難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の社会に聞こえない音 タクシーの呼び出し

2007年02月21日 05時47分10秒 | 生活
東京都中途失聴・難聴者協会では、東京のタクシー業界団体や福祉輸送業界団体に、電話ではなく、メールで呼び出せるように要望書を出している。

ラビット 記
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社団法人東京乗用旅客自動車協会
会長 新倉 尚文 様
 
聴覚障害者の外出支援策への要望について(案)

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当協会は、平成18年6月に成立した【高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律】(通称:バリアフリー新法)に関して、鉄道の駅、バスターミナルにおける通路の段差解消や手すりの設置など物理的なハード面のバリアフリーは評価しております。
また、新法において「公共交通事業者等」に一般乗用旅客自動車運送事業者の皆様が新たに加わったことで、高齢者、障害者等に移動に必要な情報を適切に提供、社員に対し教育訓練を行うよう努めることとなり期待しております。高齢者・身体障害者等の社会参加を広げていくためには、心のバリアフリーである精神的なソフト面が抜けていると考え、新法成立を機に下記のとおり要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。


1.聴覚障害者が自由に気兼ねなくタクシーを利用し、社会参加を広げていくために、文字(携帯メールなど)による情報伝達を行う音声不要の迎車サービスの必要性を加盟会社に訴え、その外出支援策の早期普及を要望いたします。

【説 明】
近年、障害者に対するバリアフリーが進み、障害者の社会参加が広がり、外出する機会も増えています。
タクシーで迎車依頼(外出)する場合、その利用方法は主に無線となり、オペレーターと電話にて通話する必要があります。聴覚障害者にとって通話自体がバリアであり、一般の方々には理解できないストレスを感じます。オペレーターの音声が十分に聞こえないため、迎車依頼できない状況があり、聴覚障害者の外出(社会参加)バリアとなっています。固定電話やFAXでは、迎車場所が固定されてしまい、外出支援策としては不十分です。
このような状況は、タクシー業界にとってもビジネスチャンスを失っていると思います。高齢化社会をむかえ、現在、全国には約600万人を超える聴覚障害者が、通話による無線に不便を感じています。迎車サービスは音声必要な無線と音声不要な文字(インターネット)の併用運営を望みます。
今後、加齢などにより、マイカーによる外出も困難になります。個人宅への迎車も積極的に対応していただきたいと思います。個人宅への迎車サービスは、タクシーにしかできない優位性があり、他の交通機関との差別化を図るうえでも大切な消費者向けサービスだと思います。よろしくお願い申し上げます。
                                                  以上