでも、ルールを守らなかったり、失敗した場合は「叱責」という順番です。
この方法だと、叱られた側もしっかり冷静に反省し、悪い後味を残しません。上司側にとって大事なことは、注意の前の適切な忠告や指導が抜けないことです。
区別をしっかり
スポーツの審判と同じで「注意」より上は「警告」です。注意は「する」もの、警告は「告げる」もので、警告が出てしまえばおしまいです。
区別をしっかり
スポーツの審判と同じで「注意」より上は「警告」です。注意は「する」もの、警告は「告げる」もので、警告が出てしまえばおしまいです。
「怒る」と「叱る」も同様に上司がしっかり区別しなければ、自分だけが頭に血が上っていては、部下からの嫌われ者になるだけで誰も従ってくれません。逆に、親身になって叱ってくれない上司も、信頼を失い舐められてしまい誰もついて来ないものです。
部下は、上司に威光(人がおのずからうやまい服すること)を感じる尊敬できる人、何でも相談できる信頼のおける人、自分の能力を伸ばしてくれる人であれば、どんなに叱られても、多少の変わり者であってもついてくるものです。