難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳50日目の聴力検査の結果。

2008年02月10日 06時36分29秒 | 人工内耳
080211_0634~001.jpg2月8日に、補聴器外来に行った際に人工内耳と補聴器の聴力検査の結果を聞いて来た。

人工内耳および人工内耳と補聴器併用の聴力検査の結果は興味深い。
検査を受けたのは人工内耳装用後50日目にあたる。マップはP4、まだフラットのマップにする前のだ。補聴器はオチコンのSUMO DM。

人工内耳は、単語と文章の成績が低い。補聴器は逆に子音と単音節が低い。これは聞き取りの経験の差だと考えられる。補聴器は聞こえない音や声でも単語や文章を類すして補完しているが、人工内耳はまだオンそのものが明瞭に聞こえないので補完が出来ないからだ。

     人工内耳のみ 人工内耳と補聴器併用
◯子音    27%      41%
◯単音節   22%      35%
◯単語    10%      68%
◯文章    13%      85%

人工内耳はP3のフラットなマップを聞いている。検査の時はよく聞こえていたP4はうるさく感じるので使っていない。
最近はP3でも自分の声が少し聞こえるようになって来た。

人工内耳は補聴器と併用しているが、そのために人工内耳に馴れるのが遅れているのだろうか。前に犬の鳴き声を聞いた時、それが何の音か分からなかった時は「ピーピーギーギー」と聞こえていたが、犬の吠えるのを見ると「ワンワン」と聞こえる。

音と補聴器の実際のオンの記憶が一致しないと効果がないのだろうか。そうすると補聴器の音は人工内耳の音を隠してしまうので、人工内耳と実際の音なり言葉とは一致させる機会がない。


ラビット 記





地上デジタル移行のセーフティネットに効果的な障害者対策を

2008年02月10日 06時03分58秒 | バリアフリー
080209_1853~001.jpg070716_1901~002.jpg1月28日の情報通信審議会 情報通信政策部会地上デジタル放送推進に関する検討委員会(第34回)の議事録が公開されている。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/080128_1.html

資料がpdfなので、視覚障害の方にはアクセスしにくいと思われるが、前回の会合で、衛星放送によるセーフティネットの検討内容が告されている。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/pdf/080128_1_5.pdf

これは、地上デジタル放送の難視聴地域に対して、NHKと在京民放キー局の番組を衛星放送BSで再放送することでカバーする、そのための考え方を議論したものだ。地方で見られるのはNHKとその地域の系列の民放局だけでキー局全てが見られる訳ではない。


そこで、出された意見は
・「経済弱者」だけではなく、技術弱者も考える必要がある。
・「経済弱者」の範囲をどのようにするか問題だ。生活保護所帯とかNHK受信料免除所帯とか。
・「経済弱者」(貧困所帯)とは別に、障害者にはどのような支援が必要か、設定、設置など何らかのサービスを検討する必要がある。
・アメリカは申請方式だ、調査しておくべきだ。


支援対象者が、経済的弱者、高齢者などとともに障害者もあげられているが、どういう障害者を想定しているかは明確でない。
内閣官房では、「デジタル放送の移行完了のための関係省庁連絡会議」を開いて、来年6月のアクションプランの策定のための検討を行っていると報告されている。


これは、我々は知らなかったが、対応を協議する必要がある。
検討会の議論は、全ての国民が支障なく見られるようにきめ細かい対策が必要という基調がある。デジタル波が届かない難視聴地域対策を講じる他に、高齢者等理解が難しい人々に一軒一軒回っても対応する必要があるというようなことまで議論されている。障害者に対して同様の対応をして欲しいと思う。

問題は、障害者の対応の必要性がいわれているのに、具体的な問題を把握していないことだ。障害者=所得の低い人、テレビの設定が困難な人というような受け止め方があり、視聴覚障害者がそもそも放送にアクセス出来ない問題が念頭にないようだ。

障害者放送協議会がデジタル放送への移行にあたって、障害者にセットトップボックスの給付を要求しているのは二つの対策がある。一つはデジタル放送受信機を持っていてもアクセス出来ない人々に対して、もう一つはアナログテレビを視聴する人々に対して対応するということだ。対応の方法はCS通信を用いて、手話と解説音声、
字幕を補完するもので、現在のところ、インターネットによる補完は考えていない。

ここでは、詳しく論じないが、IPマルチキャスト放送にも注意を払う必要があるだろう。IPマルチキャスト放送を放送事業者以外に実施しようとしている動きをネットニュースで報じられているが、それによると、2009年3月までの期限で申請されたIPマルチキャスト放送実施条件をクリアーすることが出来ない(遅延時間2.5秒以内)
ことが問題になっている。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080125/292045/

字幕放送も含めて放送と同じように実施することが要件になっているが、実施された場合我々のアクセスに問題がないのかも確認が必要だろう。


ラビット 記




アップルのipodのCMの手話バージョン

2008年02月10日 02時21分48秒 | 生活
アップルのipdはもう日常風景だ。
通勤路で毎朝すれ違う女性はケースの色を毎日ピンクやブルーとか交換している。

ipodのCMはテレビで見るが踊っているだけだ。しかし、このCMは手話を使っている。Youtubeの動画のコメントを見るとASLのようだが、そのコメントもユニークだ。
正確な訳ではないが、いろいろな議論がある。
「多くのろう者は音楽を聞くことが出来るし、感じることが出来る」、「アップルはデフ・コミュニティにアプローチしようとしている」、「マーケティングとして正しい人々を対象にしている」、「いやしていない、しかしダンスはカッコいい(クールだ)」、「アップルはipodがろう者のためとは言っていない、ASLを理解している人だけがメッセージを受けられる」、「ASLを学んでいるが先生よりこのCMのことを聞いたがろう者は振動を感じる人もおり、音楽はその人それぞれが楽しめれば良いと教えられた」、「全ての会社がアクセシブルなCMを提供することを望む」など。

ろう者は音楽を聞くことが出来ないと人々と思っているとショックかも知れない。
アメリカにはこうした音楽を「感じる」ことを
許容するというより、その人それぞれで良いと積極的に評価する文化があるのだろう。


ラビット 記

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デジタル放送のアンケート協力のお願い

2008年02月09日 09時44分37秒 | 放送・通信
080127_1240~001.jpg071030_1906~001.jpg全難聴より、デジタル放送に関する意識調査のアンケートの依頼が来た。

地上デジタル放送の完全移行が2011年7月と3年後に迫り、アナログテレビは既に製造されておらず、放送業界も転換に急ピッチだ。
しかし、障害者の放送アクセスが大きな問題となっているがそのことを当事者はどう思っているか一般国民との認識の違いがあるか調べるものだ。


スイッチで見られる手話放送とは字幕放送のようにボタンを押せば必要な人だけが手話放送が見られる機能だ。


ラビット 記

・・・・・・・・・・・・・・・・
>
> お世話になっております。
>
> 全難聴より「デジタル放送についてのアンケート」協力のお願いをさせていただきます。
>
> 全難聴がメンバーとなっている「障害者放送協議会 放送・通信バリアフリー委員会と著作権委員会」において、来る3月15日にシンポジウム開催を企画しています。
>
>
> テーマ案は「情報アクセシビリティの実現に向けて 障害者権利条約の時代における、著作権と放送バリアフリー」で、その中で”デジタルテレビと情報アクセシビリティ”について取り上げる予定です。
> このアンケートは、シンポジウム開催にあたり事前にユーザーの意識調査を行い、データを集約するために実施するものです。
> ご回答いただいたデータはこのシンポジウムのためにのみ活用させていただきます。
> ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
>
> 所属会員やお知り合いの皆様にアンケート用紙を配布いただき、全難聴事務局までFAX(またはメール添付)で2月末日までに回答していただくよう、呼びかけをお願い致します。
全難聴ホームページにも掲載を致しました。
関係の皆様にもご案内のほど、よろしくお願い致します。
http://www.zennancho.or.jp/special/question.html

>
> ファックス 03-3354-0046
 メール(@を半角英字にして下さい) zennancho@zennancho.or.jp
>

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デジタル放送についてのアンケート

                 歳代 (男、女)        都道府県

1.聴力:電話が(出来る、出来ない) テレビが補聴器などで(聞こえる、聞こえない)

2.毎日テレビを何時間視聴していますか。        時間くらい

3.テレビで一番見るのはどんな種類の番組ですか。上位3種を選択して下さい。

 A 朝、昼、夕方、夜のニュース  B 朝の連続ドラマ、夜のドラマなど

 C クイズや娯楽等のバラエティ  D 相撲、野球、オリンピックその他のスポーツ

 E ドキュメンタリー  F 教養番組  G その他

4.字幕放送を見ていますか。

 A いつも見ている  B よく見ている  C あまり見ない  D 知らない

 その理由は何でしょうか



5.地上デジタル放送が始まっていることを知っていますか。         はい いいえ

6.アナログ放送は2011年7月で終了することを知っていますか。      はい いいえ

7.地上デジタル放送を見るにはテレビやアンテナを買い替えるかアダプターを購入する必要があることを知っていますか。               
        はい いいえ

8.ご自分の見ているテレビは地上デジタルかアナログ放送か知っていますか。

はい いいえ

9.携帯電話のテレビが地上デジタル放送(ワンセグ)であることを知っていますか。

はい いいえ

10.ワンセグテレビの見られる携帯電話を持っていますか。         はい いいえ

11.地上デジタル放送で何を期待しますか。(複数選択 可)

 A きれいな画質  B 大きな画面  C 移動時の視聴  D 字幕放送の拡大

 E 手話放送の拡大  F 解説放送の拡大  G インターネットとの併用

12.地上デジタル放送で、スイッチで見られる手話放送が実施できないのを知っていますか。

はい いいえ

13.今の地上デジタル放送テレビではデジタル放送の解説放送が聞けないのは知っていますか。

はい いいえ

14.地上デジタル放送を見るために1年以内にテレビを買い替える予定がありますか。

はい いいえ

15.テレビ放送のバリアフリーについて、ご意見があればお書き下さい。(別紙に)



ご協力、ありがとうございました。





人工内耳で聞こえないと 

2008年02月08日 00時11分17秒 | 人工内耳
080207_2245~001.jpg人工内耳を使い始めて二ヶ月を経過した。
少し困ったことが続いた。
勤務先で余り話をしない別のセクションの部長、副部長から問われたことが目の前で言われたことなのに分からなかったのだ。
補聴器と人工内耳を併用していたが、まるで聞き取れない。
P3のマップを使い続けて来たがボリュウム0、感度5でないとうるさく感じるようになりっている。なかなか自分の声も聞き取れないマップだったが自分の声が少し聞こえるようになった。
人の言っていることはまだ分からない。

人工内耳と併用している補聴器の方はもう少しパワーが欲しいと思うことが多い。前のR社のカスタム型に比べるとメリハリが足りないように聞こえる。補聴器本体とイヤーモールドをつなぐチューブが短いのか、補聴器が耳から浮き気味だ。

これは明日の補聴器外来で聞いてみよう。


人工内耳は補聴器を使っているとどういう音がしているのか分からない。前は自分で声を出して聞いてみたり、人工内耳だけで意識して聞いたが最近はとにかく聞かなければならない会議などが土曜日曜も続いていた。


一方補聴器で聞いている時に左の人工内耳の音が邪魔になって聞き取れない。

それで最近ストレスが貯まる原因かも知れない。


ラビット 記



デジタル放送セットトッブボックスは無駄?

2008年02月06日 18時51分47秒 | 放送・通信
080203_1812~001.jpg視覚障害者と聴覚障害者の集まる会合で重要なことを聞いた。

視覚障害者はテレビを視聴する人が多いが、地上デジタル放送を購入することから、設定をすることが困難の連続だ。
マニュアルの点字版やテレビに音声ガイドがないからだ。

テレビの設定が終わっても、チャンネルの選定も録画の予約が難しい。ボタンが多い上に画面を見ながら予約したりするようになっているからだ。

視覚障害者は全てのテレビに音声ガイドを付けるべきと要望している。
字幕放送回路が義務つけられていないために、日本ではその普及は欧米から非常に遅れたのでこれは全面的に支持したい。

もう一つの問題提起は、アナログテレビにセットトッブボックスで見られるようにしてもアナログテレビのメーカーは製造中止している。故障した時はアナログテレビは修理出来なければデジタルテレビに買い換えるか中古テレビを探すことになる。アナログテレビが壊れればセットトッブボックスは無駄になる。

安価なデジタルテレビを給付した方が社会的コストが安く付くというものだ。
確かにメーカーは5000円では出来ないという。

不要なアナログテレビは海外に流れたり、中古テレビとして高値で流通したりするのだろうか。これはこれで問題になる。


ラビット 記
…………………………
船井電機、米でテレビ用デジタル変換器を発売
日本経済新聞
米国では2009年3月にアナログ放送が停止しデジタル放送に移行するため、政府は受信機の普及促進に動いている 。船井は高価なデジタルテレビを購入できない低所得層を ...
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080203AT1D230CB02022008.html





デジタル放送の動向とバリアフリー対策

2008年02月06日 08時47分30秒 | 生活
080127_1240~001.jpgデジタル放送テレビの受信機の販売総数が累計3000万台を越えた。
月間200万台とは言え、このペースでは2011年までにアナログテレビがデジタルテレビに置き換わらない。
国民の情報基盤が一部にせよ分断されることの影響は図り知れない。

一方、視聴覚障害者がデジタル放送を見ることは出来ないと言う事実が隠されたままだ。
例)必要な時に見られる手話放送(クローズドサイニング)が実施できる技術がない。デジタル放送のチャンネルに割り当てられたデータ放送の部分では手話の映像が送れない。
例)5.1チャンネルを使って解説放送を実施する放送設備と受信機がない。5.1chの1chを使って放送することは理論上は出来るがそれだけ取り出す回路を持った設備がないということだ。


ラビット 記
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地上デジタル放送受信機器の国内累計出荷台数が3000万台突破、JEITA
nikkei BPnet
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2007年12月の地上デジタル放送受信機器の国内出荷実績を発表した。それによると、総出荷台数は対前年同月比20.0%増の193万6000台。 ...
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q1/560180/


4年後売上高27%増でも営業益10%減!?WOWOWの仰天中期経営計画の理由
東洋経済オンライン
その中身は2012年3月期の売上高が今08年3月期計画比27%増やす一方で、営業利益は同10%減という衝撃的なもの。11年7月には地上デジタル放送への完全 ...
http://www.toyokeizai.net/online/toushi/shiki/?kiji_no=468

格安の地上デジタルチューナーは近いうちに
欧州通信
この記事によると、船井電機は今月、アメリカで従来のアナログテレビでもデジタル放送を楽しめるテレビチューナーを発売するそうです。
これはアメリカでは日本よりも ...
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080203AT1D230CB02022008.html
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080203_tuner/




政府は中途失聴・難聴者雇用のための法改正を

2008年02月05日 22時52分26秒 | 就労

syugyousien.jpg2月3日の日本経済新聞1面トップに、障害者雇用促進法の改正を報じる記事が出ていた。

小見出しに「障害者雇用義務違反企業に罰金の対象拡大」とあるように、雇用者を読者に抱える新聞らしいが、大見出しは「障害者就業支援強化」だ。


このことは歓迎すべきだが幾つもの課題や問題がある。
この就業支援に、就職と就労に困っている中途失聴・難聴者がみな対象になるかが問題だ。
ハローワークに行っても現在の身体障害者福祉法の聴覚障害の基準に合致していない者は支援の対象にならず門前払いになることだ。

二つ目は、支援を受けられるとしても、きちんとコミュニケーション支援が受けられるかどうかだ。
ハローワークや障害者就労サポートセンターなどで就労相談を受ける際に、要約筆記が必要だ。
地域生活支援事業の要約筆記の派遣は各自治体に申し込むが、居住地以外に派遣は認められないという自治体がまだある。また、長期に継続して派遣は受けられるのかどうかだ。

これは市町村ではなく、都道府県の就労支援事業で予算化し、広域対応すべきだろう。自動車免許の申請も警察行政で予算化すべきだ。社会がバリアフリーになるということは各分野で対応するということだ。

三つ目は、中途失聴・難聴者の職場に要約筆記が派遣されないことだ。
これには二つの問題がある。企業の中に外部の人間が入ることへの警戒、長年の活動による社会的認知のある手話通訳ですら容易ではない。ましてや要約筆記は技術も役割も知られていない。
もう一つは企業などが要約筆記を認めても障害者就労支援制度の対象ではないため補助が出ない。

四つ目は、中途失聴・難聴者の問題を良く理解したコーディネータやジョブ・コーチがいるかどうかだ。

五つ目は、補聴支援システムは以外と使い勝手が悪く周囲の人の理解が大切だ。マイクを一人ずつ持って話さなくては聞こえない。


中途失聴・難聴者の就労問題は大きな問題だが行政も企業も気付かない。


ラビット 記



耳鼻科医への難聴予防等社会医学意識向上の呼びかけ

2008年02月05日 20時04分49秒 | 生活
080205_1456~001.jpg日本ヒアリングインターナショナルHIJの理事長の中川雅文先生が、ホームページ上で耳鼻科医に対して、難聴予防、聴覚管理、難聴治療の重要性を呼びかけている(掲載日は不明、2007.7?)。

間違ったあるいは遅れた対処方法として感音性難聴の補聴器の片側装用の弊害について触れられているが、両耳装用をもっと早期にしていれば、聴覚活用はもっと発達していただろうと思う。

難聴者も両耳装用が良いとわかって、福祉事務所に申請すると耳鼻科医が意見書を書き、H市の場合は東京都心身障害者福祉センターが判定することになっている。
なかなか認められないが、医師が両耳装用の効果、必要性をきちんと説明して頂ければ行政も変わるのではないか。

中川理事長のような難聴者の立場にたった耳鼻科医が多ければ難聴者も沢山救われるだろう。


ラビット 記
写真は、成長を続けるアマリリス。
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特活法人 日本ヒアリングインターナショナル・メールマガジン
HIJ会員各位

現在私は、順天堂医院補聴器外来へ無給・交通費支給なしの条件で毎週火曜日
に出ています。
この件で、医局の会誌へ寄稿を求められ、投稿した文を一部改変して皆さんへ
も転送します。
御笑読ください。
中川雅文
http://www.npo-hij.org/013.html




介護職に要約筆記は必要なのか

2008年02月05日 08時59分38秒 | PHSから
080204_0738~001.jpg介護を受けている人たちは高齢の難聴者が多い。
介護サービスに関わる専門職に要約筆記が必要なのか。

要約筆記はそれ自体が専門性のあるコミュニケーション支援サービスであり、社会福祉法第二種事業に指定されている。
要約筆記者が介護職を目指すことは当然あるが、要約筆記はコミュニケーション支援技術の一つであり独自の専門性を持つ。対人援助においても違う専門性が求められる。

共通しているのは、支援対象者の権利を守る立場で、社会福祉サービスを担っていることだ。
通訳といっても、言語通訳との違いもここにある。

いま活動している要約筆記者は要約筆記奉仕員カリキュラムに基づいてあるいはそれに満たない内容で学んだ人びとで、専門性は不十分というより、それを求められていない。


介護の現場で介護者に求められるのは、要約筆記(通訳)技術というよりは、聞こえの低下した対象者に対する理解と適切なコミュニケーション方法の技術ではないか。

難聴とは何か、聴覚障害は何を差すのか、聞こえない人はどういう心理的問題を持つのか、聞こえない人のコミュニケーション方法はどういうものか、難聴者支援の社会資源の種類と連携方法などが考えられる。

筆談は書いてコミュニケーションするが聞こえない人が分かりやすい書き方、機材というのはある。
ノートテイクは要約筆記の一つの方法で話し手の言葉を聞こえない人に書いて通訳するもので、支援者が対象者と直接コミュニケーションするための筆談とは違う。


全難聴の開いた「聞こえのケアマネジメント」講座は高齢者生活支援センターや介護施設、聴覚障害者情報提供施設などから申し込みが殺到したことがあったように、社会のニーズは強い。


ラビット 記



雪の情報 難聴者の情報

2008年02月03日 19時34分45秒 | 生活
080203_1800~001.jpg080203_0843~001.jpg突然の雪。

昨夜の内に雪が降るかもと聞いていたが、朝「最悪!雪です」のメールでホテルの窓から外を見たら雪だった。

交通機関の心配をするがバスやタクシーは道路に出てみないと分からない。

駅まで行けば列車の遅延情報が掲示されている。

外出時に天気予報などの気象情報は得にくいことに気が付いた。


ラビット 記




人工内耳装用開始後60日目

2008年02月02日 13時32分23秒 | 人工内耳
080131_1321~001.jpg080131_1322~001.jpg2007年12月5日に人工内耳装用を始めてから2月3日で60日になる。

現時点での状況を記しておきたい。

1.人工内耳はコクレアのフリーダム。コード化法はACE。
マップは8種類以上になるがまだ固定したものではない。
少し音や言葉が聞こえるになると新しいマップに変更している状況。
今は1月17日からフラットなラインのマップを使うようにしている。

2.補聴器は1月11日muiconのSUMO DMに変更した。最初の調整のまま。
時々出力不足や言葉のめりはりが足りないと感じる。

3.人工内耳と補聴器の両耳装用の効果はある。
両耳で聞く効果と補聴器の聞こえを人工内耳で補う効果の両方を感じる。

4.人工内耳と補聴器ともTモードで磁気ループを聞くとかって経験したことのないくらい良い聞こえが得られる。
※磁気ループは良く調整されていないと効果は半減する。

5.人工内耳と補聴器の聞こえは読話を助ける。読話が聞こえを助けているのかもしれない。
手話で表現するのは変わらないが、手話の読み取り力が低下したかも知れない。
※ろう者と聴者のいる会議で何度か手話を見落としている。聞こえに気が向いていて視覚的な注意力が低下しているのだろうか。

6.聞こえが明瞭ではないので、要約筆記が欠かせない。
インプット回路を聴覚から視覚に切り替えることが出来る。
要約筆記を見ている時は文字と聞こえを参照すると理解は難しい。

※磁気ループで良く聞こえているのに内容が頭に入ってこないということを経験している。

7.舌の中ほどが少し甘味を感じる。術後は舌の先が金属の味がしていた。

8.今までより聞こえが向上したので、職場で今まで補聴器で聞き取れなかった女性に積極的に話しかけることが多くなった。話しかけても返事は聞こえるかも知れないと思えるので気分的には楽になった。
家庭で話しかけることも多くなった。

9.しかし、聞こえが安定しないので心理的にはいつもイライラしている。

10.声が低くなったとか話し方が変わったと言われる。
自分では中々分からないが、同じように話しているのに自分の声が違って聞こえる。自分の声が聞こえるので発音に気をつけるようになったかも知れない。


現在は人工内耳の聞こえは「少し聞こえてきた」とも言えない。フリーダムの指向性マイク機能や望遠機能など新しい機能を使うには至っていない。

ラビット 記 



補聴器が補うものは何か 中途失聴・難聴者のコミュニケーション

2008年02月02日 01時50分43秒 | 生活
080126_1413~001.jpg080131_1922~001.jpg先週の土曜日、1月26日に「中途失聴・難聴者のコミュニケーション~補聴器の補うものは何か~」の講義を聞いた。

東京都の聴覚障害者コミュニケーション教室の講座で、東京学芸大学の濱田豊彦先生の講義だった。

東京都心身障害者福祉センターで勤務されて多数の中途失聴・難聴者の相談やサポートをされたことから、私たちの立場にたった話を聞いた。

「当たり前のことが当たり前に行われる社会をみんなで作って行きましょう。」

「聴覚障害は聴覚障害者の耳にあるのではありません。
社会のコミュニケーションのギャップにあるのです。」
ということは、聞こえの仕組みなどの講義では普通は聞かれない。

その他にも、長さや重さはあの人の身長は1m60cm、これは1kgぐらいと分かるのは感覚的に尺度を知っているからだ。
音の大きさも尺度を覚える必要がある。1m離れた時の普通の会話が60ホン、ガード下の電車の音が90ホン。普通の生活の中で一番大きな音ですと説明を受けると納得する。


ラビット 記