平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

自衛隊のイラク撤退

2006年06月22日 | Weblog
政府は6月20日に、サマワに派遣している自衛隊を撤退させることを正式発表いたしました。これは、同地域を警備しているイギリス軍が撤退するのに便乗したものです。

当初から、自衛隊の海外派兵は憲法違反ではないか、という疑念があり、自衛隊のイラク派兵に関して国内世論が一致していたわけではありません。自衛隊はサマワの給水や復興で一定の成果をあげましたが、はたして「費用対効果」という視点から見て、使ったお金だけの成果であったかどうかは疑問が残ります。

自衛隊がこの地を去るのは、この地の復興が完了し、秩序が回復したからではありません。まったく逆で、イラクの混乱がますます深まり、このままでは自衛隊がアメリカ軍と一緒に泥沼に引きずり込まれることが明白だからです。万が一、武装勢力の攻撃で自衛隊員に死傷者が出た場合、小泉首相と日本政府への批判は避けられません。イギリス軍が撤退してくれるのは、まさに渡りに船でした。

このイラク派兵は、結局のところ、イラクにはアメリカ以外の国も派兵しているのだ、ということを示すための、小泉政権のブッシュ政権への協力以外の何ものでもありませんでした。

イラク戦争開始の直前、アメリカのスペースシャトル・コロンビア号が墜落し、天はアメリカとブッシュ大統領に対して、明確な警告を発しました。しかし、ブッシュ大統領はこの警告を無視し、戦争に突入しました。天の意志に反した行為が惨めな失敗に終わることは当然です。今、ブッシュ大統領の支持率は史上最低だそうです。ブッシュ大統領は、史上最悪の米大統領としてその名を歴史に残すでしょう。

国連安保理の支持を得られなかったアメリカは、最後まで開戦に躊躇していました。しかし、日米同盟の絆を断つことはできない、という理由で、小泉氏は開戦を支持しました。日本がアメリカの真の友人であるならば、開戦を思いとどまるように、必死でアメリカを説得すべきでした。平和を守れという明確な天の意志を実行するのに、何を恐れる必要があったでしょう。アメリカが開戦したのには、小泉氏も一定の責任があります。この戦争によって、どれだけ多くの人びとが死に、傷ついたことでしょうか。

イラク戦争によって、アメリカは途方もない負債(経済的、精神的、カルマ的)を背負い込みました。このままではアメリカの滅亡は必至でしたが、アメリカ人にとってはありがたいことに、昌美先生が今年の4月、1カ月間にわたってアメリカでお浄めをし、また多くの世界平和の祈りのメンバーがアメリカの内外でアメリカのために祈りを捧げました。

あとはアメリカ人が一日も早く迷妄から目ざめ、イラクから撤退することです。このままイラクにいても、アメリカ兵が殺され、イラク人が殺されるだけで、何の展望も開かれません。もちろん、米軍がイラクから撤退しても、イラクの秩序が回復する見込みはありません。アメリカは何の成果もなく、ただ破壊だけを残してイラクを去るという、その現実を直視し、自分がなした行為を深く反省する必要があります。イラクの再建は国連が主体になるしかないでしょう。アメリカは国連に頭を下げなければなりません。

自衛隊は一人のイラク人も殺しませんでした。自衛隊はこのことを誇ってよいと思います。つらい環境の中で厳しく自己を律し、無事任務を果たして帰国する自衛隊の皆様には、「お帰りなさい。ご苦労様でした」と申し上げたいと思います。