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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

第十師団創設43周年記念式典 詳報

2005-10-26 20:00:19 | 防衛・安全保障
 陸上自衛隊第十師団の創設記念式典が愛知県名古屋市の守山駐屯地にて行われた。
IMG_3620 第十師団とは、中部方面隊隷下にあり、東海北陸地方の陸上防衛と災害派遣任務に責任を負っている。
 隷下には第33普通科連隊(久居)、第35普通科連隊(守山)、第14普通科連隊(金沢)に加え、2004年度には第49普通科連隊(即応予備)が新設され、甲師団へと改編された。
IMG_3643 結果、人員は9000名となり、戦車や特科火砲も増強され、対戦車中隊の普通科連隊隷下への新編、新型迫撃砲の導入、後方支援連隊の改編、化学防護隊の独立などの改編がなされている。
IMG_3673 式典に当たって、師団長の大箱芳文陸将は、今年五月に実施されたイラク復興人道派遣任務の完遂を祝うと共に、新しい脅威に臨み、よりいっそうの部隊精強化と練度維持を求め、式典は観閲式へ移行した。
IMG_3706 観閲行進は、小銃を担ぎ整然と行進を行う普通科隊員から開始された。89式小銃に加え、後方の隊員は5.56㍉機銃MINIMIを携帯し観閲行進に臨んだ。
IMG_3723 音楽隊の奏でる行進曲のテンポが上がると共に車輌行進が開始される。折からの強風にのせられ会場には小雨がぱらついたが、勇壮な車輌行進の前には何の障害ともならず偵察隊から行進が開始された。
IMG_3739 観閲行進では、今や第十師団の主力装備となりつつある軽装甲機動車も一個中隊参加をした。軽装甲機動車は、既に隷下にある全ての普通科連隊一部中隊に配属されており、高機動車と併せ相当な能力が期待される。他には93式近SAM、81式短SAMといった高射装備や、対砲レーダー、天候観測装置、榴弾砲FH-70、各種施設装備に続き、戦車の行進が行われた。
IMG_3822 式典の最後は、祝賀飛行が飾った。UH-1Jを先頭にOH-6二機、そして明野の航空学校から飛来したUH-60JAとCH-47JAが上空から創設記念式典を祝賀した。
IMG_3845 さて、観閲飛行の後は、模擬戦闘(訓練展示)が実施された。写真のFH-70榴弾砲はAPUにより自走が可能で、砲の周囲を戦闘防弾チョッキに身を固め油断無く64式小銃を装備する特科隊員が不意の会敵に備え警戒している。
IMG_3858 訓練は、七階建ての高層ビルがテロ分子により占拠されたという想定で行われ、テロ分子は小銃を手に窓からリペリング降下により進入した隊員により瞬く間に制圧、人質は救出された。
IMG_3869 しかし、制圧したのも束の間、有力な敵勢力が装甲車を伴い反対側の建造物群を占拠、これに対し偵察オートバイが果敢な偵察行動を展開する。偵察隊員も戦闘防弾チョッキを着用している点に注目。
IMG_3880 偵察隊の索敵により判明した目標に対し、特科部隊の155㍉榴弾砲が火を噴く、瞬時に敵周辺は擬爆筒の白煙に包まれ、制圧という想定になった。しかしながら、敵部隊は装甲車から重機関銃を発砲し大胆にも我が特科部隊に肉薄を試みる。
IMG_3893 こうした目標に対して、進出した我が74式戦車が砲撃を加える。戦車の出現にたちまちの内に敵装甲車は沈黙し、装甲車を失った敵部隊は後退を開始した。
IMG_3913 戦果拡大を期して我が普通科部隊は突撃に移行する、高機動車を降車した隊員を軽装甲機動車が機関銃により支援、軽装甲機動車からも扉を盾として小銃射撃を敢行する。如何に近代兵器が発達しようとも戦闘は普通科隊員によってのみ決着がつけられる、こののち普通科隊員は敵部隊の潜伏する建造物に突入しこれを制圧した。
 以上、状況終わり。
IMG_3938 さて、模擬戦闘が終わり式典の行事も全て終了した。そして装備品展示が開始され、戦車・装甲車、そして発煙器3型や榴弾砲、通信可搬車といった装備品に訪れた市民は興味深く見入っていた。
IMG_4031 またモータープールには多くの車輌が整備され、有事即応を有言実行たらしめるべく、日々怠り無い備えが積み重ねられていた。
 会場は名鉄瀬戸線守山自衛隊前駅から徒歩五分、来年度は皆さんも足を運ばれては如何だろうか?

 HARUNA

コメント (2)
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