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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑪ 展示訓練参加部隊、舞鶴基地へ続々帰港

2013-05-16 23:37:10 | 海上自衛隊 催事

◆舞鶴基地へ帰ってきた!

 内容の濃い展示訓練を観終えて、とある友人曰く、展示訓練とは大きめの体験航海のようなものと思いきや地方隊版観艦式じゃないか、と。

Mimg_7237 尖閣諸島防衛任務に当たる我が潜水艦、そんな説明をされても納得してしまいそうな一枚ですが、こちらは若狭湾に浮かぶ小橋島、竜宮浜海水浴場の沖に或る小さな島、そして手前が潜水艦うんりゅう。撮影場所は乗艦しているイージス艦ちょうかい、が博奕岬沖を若狭湾から舞鶴湾方面へ舵を切ったあたり。

Mimg_7245 見えてきたのは金ヶ岬、その向こうに薄っすらと五老岳スカイタワー、手前の護衛艦と比べると、近くも感じるのですけれども直線距離でまだ10km近くあります。そしてイージス艦ちょうかい、が航行しているのが栗田湾、岬を経て舞鶴湾へ入ってゆきます。

Mimg_7249 舞鶴水中処分隊、ボートでの展示です。実は、舞鶴展示訓練ですが、万一見学者が甲板から海に落ちた場合に備え、水中処分隊が総力を挙げて警戒に当たっています。艦艇には水中処分員が乗艦、またかなり沖合まで水中処分ボートが展開し、水中処分母船も待機、安全に関して民間のクルーズでは考えられないほどの配慮をしているもよう。

Mimg_7252 水中処分隊は、海上保安庁のダイバーが救難救命と捜索を行うのに対し、機雷の直接除去と水中における警戒、そして捜索救難を行う、実はさらに厳しい任務へ向かう要員で、訓練課程では障害排除として、水中で敵のダイバーによる襲撃を受けた場合も想定し、対処訓練を積んでいます。

Mimg_728001 そして舞鶴基地へ、戻ってきました。展示訓練へ舞鶴湾を若狭湾へイージス艦ちょうかい、が進んでゆく最中を舞鶴基地へ向かっていた護衛艦あけぼの、が沖留となっています。背景の美しい円錐型の山は愛宕山、標高は282mで、美しい山容とともに、五山送り火の如意ヶ岳が標高472mですので、高さとしてはハイキングに向いていそうな標高ですね。

Mimg_7316 潜水艦うんりゅう、先ほどまで後方にいましたが、追い付いてきました。さて、潜水艦と言いますと、2013-04-22日付記事のコメント欄で、少々厳しいことを記載しました。事の発端はコメント欄に、海上自衛隊の原潜建造計画が公表された&海上自衛隊原潜のグアム配備計画が発表された、という虚偽書き込みに対するもの。

Mimg_7323 当該書き込みは、投稿者の“防衛省でも検討しているはず”、という思い込みを“防衛省が事実として公表した”、と虚偽内容というかたちで投稿しましたもの。この事実を当方が、虚偽を事実の如く偽るのは困る、と記載したところ、“原潜の保有に反対なのか”と転嫁されて逃亡を図られてしまいました。しかし、多くの方が閲覧され書き込まれる場所ですので、他の皆様へ当方からのお願いとして、虚偽の書き込みはご遠慮ください。

Mimg_7330 例えば、原子力潜水艦を保有するべきだ、と書き込まれる分には全くかまいません、当方もヘリコプター搭載護衛艦を増勢して護衛隊群隷下八個護衛隊全ての編成を統一するべきだ、と持論を過去に書いていますし、他の持論も記事としています。ところが、22DDHは6隻建造、とか海上自衛隊がヘリコプター搭載護衛艦8隻の整備を決定した!、と当方が虚偽を書いた場合どうでしょうか、混乱と批判を集める事となります。即ち、コメント欄にもルールがある、ということ。

Mimg_7333 うんりゅう、さてさて、少々脱線してしまいましたが、入港作業へ乗員が甲板に整列し、他の艦と共に桟橋へ、上空を海鳥が舞い、定期整備中のヘリコプター搭載護衛艦しらね、も見えてきました。逆光気味で、出港した際の様子と全く違う舞鶴基地が浮かんでいます。ちなみに、うんりゅう、は母港が呉基地となっています。

Mimg_7340 奥に停泊しているのは先ほど紹介した護衛艦あけぼの、手前に停泊しているのは護衛艦すずなみ。そして入港してくるのはミサイル艇はやぶさ、北大路機関では繰り返しミサイル艇の有用性を強調しているのですが、護衛艦と比べれば、予算さえ十分あるならば護衛艦をしっかり必要なだけ建造してほしいところ。

Mimg_7342 多用途支援艦ひうち、その昔、横須賀地方隊伊勢湾展示訓練では、同型艦の多用途支援艦えんしゅう、よりその様子を撮影する機会に恵まれました。訓練支援や軽輸送任務に災害時の救援支援等に当たるものです。その昔、本型の拡大型に76mm砲を搭載し、後部を多目的区画化する案を載せましたが、この角度、単にデンマーク海軍のスタンフレックス300/フリーヴェフィスケン級と舷側のラインが似ているので思いついた、という事がばれそう。

Mimg_7349 ミサイル艇うみたか。この舞鶴湾の湾の奥行、そして日本列島の地形を見ますとミサイル艇について、いろいろ考えるわけですが、打撃力はミサイルと艦砲で、むらさめ型護衛艦に匹敵するのですが、マストのセンサーで完全に負けており、電子戦能力と対潜戦闘能力に自衛を含め対空戦闘能力も護衛艦と比較する事さえできません。小型輸送艦護衛、哨戒、等用途は色々あるのですが、ミサイル艇でなくとも護衛艦さえ揃えれば、と言われれば、確かにそうなのですよね。

Mimg_7355 ミサイル艇と水中処分ボート。護衛艦と比較すれば非常に小さく見えますが、手前のボートはもちろん、隣に巡視艇などがいますと、満載排水量240tというのは意外と起きいことが分かります。さてこの写真、なんとか、護衛艦とミサイル艇と水中処分ボートが重なる瞬間を逃すまいと頑張ったのですけれども、そうは巧くいかないのが現実というもの。

Mimg_7359 掃海艇まえじま、うわじま型掃海艇の一隻ですが、この展示訓練終了後に艦番号を675から729へと改め、舞鶴地方隊の掃海艇から掃海隊群第101掃海隊掃海官制艇へと種別変更されています。掃海艇も二隻並ぶと、共に満載排水量で600t台の艦艇ですので、迫力もそれなりに。

Mimg_7364 掃海艇ながしま、奥に見えるほう。この舞鶴展示訓練の時点で、まえじま、ながしま、は舞鶴地方隊第44掃海隊に所属していましたが、まえじま、は前述の通り、ながしま、は現在大湊地方隊函館基地隊第45掃海隊に所属しています。そして舞鶴地方隊には、現在新しい型の掃海艇すがしま、のとじま、が所属しています。

Mimg_7374 舞鶴港務隊の曳船が接岸作業を行う最中も、舞鶴水中処分隊による落水者防止の警戒が続いています。水中処分員となるにはまず潜水員として7週間の専修科開式スクーバ課程、14収監の特修科潜水課程を経て潜水員となり、最後で最大の難関である12週間の専修科水中処分課程を経て資格を得ます。

Mimg_7378 水中処分隊のボート展示、舞鶴展示訓練のプログラムには明記されていませんが、展示訓練参加部隊の帰港と共に警戒任務範囲が若狭湾から舞鶴基地へ置き換わったための展示なのでしょうか。ちなみに、海上自衛隊には潜水士として水中処分隊員のほか、護衛艦や潜水艦に乗艦する潜水員、潜水艦救難艦に乗艦する深海潜水員や新深度長時間任務の飽和潜水員、救難ヘリコプターに登場する機上救護員や、特殊警備隊員がある。

Mimg_7385 そして地上展示へ、身軽に。海上自衛隊には潜水員が1000名以上在籍していまして、海上保安庁が、映画“海猿”シリーズで潜水士の名を広めたのですが、海上保安庁の潜水士は200名程度、潜水員の規模で海上自衛隊は五倍もの規模を有していて、これは官民含め最大の潜水要員集団、とのこと。

Mimg_7398 ちょうかい、に別れを告げ、北吸桟橋に降りますと、そこに整列した水中処分隊員、そういえば原油を満載した巨大タンカーが東京湾にてシージャックされ、テロリストが臨海工業地帯近くで自爆を示唆し日本政府を脅迫する映画“東京湾炎上”にも、海上自衛隊の特殊部隊として横須賀水中処分隊が出てきます。

Mimg_7393 イージス艦と水中処分員。どちらも海上自衛隊の精鋭で、違いは個々人の能力で危険に挑む水中処分隊員と乗員全員が艦として世界最高水準の防空艦を担うイージス艦、というところ。映画で頑張った水中処分隊ですが、そして実際の特殊部隊である特殊警備隊も、潜水員から選抜されている、それだけ精鋭、ということですね。

Mimg_7399 潜水艦うんりゅう、も接岸を完了です。艦には、艦名を示す銘板が取り付けられています。潜水艦は就役し暫くすると艦番号を消し、忍者のようにその所属を隠し、任務へ専念します。ただ、入港時だけは、このように表札を掲げているのですね。いろいろと見聞しつつ、舞鶴基地を後にしました。

北大路機関:はるな

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コメント (26)
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