難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

家電量販店の車椅子リフトと放送事業者

2007年02月11日 20時36分47秒 | バリアフリー
070211_1818~001.jpgヨドバシカメラの地下の店内の階段の脇に車椅子リフトがあった。
これも新バリアフリー法の効果なのだろうか。
バリアフリーは法律で規定されると、よほどの技術的経済的困難がなければ普通はそのとおりにする。それが合理的配慮だ。
この場合もリフトを設置する費用に加え、商品を置くスペースは少なくなったかも知れない。しかし、リフトを設置することで障害者や高齢者などの車椅子利用者がが買い物に訪れることが出来るようになる。車椅子利用者だけではなく、車椅子利用者を同行する人と車椅子利用者を同行する人も来られる。
障害者などに対応していることで社会的アピールにもなる。

これを見るにつけ、放送事業者の手話放送、解説放送を必要とする人への対応は非常に冷たく思える。
あれこれの困難があることはわかる、これまで字幕放送で懸命に拡大してきたことも感謝したい。
しかし、あるある事典事件でわかるように社会的影響力の大きいメディアなのだ。その公的責任に正面から向き合い、国にも必要な施策を要求すべきだ。
これまでのところ、手話放送、解説放送の拡充に付いて、業界としてどういう取り組みをしてきたのか見えない。

解説放送の台本を書ける脚本家が少ないと言うなら、養成のために何が必要で誰が何をすれば良いのかあきらかにする努力をしたのか?音声に解説放送の音声がかぶるので入れるのが困難というならば、視覚障害者に分かるか分からないか調査したのか、分かるような工夫を考えたのか?
手話放送の通訳が不足していると言うが全日本ろうあ連盟や手話通訳団体など相談したのだろうか。人材育成が必要なら国にも目に見える金額の予算と養成システムを要求すべきだ。
こういう姿勢が見られれば、数値目標のあるガイドラインは後で策定することにしても良いが、やる気のなさを言うなら、あくまでも法的義務化を要求するしかないと思ってしまう。

車椅子の障害者は署名運動はもちろんデモもするし、座り込みもするし、命がけの行動をする。
私たちはおとなしいのかも知れない。

ラビット 記



名古屋登要会「スキルアップ講座」の教材の集大成

2007年02月11日 00時37分34秒 | 要約筆記事業

坂のイルミネーション
名古屋登要会から、以下の案内を受け取った。

ラビット 記
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名古屋登要会 http://touyoukai.exblog.jp/ が昨年の1月頃から、「スキルアップ講座」という名前で要約筆記再履修の取り組みをしていることはご存じだと思います。その取り組みの資料(教材などを集成したもの)がようやくまとまりました。もっともっと早く発行するつもりだったのですが、やってみると意外に大変な作業になってしまいました。それは自分たちがやってきたことをまとめるだけだから簡単だろうと思っていたのですが、実際には試行錯誤の連続だったので、参加していなかった人に分かっていただけるような形までまとめるのにものすごく時間がかかってしまったのです。
 各地で同じような取り組みをしているところ、あるいはこれからやってみようと思っているところの参考になるのではないかと思い、ご案内する次第です。

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 今回作成したのは、紙の資料とDVDです。すぐに地元で取り組みが始められるように、という視点で整理しました。
紙の方は、全部で125頁ほどで、内訳は、
(A)解説(考え方などをまとめたもの)
(B)実際の取り組み用のレジュメ
 (名古屋の18回を解説し、そのときの使ったレジュメも参考用に収録)
(C)参考資料
 (練習に使った教材や研究誌にまとめた再履修プログラムまとめなど)
という形になっています。
 それからDVDですが、中に収録したのは、
(1)名古屋で行なわれた講演の要約筆記画面(筆記は東京の要約筆記者)
(2)表記やそぎ落としのための練習問題
です。
(1)は、目指そうとしている要約筆記の実例です。見ていただくと分かりますが、この要約筆記は、話し手の言葉をそのまま使って書くのではなく、要約筆記者が理解した話し言葉の意図を、要約筆記者の責任で短くまとめていく、書き言葉によって再構築していくというものになっています。私たちが目指そうとした「役に立つ要約筆記」の実例、今まで学んできた要約筆記との一番大きな違いが、実例として分かっていただけるのではないか、という意図で添付しています。
 それから(2)は、実際にスキルアップ講座でやってきたドリルを収録したものですが、音声だけではなく字幕付きで作成されています。これは地元の難聴者の人と一緒に学んで欲しい、学ぶべきという意図から作成されています。
 難聴者は、ろう者が手話を母語として育つようには要約筆記を母語としていません。つまり難聴者といえばも要約筆記は学ばなければ使いこなせないものなのです。使いこなすために要約筆記を学んで欲しい、一緒に学ぶためにはどうしたら良いか、それを考えたのがこれらの教材です。