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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【新年度防衛論集二〇二五】第二次トランプ政権の始まりと急激な朝令暮改朝三暮四政策による不確かな時代の始まり

2025-04-01 20:23:09 | 北大路機関特別企画
■新年度防衛論集
 本日は四月一日でいよいよ新年度の始まりです。

 新年度防衛論集、例年は新年防衛論集というかたちで一月一日に話題を掲載していますが、本年度は第二次トランプ政権のはじまりとともに、不確かな時代が始まったこともあり、新年度にも改めて。第一次トランプ政権がトランプ安倍関係という良好な関係を維持できましたし、まえ評判と選挙戦の際の発言よりも、という印象であったのですが。

 第一次政権の時代は、通商政策も景気刺激策も、環境政策と経済との両立も、また防衛政策も脱線などはなく、当初提唱されていたF-35戦闘機中止などもなく、安定的な防衛政策を維持していましたので、第一次トランプ政権成立前に北大路機関ではその不確かな懸念について特集していましたが、この懸念が第二次政権において、表面化した。

 第二次政権が始まってまだわずかなのですが、第一次政権時代ほど政権を支援する閣僚候補や補佐官候補など人材が払底してしまい、結果的に朝三暮四、アメリカンハトヤマ的な状況に陥っている、もっとも内閣人事局ができるまえの鳩山政権とことなり、アメリカでは官僚機構を政権ごとに大きく入れ替える人事制度を採用していることから、影響が。

 官僚と補佐官、朝三暮四の政策を軌道修正する権限は専ら大統領の所管であり、大統領に助言できる補佐官人事を大統領自身が担うことから、要するに現状の朝三暮四政策は任期一杯続くと考えなければなりません。同盟国日本が見捨てられる、という状況を懸念する方は居るかもしれませんが、バイデン政権時代から防衛予算を強化する施策へ転換が。

 岸田ドクトリンという防衛費の増大を背景とした防衛力の強化政策を石破政権においても継承していることから、万全とは言えませんが日本の防衛力は以前ほど、つまりGDP1%の自主制限に囚われていた時代ほど、情勢の緊迫化に対して不誠実ではありません、それならば、問題は無いのかと問われると真逆で、問題は山積し始めているという状況です。

 アメリカの凋落、問題はアメリカの凋落という不確かな時代がこれから始まるのです。凋落、驚かれる表現かもしれませんが、対外プレゼンスや制度構築におけるポテンシャルは確実に低下します、それは枠組みから出ることにより関与できなくなるという状況が現実化するためで、基軸通貨国としての地位さえ失う可能性が、生じ始めている。

 基軸通貨からの脱落の可能性は、少なくともトランプ政権の政策は望むと望まざるとに関わらず基軸通貨国の地位を放棄する施策をとっている、こうしたリスクがあるのです、貿易赤字によりドルを世界に供給し基軸通貨国となった国が赤字を廃する基軸通貨国以前の施策を執るならば、それは、国際通貨が流通しない状況を生む事に他ならないのですから。

 高校を退学するが学年一位を狙う、というような変な例えですが、基軸通貨を供給せず貿易黒字として国際供給量を抑えてしまうというのはこういった構図が成り立つ。しかし第一の問題は、工業力低下と景気後退でしょう。もちろん、高い関税を加算した商品を買うという選択肢は残るのですが、アメリカの国産品を揃えるだけの工業力は無いのが問題だ。

 景気後退は関税による貿易戦争と労働力不足によるインフレによりスタグフレーションとしてはじまる、大規模関税が明日から発動することとなりますが、これまでサプライチェーンを維持する方法を模索していたアメリカが自国内自己完結型の製造網を志向するのですから、その基盤が完成してから閉鎖化するのではなく、基盤完成前に閉鎖するのだから。

 セルフ経済制裁、セルフ海上封鎖のような状況が生じます。自己完結型経済、ちょうど製造業の麺ではいまロシアが真剣に取り組んでいます、ウクライナ侵攻で経済制裁を受けていますからね。アメリカの場合では、問題は不法移民一掃により低賃金労働をアメリカ国民が担う必要が生じ、いわゆる3Kといった職域を誰かが担わなければなりません。

 不法移民に結果的に頼ってきたアメリカで、これを排除すると大規模な労働力不足が顕在化するのですが、サイボーグとかガイノイドとかレプリカントにクローン人間といった代替策は着手されていません、特にトランプ大統領の岩盤支持層であるキリスト教福音派とクローン人間のような施策は相容れないものですから、選択肢とはなり得ません。

 労働不足対策で外国人材を排除するならば、日本と同じ問題に陥ります、せっせと少子化対策を行うほか無いでしょう、一方、3Kの労働力を一れいに出しましたが、製造業を支えるにはブルーカラー労働力ひとつとって流石に中卒学歴で就業するには限度があります、終身雇用制度のような企業内教育制度が完備していない国ですから。人材不足が深刻です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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