平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ジュセリーノという予言者(2)

2007年01月20日 | Weblog
たま出版に記事に、「彼の予知は、基本的には夢によって情景が出てくる」とありますが、その情景が見えるということは、それが何らかの形で存在しているから見えるわけです。

人間は通常、縦・横・高さの3次元の世界にいて、その3次元の世界が時間軸の上を過去・現在・未来と動いている、というイメージで生きています。未来は文字通り「未だ来ていないもの」ですから、ある程度の予測はできても、見ることはできないはずです。

ところが、こういう世界観は、実は、宇宙の実態とかけ離れたきわめて限定された世界観なのです。それは、地面の上を歩くことしかできないアリが、ハチが飛ぶことができる空中はない、と思い込んでいるようなものです。

平面という2次元の世界しか知らないアリは平面上に何か障害物があれば、その先を見通すことはできません。しかし、3次元に生きているハチは障害物を越えて、その向こう側を見通すことができます。

通常の人間には未来を見通すことはできませんが、それは2次元に生きているアリが、3次元の世界を知らないのと同じようなものです。しかし、たまに、もう一つの次元から、時間を超えて先の世界を見通すことができる能力の持ち主がいて、そういう人が予言者と呼ばれるわけです。それがなぜ可能かといえば、縦・横・高さの世界を3次元、それに時間を加えて4次元しか、通常の人間は知りませんが、実はもう一つ(以上)の次元があり、その中で人間は生きているからなのです。

このもう一つの次元は人間の心、意識と関わっています。それを霊的な次元と呼ぶことができます。縦・横・高さの物質的次元は、霊的次元を含めた宇宙全体の部分集合にすぎません。

これをとてもうまく説明しているのが、プラトンの「洞窟の比喩」です。ギリシャの哲学者プラトンは、人間は、背中を入口(光)のほうに向けて洞窟にすわっているような状態だ、と言います。人間が対面している洞窟の壁には影が映り、自分が動くと影も動きますが、人間はその影が自分であり、世界のすべてであると錯覚しているのです。しかし、影をつくりだしているのは、すわっている自分であり、その背後にある太陽の光なのです。

プラトンは、自分のイデア説を説明するためにこの「洞窟の比喩」を用いているわけですが、私はこれを少し変えて、太陽を神(神霊的自己)、洞窟の入口にすわっている人間を霊界・幽界(意識・心)、壁に映る影を現実世界(肉体的自己)として説明します。

日本語ではこの世のことを「うつしよ」といいますが、3次元の世界は実は、高次元の霊的世界が映し出されて現出している世界です。普通の人間は、3次元の壁に映し出された影しか見ることができず、それがすべてと思い込んでいますが、中には、影の原因となっている高次元の自分自身、さらにはそれを照らし出している太陽そのものを認識できる人が存在します。

影の世界である3次元の世界では、時間は時間軸の上を一方向にしか進むことができません。つまり時間は直線(1次元)です。しかし、霊界・幽界(意識・心)では、時間は少なくとも2次元以上であると考えられます。時間が2次元ということは、私たちには想像しがたいことですが、ごく簡単に言えばこういうことです。

現在という一瞬は、1次元の時間軸上の1点です。ところが、その1点に別の時間軸が直交していて、その1点上に別の過去・現在・未来が展開しているのです。逆に言えば、1次元の時間というのは、2次元の時間の1次元への写像、まさに投影であるわけです。

時間が1次元であれば、未来は見ることはできません。それは、2次元世界のアリが、障害物の向こう側を見ることができないのと同じです。しかし、3次元空間を飛ぶことができるハチは障害物の向こうを自由に見ることができます。それと同じように、2次元の時間では、過去・現在・未来という直線的な時間の流れは絶対ではなくなります。夢の中では、過去・現在・未来がごちゃ混ぜになりますが、夢の時間はまさに2次元の時間です。

3次元の世界、すなわち洞窟の壁の影の世界では、1次元の時間しか流れていませんが、影の原因となっている霊界・幽界(意識・心)の世界の時間は2次元以上です。

これをCDやDVDという別の比喩で説明することもできます。CDやDVDの中には音楽や映画がデータとして、最初から最後まですでに2次元平面上に存在しています。しかし、私たちはそれを実際に観たり聴いたりするためには、それらをプレーヤにかけ、1次元の時間軸上に展開しなければなりません。

たとえばCDの曲を聴く場合、通常、演奏は、1,2,3・・・という順番で進みます。それは直線的な時間の流れです。しかしCDを、スキップやランダム選曲や早送りや逆回転など、通常の演奏とは別の特別な機能を使って聴くこともできます。そうすると、本来ならばあとでなければ聴けない曲を先に聴くこともできます。つまり、未来を先取りして聴くことができるわけです。普通の人がCDを前から順番に聴かなければならないのに、スキップしてあとのほうの曲を先回りして聴ける人が予言者ということになるわけです。

通常の人間にもそういう機能は備わっていたのですが、長年、洞窟の中にすわっていて、影絵の世界がすべてと思い込んでしまって、そういう機能を忘れてしまっているのです。

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