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ウクライナ情勢-ロシアはベリエフ飛行艇機雷敷設に投入,アヴディイフカでの戦闘にロシア軍は8個旅団を投入

2023-11-08 07:00:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 日本ではいよいよUS-2救難飛行艇を含めた飛行艇産業が完全に無くなる懸念が出ていますがロシアでは飛行艇は新しい用途に活用されている。

 ロシアはベリエフ飛行艇を機雷敷設に投入している可能性がある、フォーブス誌日本語Web版が10月27日に独自分析記事を掲載しました。これによれば黒海西部のウクライナ-アフリカ間穀物輸送回廊に対してロシア軍は航空機からの機雷敷設を実施、この際に航空機の機種は不明としながら、黒海艦隊のベリエフBe-12飛行艇の可能性を示唆した。

 ベリエフBe-12飛行艇は1965年より運用開始された対潜飛行艇で現在は消防飛行艇としても運用されていますが、ロシア黒海艦隊はこのところこの旧式飛行艇の使用頻度を高めており、機雷敷設に使用された可能性があるという。ウクライナ海軍はイギリスよりサンダウン級掃海艇を受領しイギリスで訓練中ですが、機雷敷設は重大な脅威となっている。
■アヴディイフカでの戦闘
 自衛隊で云えば一つの戦線に本州の全戦力をつぎ込むような人的規模という。

 アヴディイフカでの戦闘にロシア軍は8個旅団を投入している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告10月28日付戦況分析がその概況を発表しました。アヴディイフカでの戦闘は10月15日以降激化しており、しかしイギリス国防省の分析では、戦闘は劇的だが決定的要素を欠いている状況としています。一方でロシア軍損耗率では非常に高い。

 ロシア軍損耗率は2023年の戦闘では最も高い部類に入るとイギリス国防省は分析しており、またロシア側ミルブロガーの意見としてロシア軍指揮官の戦術が稚拙であることが損耗の原因であるとしてロシア軍の動きを批判しているとのこと。ロシア指導部の占領地拡大命令に対し、これを作戦レベルで攻撃に活かすことができないと指摘しています。
■ジョンカービー氏の発言
 いったいなにが始まるんです?。

 ロシア軍はアヴディイフカ近郊での戦闘で死傷者数千人と少なくとも125両の装甲車両を喪失した、ISWアメリカ戦争研究所10月27日付戦況分析においてアメリカ国家安全保障会議のジョンカービー氏の発言を紹介しています。これによれば、ロシア軍はアヴディイフカ地域において抗命罪に問われた兵士を指揮官が射殺する状況が多発している。

 抗命罪については、部隊単位で前進に消極的な部隊の兵員全員を射殺するよう脅す言動などをアメリカが確認しているとISWは報告しており、通信傍受などで確認できる情報だけでもロシア軍は無理な前進による大きな損耗を強いられているもよう。そしてISWはロシア軍の攻撃は少なくとも27日段階で前進に繋がっていない事を報告しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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