平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

人身事故、自殺戦争、消費者金融

2006年09月19日 | Weblog
私は首都圏に住んでいますが、電車に乗っていると、「人身事故の影響でただいま○○線に遅れが出ています」というアナウンスを時々耳にします。多いときは週に数回あります。自分の利用している線でもそういうことが起こり、帰宅が大幅に遅れることがあります。

この人身事故というのは、たいていが電車への飛び込み自殺です。

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2002年以降、日本では年間3万2千人以上が自殺しており、人口に占める自殺率では先進国G7諸国中で1位、OECD加盟国では2位(1位はハンガリー)となっている。1日に平均88人、16分に1人が自殺している計算になる。2003年の年間自殺者数は3万4千人に達し、統計のある1978年以降で最大となった。人口10万人あたりの自殺者数を表す自殺率も27.0で過去最大であった。

国別の自殺率上位10位中、日本以外はすべて東欧・旧ソ連の旧社会主義国であり、旧西側諸国の間では日本が1位である。近年の日本では、フリーター、ニートに象徴される経済的な二極化の傾向が顕著である。

2004年の自殺者数は、警察庁の調べで32,325人を数えた。自殺率は25.3で、G8ではロシアに次いで2位であった。戦後最悪といわれる失業率と倒産件数を背景に自殺者が激増した。過去最多の2003年に比べれば2千人余の減少であるが、7年連続で3万人台が続いている。1日平均89人が自殺する現状である。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%AE%BA#.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E7.9A.84.E3.81.AB.E3.81.BF.E3.81.A6.E3.82.82.E5.A4.9A.E3.81.84.E8.87.AA.E6.AE.BA.E8.80.85.E6.95.B0

世界的に見ても非常に自殺率の高い日本は、決して幸せな社会ではないようです。

日本の交通事故による死者は1年間に1万人前後ですから、その3倍にあたる人々が毎年自殺しているわけです。イラクで死んだ米兵はまだ3000人弱です。日本では1年間にその10倍の人が自殺しています。しかも8年連続で3万人以上です。これは異常な事態で、政府、各政党、マスコミはなぜもっと騒がないのでしょうか? 1970年に交通事故で年間で1万6765人が死亡し、この数が日清戦争での日本の戦死者(2年間で1万7,282人)と近くなったので、「交通戦争」という言葉が生まれました。今は「自殺戦争」という状況です。

自殺の原因のかなりの部分が経済問題ですが、その中には消費者金融の利用者もいます。昔はサラ金と言いましたが、名前が変わっても、要するに高利貸しであることにかわりはありません。

消費者金融の利用者が自殺すると、生命保険会社から金融会社に保険金が支払われます。

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 消費者金融10社が借り手全員に生命保険を掛けていた問題で、死因が判明しないまま保険金が支払われていたケースが05年度、大手5社で支払い総件数の半数以上の約2万件に上ることが分かった。遺族に死因を確認せず、業者が取得した住民票の死亡記載のみで保険がおりる場合が大半で、自殺も相当数含まれるとみられる。命を「担保」にした安易な債権回収を大手の生命保険会社が支えている実態が初めてデータで裏付けられ、生保の姿勢が問われるのは必至だ。
 金融庁などによると、消費者金融大手5社が05年度に生命保険の支払いを受けた3万9880件の中で、遺族に請求して入手した死亡診断書や死体検案書で死因や死亡状況が判明しているのは1万9025件。うち自殺は3649件を占める。一方、全体の5割超の2万855件は死因が不明だった。死因の判明した件数のうち自殺の割合は19.2%に達することになる。
 この生命保険は「消費者信用団体生命保険」(団信)と呼ばれ、借り手を被保険者として消費者金融が掛け金を支払い、死亡時に残った債権を保険で回収する。一般の生命保険の場合、保険会社は死亡確認のため、遺族に死亡診断書などの提出を求める厳格な運用をしている。
 しかし、団信では契約後1~2年以上たったり、債権額が少ないケースでは業者が市町村役場に請求した住民票で死亡の事実を確認するだけで保険を請求できる。一部の大手消費者金融は毎日新聞のこれまでの取材に「遺族に負担をかけないための保険であり、死亡診断書などで遺族から死亡確認するのが原則」と答えていた。
 大手5社はいずれも大手生保から短期・長期の巨額融資を受けている。生命保険協会は「死亡を確認する方法まで協会として承知しておらず、各社の問題だと考える」と説明している。【多重債務取材班】
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060914-00000007-mai-bus_all

私も住宅ローンを借りるとき、「団信」に加入させられました。私が何らかの原因(病気、事故など)でローンを完済しないうちに死ぬと、残った借金は団信から返済され、残された家族は担保の住宅を手放す必要がなくなります。

団信は本来、ローンの借り手とその家族を守るシステムであるはずなのに、消費者金融は、自分たちの債権を確保するためにこれを使用していたわけです。つまり、借り手が借金返済ができなくなれば、消費者金融は借り手を自殺させれば、元本が返ってくるわけです。消費者金融の取り立てが時には脅迫まがいになり、借り手を精神的に追いつめ、自殺にまで追い込むのは、背後にそういうシステムがあったからなのでしょう。そのような自殺は、自殺ではなく他殺と言うべきではないでしょうか? 大手生命保険会社は消費者金融に融資し、しかも団信によるそのような自殺=他殺システムを支えているわけです。自殺者は消費者金融と大手生命保険会社によって殺されたといっても過言ではありません。恐ろしいことです。

しかも、自殺者に関して消費者金融に対して支払われるお金は、結局、その他の一般の団信加入者の掛け金によってまかなわれているわけです。一般の団信加入者は消費者金融のために高い掛け金を取られていることになります。つまり、消費者金融を利用していない人々も、消費者金融によって搾取されているわけです。

このようなシステムは改められなければなりません。そのためには、「消費者金融の借り手が自殺した場合、団信の保険金は消費者金融に与えない」という法律を作らなければなりません。そうすれば、消費者金融は借り手を脅迫するような無理な取り立てをやめ、日本の自殺者も大幅に減るのではないでしょうか。




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