平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

耐震偽装隠蔽事件

2006年10月19日 | Weblog
昨年末、マンションやホテルの耐震偽装問題が日本中を騒がせたことは、まだ私たちの記憶に新しいところです。

そのとき、渦中の一人となったイーホームズの藤田東吾氏が、10月18日、執行猶予付きの有罪判決を受けました。ただし、有罪の事由は、耐震偽装ではなく、会社設立の時の「見せ金」という法律違反です。

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 耐震データ偽造事件で、増資を装ったとして電磁的公正証書原本不実記録・同供用(虚偽登記)罪に問われた民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区、廃業)社長、藤田東吾被告(45)に対し、東京地裁は18日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役2年)を言い渡した。青柳勤裁判長は「業績を上げるため法令の潜脱(脱法)もいとわない身勝手な考え」と述べる一方、起訴事実と耐震偽装との関連性は否定した。一連の事件で起訴された6被告のうち初の判決。
 公判で検察側は「見せ金増資をもとに業務を拡大した結果、人手不足で十分な検査の実施に支障をきたした」として、起訴事実が偽装見逃しにつながったと主張。しかし判決は、見せ金増資とその後の検査業務で構造計算書の改ざんを見過ごした一連の問題との関連について「本件後の資本金増額や業務の拡大、国認定の構造計算プログラム変更など、さまざまな要素が介在している」と指摘。「見せ金増資と偽装見逃しに因果関係があるのかどうかは証拠上明らかでない」と判断した。
 藤田被告も公判で見せ金増資を認めつつ、耐震偽装事件との関連を否定していた。
 判決によると、藤田被告は01年10月に同社の資本金を約2300万円から約5000万円に増資したとする法人登記の変更を申請した際、実際には資金がなかったため、知人の司法書士(67)=起訴猶予=から一時的に借り入れた資金などで増資を装い、虚偽の登記申請をした。同社はこれをもとに同12月、検査機関の指定を受けた。
 同社は元1級建築士の姉歯秀次被告(49)=建築基準法違反などで公判中=が強度を偽造した99物件中、37件の偽造を見逃し、5月に検査機関の指定を取り消されている。【篠田航一】
(毎日新聞) - 10月18日17時12分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061018-00000017-maip-soci

藤田氏は記者会見の場で爆弾発言をしたのですが、東京新聞をのぞいて、大手新聞もテレビもそれについて一切触れていません。

その内容は、アパ・グループのマンションでも耐震偽装が行なわれている、という内容です。

アパ・グループというと、ちょっと変わったおばさん社長がテレビのコマーシャルに登場したこともある、かなり有名な企業です。私もアパのホテルに泊まったことがあります。

イーホームズはアパのマンションの構造計算をして、それが偽装されていることを発見し、藤田氏はその事実を国交省に訴えたにもかかわらず、その訴えは無視されて、そのうち逮捕されてしまったのです。これはまさに国による口封じだ、と藤田氏は主張しています。

アパのホームページを見ましたが、たしかに藤田氏が指摘しているマンションはイーホームズによって構造計算に問題がある、という案内が契約者に対してなされていました。

アパの社長の一人・元谷外志雄氏は安倍晋三氏の後援会「安晋会」の副会長をしているといいます。ヒューザーの小嶋社長も安晋会のメンバーでした。耐震偽装隠蔽問題は安倍晋三氏と関係している疑惑が浮かび上がってきました。詳しくは「きっこの日記」をお読みください。


私は藤田氏やきっこ氏の主張が真実かどうか、現在の時点では判断することはできませんが、大手マスコミがこのような重大情報を無視し、国民に対して隠蔽していることはおかしいと思います。多くの人々の生命と財産が関わる問題です。マスコミは藤田氏の主張が事実かどうか検証し、公表すべきです。そしてまた、安倍晋三氏が自己の保身のために真実を隠蔽するような政治家であるならば、日本の安全が重大な危機に瀕しているこのような時期に、日本の運命を託すことはできません。嘘偽りによって、日本が誤った方向に導かれてはたまったものではありません。