平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

民主党はどういう政党?

2005年09月17日 | Weblog
9月16日の毎日新聞で、千葉大学教授の広井良典教授(社会保障論、科学哲学)は、政治理念を保守主義、自由主義、社会民主主義の三つに分け、今回の選挙によって、自民党が保守主義から自由主義に変化した、と述べています。

これは、自民党の変質を見る私の見解と同じです。

ただし、今回の自民党の勝利は、利権誘導の保守主義と、古い利権構造の解体を望む自由主義的な無党派層の重なり合いによって起こったのです。自民党は完全に変化したのではありません。

「津波が来ている時は、高台に逃げておとなしくしているしかない。小泉首相の任期が終われば、必ず揺り戻しがあり、元の自民党に戻る」という本音を、ある建設族議員は述べています(毎日新聞9月15日)。

これでは困ります。小泉さんには、こういう古い利権体質を徹底的に「ぶっ壊し」てもらわなければなりません。小泉さんは自分を織田信長に擬しているということですが、信長の役割は破壊でした。小泉さんの破壊はいまだ道半ばです。

さて、民主党。民主党はいま絶好のチャンスを迎えています。なぜなら、これだけ大勝利した自民党にはブレーキをかけようという意識が、選挙民に働くからです。次の選挙では、自民党が議席減、民主党が議席増になるに違いありません。

しかし、民主党というのはどういう政党なのでしょうか。いっこうにイメージが湧きません。小沢さん(旧自民党)と横路さん(旧社会党)が、同じ政党にいること自体がおかしいのです。反自民というだけで一緒になっているようにしか見えません。

今回、小泉さんによって郵政民営化が実現されたことは、民主党にとっては非常にありがたいことでした。労組を支持基盤とする民主党は、官公労の不利益になる郵政民営化を言い出すことができなかったのです。そのため、郵政議論では民主党は曖昧な態度に終始し、その点を小泉さんに見透かされて、選挙で負けてしまいました。

しかし、小泉さんのおかげで、巨大官公労は消滅します。民主党は今後、労組の利益代表となるのではなく、国民全体の利益を追求することができるはずです。

広井教授の分類でいえば、民主党は社会民主主義に定位すべきでしょう。社会民主主義といっても、日本の社民党や共産党のような、マルクス主義の尻尾を引きずっている社会主義ではなく、ドイツのSPDのような社会民主主義です。それによって、国民には保守主義・自由主義の自民党に代わる選択肢が与えられます。民主党が、そういう理念を明確に打ち出し、ふさわしいリーダーを持ったとき、日本でも真の政権交代が可能となるでしょう。

戦後60年間、短い一時期を除き、一つの政党が政権を取り続けてきたということが異常で、それでは当然様々な腐敗が生まれます。政権交代が起こらなかったということは、野党の責任でもあります。


最新の画像もっと見る