平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

サミット(2007年5月号)

2007年07月03日 | バックナンバー
 来年二〇〇八年の夏、日本で先進国首脳会議、いわゆるサミットが開かれる。

 サミット開催となると、参加国の首脳ら代表団は計千五百人になるし、報道陣は約三千人にものぼると見られている。世界各地からこれだけの人々がやってくると、その土地は世界中に紹介されて有名になるし、経済的効果も大きい。というわけで、現在、各地でサミット開催を招致する運動が活発化している。

 前回の日本でのサミットは、二〇〇〇年に沖縄県で開かれた。今回、立候補しているのは、

・北海道洞爺湖地域の「洞爺湖サミット」
・横浜・新潟両市などの「開港都市サミット」
・大阪・京都・兵庫3府県の「関西サミット」
・岡山・香川両県の「瀬戸内サミット」

である。それぞれ、警備がしやすい、とか、国際会議の施設がある、などというメリットを強調しているという。

 これらの候補地の中で、筆者は以下の理由で京都を推したい。

 京都は日本の古都であり、サミット開催は日本の伝統文化を知ってもらうよい機会である。

 第二次世界大戦中、京都は原爆投下の第一の候補地であった。しかし、ルーズヴェルト大統領とトルーマン大統領の下で陸軍長官であったヘンリー・スティムソンは、文化都市・京都の破壊に反対し、その代わりの候補地として選ばれたのが広島であった。京都は広島によって救われた都市として、平和という価値と結びついている。

 京都はまた、一九九七年の地球温暖化防止京都会議(第三回気候変動枠組条約締約国会議)で作成された、いわゆる京都議定書の都市でもある。京都は、地球環境保護という、今日の人類共通の目標とも結びついている都市である。

 今年になって英BBC放送が公表した国際世論調査の結果で、世界各国の人々は、日本を、カナダと並んで、国際情勢に最も肯定的な影響を与えている国と見ていることが明らかになった。筆者も最近、何人かの、いわゆる開発途上国出身の人たちと話す機会があったが、彼らはみな、日本が行なった道路や病院の建設に心から感謝していた。

 日本は、軍事力で自国の理想を他国に強制する国ではない。自由と人権を抑圧する共産主義体制の国でもない。いま日本にとって最も大切なことは、世界の中における自国の立ち位置を明確にし、日本の特長を通じて世界平和に貢献することである。

 京都でサミットを開催することは、日本が世界に向かって、文化、平和、地球環境保護という価値観をアピールすることにつながると思う。

*********************

この記事を書いたすぐあとに、サミット会場が北海道の「ウィンザーホテル洞爺」になることが発表されました。北海道は京都ほどのメッセージ性はありませんが、美しい自然は、海外からの来客に好印象を与えるでしょう。

今年の夏休みには「ウィンザーホテル洞爺」に行って、サミット会場の「下見」(?)をしてこようと思っています。





最新の画像もっと見る