■@快速特急
本日は日本が1941年12月8日にアメリカ太平洋艦隊の根拠地である真珠湾を攻撃した太平洋戦争開戦記念日です。
アメリカと全面戦争になり、世界海戦史における航空母艦同士の海戦には全て日本海軍が参加している、というくらいの苛烈な戦いを日米は繰り広げたのですが、小泉政権時代に日米同盟は最良の同盟関係を呼ばれるほど太平洋を挟んだ二国間同盟は成熟を果たしました。海戦史を俯瞰する度に今日の日米関係と重ね合わせ、国際関係はどのように展開するのか、未知数なのだなあ、と感じる次第。
そこで一つ思うのですが半世紀先は日本を取り巻く環境はどのようになっているのか。国家の形態が今では考えられないほど変化している可能性があるのですけれども、国際関係はどのようになっているのか。特にアメリカを中心とした世界秩序がどうなっているのかと、中国の体制がどのように変革されているのかには興味が尽きません。
アメリカですが、ドル体制は今後どのように展開しているのか。ルールを画定した当事者はイギリスのポンド体制のように国力とは無関係にその恩恵にあずかることができますので、今後アメリカのGDPが世界第一位から転がり落ちたとしてもドル体制は維持されるのかな、と考えます。基軸通貨というのは世界経済にその通貨を供給する必要性から恒常的に赤字収支を強いられますので、その覚悟がない通貨、日本円や人民元は取って代わることはできないでしょう。しかし第二次大戦後のブレトンウッズ体制がポンドを中心としたスターリング圏をドル体制に置き換えたように大きな変動がない、とは言えないわけですね。
他方で経済成長著しい中国は今後どの方向に向かうのか。世界の向上として世界の知的財産権の中心であるアメリカとともにバイラレラルな関係を構築しているのですが、しかし、一人っ子政策という少子化政策により人口ピラミッドは急速に高齢社会に向かっており、加えて一人当たりの人件費が増大、世界の工場としての地位は継続することができるのか、という不安もあります。
その際、現在毛沢東が禁じた私有財産が認められているのですが、かつてマルクスが提唱したように高度な資本主義制度の成熟から本来の社会主義が生まれて安定した社会が実現するのか、それとも周辺国に脅威を及ぼす不安定要素を残す存在となるのか、この点には十分な注意を考えてゆく必要があると考えます。
日本の国際関係はこれまで、第一に対米関係、第二にも対米関係、第三がなくて第四あたりに大陸との関係、という状況で推移してきたのですが、究極的にはこの状況が変動を強いられるのか、これが大陸周辺部にあり太平洋への入り口に位置する日本の今後半世紀を見通す上で重要な点となっていくようになるのではないでしょうか。
HARUNA
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