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ウクライナ軍反撃-ベルジャンスクで揚陸艦オルスク撃沈!黒海艦隊戦慄-弾道ミサイルによる撃沈は史上初

2022-03-26 07:01:58 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍のウクライナ侵攻部隊がここ二週間大きな動き無く停滞しているのは報道されている通りですが、ウクライナ軍が反撃に転じました。

 ウクライナ軍が反撃に転じています。首都キエフ北方に迫ったロシア軍は撃退され、30km圧し戻されました。しかし驚かされたのはロシアの揚陸艦が撃沈された事でしょう、この規模の大型艦が戦闘により喪失するのは、1987年のイランイラク戦争におけるアメリカ海軍が展開したプレイングマンティス作戦でのイランフリゲイトジュージャン撃沈以来です。

 オルスク撃沈、ロシア海軍のアリゲーター級戦車揚陸艦オルスクは、艦首に揚陸扉を配置する第二次大戦型の戦車揚陸艦ですが、黒海艦隊に7隻配備されている揚陸艦の1隻で、24日にウクライナ南部のベルジャンスクに揚陸中、ウクライナ軍の短距離弾道弾が命中し火災の末に撃沈されました。なおこの上陸作戦では少なくとも3隻が参加していたもよう。

 アリゲーター級戦車揚陸艦は満載排水量4000tと海上自衛隊がかつて運用していた輸送艦みうら型に相当する揚陸艦で、クリミア半島のロシア海軍セバストポリ基地から部隊を輸送していましたが、港湾施設に直接揚陸していたところを短距離弾道弾が命中し撃沈、並んで停泊していた2隻は退避していますが内1隻も火災を発生させていたのが確認できる。

 弾道ミサイルによる艦船撃沈は史上初です。本来は弾道ミサイルに感染を撃沈する程の精度はありません、何故可能だったのでしょうか。背景にはロシア海軍の戦意高揚の為の拙い情報管理が在りました、ベルジャンスクに上陸している様子をロシア海軍が戦意高揚の為にWeb上で公開しまして、毎日続々とこの埠頭から増援が来ている、と発表しました。

 ベルジャンスクの埠頭はウクライナが管理していますし、なにより市街地を完全に制圧した訳ではありませんので大まかな停泊位置は暴露している状況です、そしてアリゲーター級戦車揚陸艦が並んで接岸している情報を元に、短距離弾道ミサイルを発射したのですね。当る精度は無くとも目標が並んで停泊しているならば、と発射して幸いに命中した構図だ。

 黒海艦隊には旗艦にスラヴァ級ミサイル巡洋艦モスクワが配備されていまして、ロシア海軍では比較的新しいアドミラルグリゴロヴィチ級フリゲイトも3隻配備されています、これはインド海軍のタルワー級を元にしたものでS-300系統の艦隊防空ミサイルが搭載されているのですが、ウクライナ軍のミサイル攻撃を予測していなかったのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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