北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

JR西日本 関空特急 はるか 乗車記 

2006-12-06 21:39:49 | コラム

■特急“はるか”乗車

 私事ながら、急用があり、架線事故の関係で大幅に乱れたダイヤを一蹴するべく、期せずして特急に乗車する機会となった。

Img_3323  関西空港開港に伴う旅客需要の変化を見越し、京都駅から大阪市内を経由し関西国際空港に至る空港連絡特急が“はるか”である。当初は神戸市沖に建設予定であった関西国際空港が地元自治体である神戸市の誘致反対により大阪府岸和田市沖合いに建設することとなり、東海道新幹線からも大きく離れた国際空港への輸送能力を拡充することは必須であり、JR西日本が“はるか”を、そして私鉄で難波から空港までの路線を有する南海電鉄が“ラピート”を導入した。

Img_3318  当初は京都駅から新大阪、西九条、天王寺、和泉府中から日根野を経て関西国際空港に到達していたが、空港輸送需要の伸び悩みにより、京都~米原間への延伸運行も為され、京都、大津、石山、草津、守山、近江八幡、彦根、米原に停車する。毎時約二本が運行されており、京都~関西国際空港を概ね一時間二十分で結ぶ。なお、米原~京都の所要時間は56分であり、この間の所要時間は同区画似て運行される新快速とほぼ同じであることから、空港特急というよりも通勤用としての性格である。

Img_3306  特急“はるか”号は、281系電車という正式名称を有し、京都行きは“特急”、関西国際空港行きは“関空特急”という呼称を使い分けている。したがって、上掲載の写真は京都米原方面に向かう“特急”であることに気付こう。東海道線から大阪環状線を経由し、空港に向かう関係上、大阪駅に停車しないが、新幹線・在来線複合駅である名古屋駅や東京駅とは異なり、やや離れた新大阪駅に新幹線が停車する関係上、空港への輸送という目的には合致するのかもしれない。

Img_3301  座席はリクライニングシートで、2×2列、この他1×2列のグリーン車が設定されている。テーブルは手摺内蔵式のもので、シート上部は交換式のカバーが被せられている。1994年より運行が開始された“はるか”は当初、全車指定席であったが、数年後に自由席の設置が始まったという。これは旅客輸送需要が通勤輸送にシフトした為と考えられ、同時にユニバーサルスタジオへの乗換駅である西九条駅停車が為されるに至り、更に需要の変化があった為と考えられる。

Img_3303  本車が空港連絡特急であることを端的に示しているのが、このスーツケース格納スペースであろう。これは、南海電鉄のラピートや中部国際空港と結ぶ名鉄のμスカイなどにも標準装備されているものだ。

 また、2002年まではここから空港旅客カウンターまで手荷物を運搬するというサービスも行われていたという。しかし採算性などの観点から既に行われていない。

Img_3312  自動販売機コーナー。特急“たんばまいづる”や“丹後ディスカバリー”号には無かったものである。“しらさぎ”にあったので、特急の標準装備と信じた小生は、舞鶴に行った際には少々驚かされた。さて、小型ではあるが自販機があり、これは例えば名鉄1000形特急電車が空港輸送用に改造される際に自販機部分を撤去しスーツケース格納に回したのとは対照的である。この他、副流煙を回収する方式の喫煙デッキなども設けられており、都市間特急としての快適性を高めている。

Img_3313  総合的に観て特急料金を支払うに価値ある有意義な時間を過ごせた、というのも既に疲労困憊の後、架線事故にて大幅に乱れたダイヤを小雨降るホームの片隅に立ちっ放しという境遇から脱し、リクライニングシートに身を預け余剰時間を悠々と読書に充てられたからである。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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