平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

マネーゲーム

2007年03月05日 | Weblog
中国株の暴落に端を発する各国の株式市場の下げが止まりません。

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日経平均575円安、1万6642円…3か月ぶり安値
3月5日17時28分配信 読売新聞

 週明け5日の東京株式市場は、米経済の減速懸念や急速な円高進行を嫌気した売りが広がり、日経平均株価(225種)は前週末比575円68円安の1万6642円25銭と昨年12月12日以来、約3か月ぶりの安値水準で取引を終えた。

 東証株価指数(TOPIX)は同58・88ポイント低い1662・71、第1部の出来高は約30億2600万株だった。

 日経平均の下げ幅は2006年6月13日以来、約9か月ぶりの大きさ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20070305-00000107-yom-bus_all

私は経済にはうといのですが、最近の世界経済の動きには明らかにおかしい要素が見うけられます。

お金というものは本来、モノやサービスの交換の手段であるはずです。それは古代の物々交換の代替手段あるいは進化として生まれたものでしょう。簡単な話、内陸に住む農民と海岸に住む漁民が、農作物と水産物を物々交換していたのに代わり、経済生活が複雑になるにつれて、そこにお金という決算手段が導入されたのでしょう。ですから、お金の裏側には本来、実体経済が張り付いていたはずです。ところが、現代ではお金はそういう実体経済からは遊離したところで激しく動いています。

ご存知のように、日本では低金利が続いています。そうすると、日本で1%の金利でお金を借り、それでアメリカの金利5%の国債を買えば、差し引き4%が儲けになるわけです。あるいは、日本のお金を借りて、それを株式で運用します。これをキャリートレード(円借り取引)と言うのだそうです。ヘッジファンドと呼ばれる国際的な金融組織は、世界各地の余剰資金を集めて、それを種に日本の円をキャリートレードで運用していると言われています。

もちろん、そこには為替の変動などの別の要素が加わって来て、お金が複雑で予測不可能な振る舞いをするわけです。

今回の世界的な株式の下落にはキャリートレードも関係していると言います。

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[東京 28日 ロイター] 世界的な株安進行を背景に外国人投資家の質への逃避が鮮明になっている。中国株の急落から始まったリスク資産の処分売りとともに円キャリートレードが巻き戻され、ドル/円は急落。一時、昨年12月末以来2カ月ぶりに117円台をつけた。東京市場でも動揺は収まらず、外国人投資家から数千億円規模の株先売り/債先買いが持ち込まれ、日経平均は一時、700円を超える下げを演じた。ドルをめぐっては米経済の弱さに焦点が当たりドル売り圧力が継続する可能性があり、新たな円キャリートレードはしばらくは手控えられる、との観測が出ている。
 <資金の流れ変調、世界同時株安招く>
 中国上海・深セン株式市場の急落を受けて、27日の米国株式市場は大幅に下落した。ダウ平均は一時500ドルを超える下落になったほか、S&P500指数も1日の下げとしては過去3年半余りで最大となった。米商務省発表の1月耐久財新規受注が前月比7.8%減少と、エコノミスト予想を上回る落ち込みになったことも意識された。加えて、イランをめぐる地政学的緊張の高まりから安全資産の債券への逃避買いが膨らみ米債券相場が続伸、10年債利回りは一時昨年12月以来の4.5%割れまで低下した。
 これまでもイラン核問題や米サブプライム住宅融資市場に対する懸念から質への逃避の動きはあったが、中国株式市場の代表的な指数となる上海総合株価指数が過去10年間で最大の下げを記録し、時価総額にして約1400億ドルが吹き飛んだインパクトは大きかった。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070228-00000111-reu-bus_all

お金は、より高い金利を求めて、各国の株式や債券を次から次へと移動しているのです。それは、実体経済とは離れたマネーゲームの要素が強くなっています。株というのは、みんなが上がると思うから上がるのであり、みんなが下がると思えば下がります。上がるのも下がるのも思惑(speculation)次第です。投機のことをspeculationというのはそのためなのでしょう。上がったところで売れば儲けであり、思惑が外れて値下がりすれば損失です。

しかし、どんな株でもいつまでも株価が上昇することはありえず、どこかで頭打ちから値下げに転じます。株の保有者はみな、値下がりの前に売り抜けようとするわけです。ところが、今回のように、みんなが売ることばかりを考えると、暴落するわけです。

暴落の前後で、世界の政治や実体経済には何も変化は生じていないのに、思惑の違いから株価が大きく下落したのです。

「時価総額にして約1400億ドルが吹き飛んだ」といっても、紙幣も何かの富も、実際にはどこにも消えていないわけです。それは単にコンピュータ上での出来事でしかありません。お金が、労働も生産も発明もしないのに、人類の思惑によって、一夜にして増えたり、一夜にして消滅したりする不思議な世界に私たちは生きています。それは今の経済がマネーゲーム中心の経済だからです。

余剰資金の持ち主がどのようなマネーゲームをして、株価の暴落で大損をしても、それは本人の勝手ですが、問題は、そのマネーゲームが実体経済にまで影響を与え、庶民の生活を直撃することです。石油価格の高騰もヘッジファンドの資金の流入によると言われています。食料も鉱物資源も、すべて投機の対象となっています。石油が高騰すれば、直ちに世界中の人々の生活に影響します。

外国旅行などをするときは、為替レートの変動がもろに出てきます。私は3月半ばからアメリカに旅行しますが、もうチケットを買ってしまいました。円が強くなっている今買えば、あるいはもう少し安く買えたのかもしれません。

「思惑」によって実体経済が左右される、現在のマネーゲーム化された経済は、明らかおかしい経済です。ホリエモンも村上ファンドも、マネーゲームの中に咲いたあだ花です。こういうマネーゲームはどこかでストップさせねば危険です。

金持ちがマネーゲームでますますお金を増やしても、何になるのでしょうか。そんなお金は死後の世界にまでは持っていけません。勤労によらないで獲得したお金は、その人のカルマ(負債)となって、次の人生で返済することを強いられます。真理を知らないということは恐ろしいことです。



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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-03-06 22:42:05
金持ちがマネーゲームでますますお金を増やしても、何になるのでしょうか。そんなお金は死後の世界にまでは持っていけません。勤労によらないで獲得したお金は、その人のカルマ(負債)となって、次の人生で返済することを強いられます。真理を知らないということは恐ろしいことです。
***上記箇所を読んで真っ青です。。
私は生まれも育ちも現在も金持ちではありませんが、金持ちの多くは投資をしているらしいし、できれば金持ちになったほうが良いし、配当金のほうが利回りがいいし自分の世代だと年金ももらえるか?だし会社も赤字なので売却益で副収入があればいいなということで株に投資しているのですが、まずいのでしょうか?投資で稼ぐには相当勉強が必要なようで(私は難解で挫折してしまいました。)すが、それは勤労とは言わないのですよね?
IPO株が当選したりして売却益が出たら寄付もできるなあとも思っていたのですが。ある元会社社長も投資の世界は最近おかしくなっているから、(2,3年後にはかなりまずいことになっているとおっしゃったような)手をださないか短期で株をもたないようにしたほうがいい(私は面倒くさがりなので結果的に長期になっています。)と言われました。店頭証券会社に口座を開設しようとしたら、書類を誤記入で先になかなか手続きが進まないし、投資の世界には関わらない方がいいという天からのメッセージなのかと、最近考えています。お忙しいところ恐縮ですが何か追加でコメントをいただけると有難いです。
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Unknown (Unknown)
2007-03-08 01:04:00
お金があることで、解決できることはたくさんあります。 自分の将来の生活、子供の将来、 自分のしたいことをする時間、心のゆとり・・・ 人助けをしたいのであれば、寄付をすることで、自分の代わりに誰かが困っている人を救ってくれます。 時間ができれば、自分の時間も人のために使うことができます。
会社から十分な給料がいただけない場合、副収入として投資も良いのではと思いたいのですが。周囲の宗教をしている何人かの知人も反対の立場ですね。投資は難しいでしょうし自分のようにどこかに躊躇する想いがあったのでは寄付するほど儲けられないでしょうか?
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浮利を求めるな (heywa)
2007-03-12 04:48:05
この世で生きていく上でお金というものはある程度必要です。でも、金儲けそれ自体が自己目的化することは、いわばお金を神とあがめることにつながります。

右のものを左に動かして利ざやを稼ぐ、しかも実体のある商品ではなく、コンピュータ上の情報を動かして金を得る、ということは、どうみてもおかしなことです。そういうおかしなことは、宇宙の法則上、いつかは消滅します。

株式投資というものにはリスクがつきまといます。まして、現今のような時代には、ちょっとした情報で株価や為替が大きく変動します。投資をするなら、そのことを覚悟して行なうことですね。

昔は銀行に貯金をしていれば、自然に数%の利子が付きました。今はほとんどゼロです。そこで、株式や危険な金融商品に目を向ける人が増えてくるわけですが、そういったお金は最終的には国際金融ファンドに巻き上げられるシステムになっています。日本の異常なゼロ金利は、日本の国富を国際金融ファンドに差し出すための政策だと私は見ています。

今、定年で退職金をもらう団塊の世代の人たちが、そういう危険な投資で資産を失うようなことにならないでほしいと願っています。






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