北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

富士学校富士駐屯地創設62周年記念行事(2016-07-03) X-20撮影速報

2016-07-05 21:36:49 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■富士学校祭二〇一六
 富士駐屯地祭二〇一六速報、日曜日に撮影しました富士学校祭の様子をEOS-7DmarkⅡ写真より一足早く、同時に撮影しましたX-20写真によりお伝えします。

 富士駐屯地、富士山を望む陸上自衛隊の駐屯地、御殿場駅からバスにて9kmほど、足を運ぶことが出来ますが、最寄駅は御殿場線足柄駅となっていまして、標高は900mを越える比較的高い標高、富士の裾野というよりは富士山の中腹という立地にある駐屯地です。

 富士学校、静岡県駿東郡小山町須走に所在する陸上自衛隊富士駐屯地に置かれている陸上自衛隊の教育部隊です。陸上自衛隊の様々な職種、旧軍でいうところの兵科の専門教育を行う部隊で、諸職種の協同運用を念頭に普通科、機甲科、特科、の統合教育を担います。

 富士駐屯地、正門を入りますと、式典会場まで斜面をゆっくりと登る緩やかな傾斜となっていまして、富士山の斜面であることを認識させてくれる情景、近くには東名高速道路も走りますが、須走は富士浅間神社が近く、富士山信仰の登山口としてから知られていた場所です。

 駐屯地祭は、駐屯地正門から少し上った場所が式典会場となっていまして、富士山山頂側に観閲台、そして観閲台右手が一般席として開放されています。観閲台後方の斜面も一般席として開放されまして、その上で地元席が観閲台に隣接、地元重視の駐屯地としても知られる。

 戦車部隊の観閲行進の規模が非常に大きく、機械化部隊と特科部隊の迫力も特筆でき、東千歳駐屯地祭や旭川駐屯地祭に霞目駐屯地祭と並ぶ規模の行事です。そこで観閲行進を正面から、斜めから、迫力ある角度で撮影できる場所、に多くの人が集まります、やはり迫力ある一枚を撮りたい。

 職種学校。普通科は歩兵、機甲科は戦車、特科は砲兵、富士学校はこの三職種の教育を一手に担う部隊です。元々は、前川原駐屯地の普通科学校、習志野駐屯地の特科学校、相馬原駐屯地の特車教導隊、と別れていましたが、近代戦が現代戦へ発展する過程で1954年に統合されました。

 編成は、企画室、総務部、管理部、普通科部、特科部、機甲科部、富士教導団、部隊訓練評価隊、となっています。初級幹部の基礎幹部課程教育、上級幹部課程での専門教育、戦術研究と新装備運用試験、将来装備に関する調査研究などがその任務として知られるところですね。

 富士教導団は、富士学校隷下の運用部隊で団本部、本部付隊、普通科教導連隊、特科教導隊、戦車教導隊、偵察教導隊、教育支援施設隊、富士教導団教育隊、富士教導団音楽隊、という編成を採っています、そして主要装備が一通りそろっている点も特色といえるかもしれません。

 教導団の任務、それは実際に部隊を動かさなければ部隊運用感覚を実感出来ませんし、試験場ではなく実戦環境を再現しなければ装備品は個々の能力数値を把握できません、そこで一定規模の部隊を編成し、指揮及び運用させることで机上の理論と実戦の能力へ昇華させる、これが任務です。

 富士学校は様々な職種教育を担っていますが、陸上自衛隊には職種ごとに教育訓練部隊を有しています。この他に一例として、勝田駐屯地に施設学校、下志津駐屯地に高射学校、久里浜駐屯地に通信学校、明野駐屯地に航空学校、土浦駐屯地に武器学校などなど。

 普通科教導連隊の編成は、連隊本部、本部管理中隊第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、重迫撃砲中隊、対戦車中隊、となっています。各中隊は 89式装甲戦闘車、 軽装甲機動車、 高機動車、96式装輪装甲車、と中隊ごとに装備していまして、89式装甲戦闘車は数が少ない優秀装備の一つ。

 普通科教導連隊には120mm重迫撃砲、79式対舟艇対戦車誘導弾、中距離多目的誘導弾等も配備されていまして、第一線用装備も01式軽対戦車誘導弾に87式対戦車誘導弾と81mm迫撃砲、110mm個人対戦車弾、84mm無反動砲、MINIMI分隊機銃から89式小銃、9mm拳銃まで一通りを持つ。

 特科教導隊、その編成は、隊本部、本部管理中隊、第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、第5中隊、第6中隊 、第303観測中隊、となっていまして、装備は特科火砲のほか、各種観測装備、対砲兵戦闘用装備等一通りを揃えています。火砲から自走砲にロケットとミサイル等、文字通り一通りある。

 特科教導隊の装備を見ますと、155mm榴弾砲 FH70二個中隊、99式自走155mm榴弾砲、203mm自走榴弾砲、多連装ロケットシステムMLRS 、88式地対艦誘導弾、12式地対艦誘導弾、対砲レーダ装置JTPS-P16、気象測定装置JMMQ-M5、遠隔操縦観測システムFFOSなど。

 戦車教導隊は、編成について、本部管理中隊、第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、という四個中隊を基幹としていまして、ワシのマークの10式戦車、マークは流星の90式戦車、ハチのマークの90式戦車、天駆けるペガサスの74式戦車、と中隊マークを掲げる。

 戦車教導隊、その練度は神業というべきもので、富士総合火力演習に見慣れますと忘れがちですが、自衛隊最高水準であると共に世界でも最高水準の能力を有しています。ただ、せっかく世界最高水準ですが、戦車削減の影響から第1機甲教育隊と統合され、数年内に富士駐屯地から移駐するとのこと。

 富士駐屯地祭、それは各種最新装備が最初に配備される駐屯地ということで、最新装備を実際に見てみたいという多くの方や、北海道と富士駐屯地にしか装備されていないので北海道は遠いのだから富士に行ってみよう、としまして、此処さえ行けば、という行事の一つ。

 今年は伊勢志摩サミット、熊本地震、水陸機動団新編準備、様々な出来事が重なり、縮小開催となりました。式典と観閲行進のみ、縮小され実施されないのは訓練展示模擬戦と模擬売店に装備品展示と車両試乗、模擬戦と模擬店がないとの事で滋賀、足を運びますと驚き、一般席の面積も縮小となっていました。

 一方、富士駐屯地は首都圏から日帰りが可能で、早朝に出発すれば京阪地区や中京地う空も日帰りが可能であるため、来場者の増大が著しく、開門数時間前から正門前に長蛇の列が、という傾向が近年続いていました。これも縮小開催となり、半分程度の来場者となっていましたので、今年は余裕があった事も特筆すべきでしょう。

 富士駐屯地祭、しかし観閲行進終了後には戦車機動展示として戦車教導隊による74式戦車、90式戦車、10式戦車、三世代協演の見事な機動展示が行われ、装備品展示はありませんでしたが偶然、機動戦闘車がよく分かるところに駐車していたりしまして、富士駐屯地祭、やっぱり凄いなあ、という一日を過ごす事が出来ました。

北大路機関:はるな くらま
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宇都宮駐屯地創立66周年記念行事(2016-04-03) EOS-7Dmark2撮影速報

2016-04-05 23:44:05 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■宇都宮駐屯地祭2016
 日曜日、栃木県の宇都宮駐屯地創設66周年記念行事へ行ってまいりました。

 89式小銃のバーチカルグリップ追加型を構える普通科隊員、フラッシュライト等も追加されておりレイルシステムを施しているのでしょうか。宇都宮駐屯地は栃木県宇都宮市にあって陸上自衛隊の精鋭、中央即応連隊と第12特科隊が駐屯しており、栃木県の防衛警備及び災害派遣に備えると共に中央即応連隊は日本全土への危機対応即応部隊として、更に全世界への国際人道任務や邦人救出を任務としています。

 宇都宮駐屯地、特科隊と普通科部隊の駐屯地です。駐屯地司令は第12特科隊長が務めますが、例年四月上旬は駒門駐屯地創設記念行事が行われており、この日も重なっていました。駒門駐屯地は第1戦車大隊に第1機甲教育隊と戦車部隊の駐屯地、という看板ですが宇都宮は普通科部隊の駐屯地、普通科職種はあらゆる地形と気象を克服し行動する、とされている通り、小銃を筆頭とした携帯火器を中心に様々な任務へ対応する、というもの。

 中央即応連隊の駐屯地である宇都宮駐屯地では、訓練展示に戦車が参加せず、徹頭徹尾普通科部隊の近接戦闘能力を展示するという、戦車は参加しないものの非常に見応えといいますか、普通科部隊の迫力を肌で感じる事が出来る行事と聞いていましたが、延々と89式小銃の一斉射撃を行いつつ攻撃前進、陸上戦闘の本質は土地の収奪にあり、戦車火砲航空機等を用いつつ最後はわが国土の一端を占有する敵勢力を陣地から引き摺りだし、銃口銃剣の強制力を以て敵に白旗を上げさせる、という実態を突き付ける展示となっていました。

 栃木県には宇都宮駐屯地から数kmの距離に北宇都宮駐屯地が所在し、航空部隊駐屯地として航空学校宇都宮校と第12ヘリコプター隊第1飛行隊が駐屯しています。宇都宮駐屯地祭にも、祝賀飛行としてヘリコプターの編隊飛行が行われたほか、訓練展示へもUH-60JA多用途ヘリコプターが参加しました。訓練展示では仮設敵が装甲トラックに重機関銃を装備する所謂テクニカルを投入、UH-60JAのドアガンと激しく戦闘を展開しています。

 輸送防護車、豪州製ブッシュマスター耐爆車両、陸上自衛隊が邦人救出用に導入し中央即応連隊へ導入した4両を集中配備した最新装備です、今回の宇都宮駐屯地祭ではこの車両が初公開されるとの考えられ、注目を集めていました。中央即応連隊は自衛隊の海外派遣などでの先遣隊を果たす部隊でもあり、例えば暴動時に犠牲を伴わず遅滞行動を強いる、南アフリカ製鉄条網急速展開車両等も過去に展示されたことでも知られる。

 中央即応連隊は併せて陸上自衛隊でも数少ない完全装甲化部隊となっています。今年度の宇都宮駐屯地祭では軽装甲機動車が正面に出されての展示となっていましたが、防弾型高機動車等様々な特殊装備を有します、また、隊員の大半が9mm拳銃の訓練を受けており、小銃を含め射撃を重視しているとの話に合致した展示を見せてくれました。他方、軽装甲機動車から01式軽対戦車誘導弾を抱えての観閲行進など、対戦車能力を有している点等も分かり、他の部隊とは異なる普通科部隊の様子を見る事が出来ました。

北大路機関:はるな くらま
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今津駐屯地創設63周年記念行事【2015-11-22】 PowershotG-16/FUJIFILM X-20撮影速報

2015-11-23 23:19:27 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■今津駐屯地祭二〇一五
三連休の中日、昨日日曜日に滋賀県の湖北、今津駐屯地へ行ってまいりました。

今津駐屯地創設63周年記念行事、中部方面隊管内では最大の戦車部隊行事で、京都駅から湖西線乗り入れ新快速ですぐ、という好立地ながら、饗庭野演習場に面する良好な訓練環境と厳しい湖北の気象に磨かれ、精強な戦車部隊が練成されている駐屯地で、当方にとってもいろいろと思い出深い駐屯地と演習場です。

さて、今津駐屯地には、第3戦車大隊、第10戦車大隊、中部方面移動監視隊、中部方面無人偵察機隊、が駐屯していますが、当方が初めて足を運んだ当時は第3特科連隊第5大隊が駐屯、しかし、第3師団改編と共に特科連隊が特科隊へ縮小され廃止、代わって中部方面情報隊が創設され入れ替わりに移動監視隊と無人偵察機隊が創設されました。

戦車中隊数も、初めて足を運んだ当時は、第3戦車大隊が3個中隊編成44両、第10戦車大隊が4個中隊編成58両、と今日的に視れば大きな戦車部隊駐屯地でしたが、第3師団改編と第10師団改編がこの10年間で続けて行われ、双方とも2個中隊編成、また、中隊本部車両と大隊本部車両が戦車から一部軽装甲装甲車に置き換わり各大隊とも30両以下となっています。

この今津駐屯地祭ですが、Weblog北大路機関を永らく閲覧していただいている方ともお会いできました、やはり聞けば、このWeblogはいろいろな意味で有名だそうで、ありがとうございます。ちなみにどうやって毎日更新しているのかとの多くの方の疑問ですが、2011年以降電子端末POMERAが最大限利用され日々の更新に威力を発揮するところ。

電子端末POMERAはHTML方式の文字情報入力にのみ特化した器材で、乾電池により十数時間の連続稼働性能を持ち1秒で稼動し文字入力が可能、電車の移動時間に昼食時と珈琲休憩と日常には短時間でも活用できる時間が多くありまして、新幹線で京都から名古屋まで移動する時間でもPOMERAがあれば7000字の入力が可能です、これを1100~1200字毎に章分けすれば自衛隊関連行事紹介の金曜日分記事を除き一週間分の記事になるのです。

東芝REGZA-Tablet、こちらもWeblog北大路機関の維持に大きな威力を発揮しています、それまで移動時には2009年に導入したSONY-VAIO-Pが活躍していましたが高性能なのですけれども移動時の常続作動には電源確保の問題がありました、REGZA-Tabletの稼働時間は大きくPOMERAとの併用により短時間、例えばスマートフォンでゲームをするという選択肢を文章作成に転用すれば、辛うじて維持できるのです。あとは休日に10日分一挙に作成し備蓄するという選択肢もある。

移動監視隊、P-23レーダーに遠隔監視装置が観閲行進を進みます、電子機材は最新型が次々と導入されているのですが、当方も電子機材をどんどんと導入しまして、この今津駐屯地創設63周年記念行事は、FUJIFILM X-20を初投入する行事となりました、PowershotG-16の補完機種として導入した新機材で、FUJIFILM社製器材の導入はレンズ付フィルム“写ルンです”以来のもの。

今津駐屯地は、永らく銀塩派であった当方がデジタル機材を導入した2005年のEOS KissN投入以来当方にとり撮影機材史といえるべきもので、EOS KissN2、EOS40D、EOS50D、EOS7D、一眼レフに続いて2011年より導入した、PowershotG-12、PowershotG-9、PowershotG-16、一眼レフ器材刷新を期したEOS KissX7、EOS 7DmarkⅡ、と新装備の試験場ともなってきまして、今回はFUJIFILM X-20、の導入に至りました、EOS 7DmarkⅡと伍しての運用です。

戦車大隊の装備は74式戦車以外の装備は順調に換装が進んでおり、2000年まで61式戦車が頑張っていた駐屯地は、60式装甲車が73式装甲車を経て96式装輪装甲車に置き換わり情報小隊の73式小型トラックは偵察小隊の軽装甲機動車へ、M-3/11.4mm短機関銃は89式小銃へ近代化されています、戦車以外ほぼすべて置き換わったとといってもいいかもしれません。

10式戦車の第3戦車大隊への導入計画は、実は二年後の予定であったようなのですが、新防衛大綱が画定し戦車定数が400両から300両へ置き換えられ計画は白紙撤回されます、100両の削減は3個戦車大隊と1個中隊所要の縮小に匹敵するもので、これにより将来的に本土の74式戦車は機動戦闘車へ置き換えられる事となってしまいました。

機動戦闘車は再来年度末に第14旅団から配備が開始される装輪式の105mm機動砲です、10式戦車の開発で培われた高度な火器管制装置とアクティヴ式懸架装置による走行時の射撃反動吸収機構、先進軽量砲研究ですすめられた低圧砲を装備し、敵の水陸両用装甲車や空挺装甲車程度であれば対抗できる能力と、装輪車両所以の高い機動力を持つ。

ただ、戦車を装輪車両に置き換えるこの施策は、陸上自衛隊史上に残る最大規模の愚策になるのでは、と思いまして、何故ならば10式戦車の52両量産時の取得費用が7億円程度となる見積が、民主党政権交代直前の概算要求で示され、これは多年度一括取得という事から柔軟性がなくなるとして毎年度少数調達に置き換えられたのですが、量産すれば7億、という数値が出た訳です。

一方機動戦闘車は来年度予算に36両259億円で要求されており、10式戦車とあまり費用が変わらなくなってしまったのです。機動戦闘車は装甲が戦車用複合装甲ではないので戦車砲弾はもちろん大口径機関砲が命中すれば正面装甲でも確実に貫徹されます、主砲は低圧砲の105mmである為、第三世代戦車を正面から撃破する事は近距離まで接近せねばなりません、つまり戦車の代替にはならない。

10式戦車は戦車としては機動性が高く軽量で戦略機動性が高い割には、防御力と打撃力が第三世代戦車の水準を十分満たし、自動化により人員区画容積を局限化できたので防御が必要な正面投影面積も局限化でき、軽量だけれど重装甲、と実現したかなり成功した設計なのですから、なぜこれを大量生産しないのか、と疑問です、もちろん、機動戦闘車の用途が皆無ということはなく、90両生産された87式偵察警戒車の後継には最適の戦闘車だとは思います。

さて、今回の撮影はFUJIFILM X-20とEOS-7Dmark2を併用して撮影しました、本日の記事にはX-20の写真を使っています、X-20はコンパクトデジタルカメラですがレンズ駆動が手動でレンズを動かすことで電源が入る仕様、レンジファインダーカメラのような連動式光学ファインダーを採用していますので、一眼レフのような感覚で撮影でき、一頃のネオ一眼レフに当たる様式のカメラで、なかなかの高性能カメラとなっていました。

PowershotG-16と共に運用する新しいコンパクトデジタルカメラ、G-16はまだ現役装備ですが諸般の事情により支援機種が必要となりまして、PowershotG7Xと新型のPowershotG5X、最新のFUJIFILM X-30を選定候補としましたが、どれも幾つかの限界により候補から脱落し、必要な性能を満たし且つ限界状況での撮影性能が最高度と評価した旧型のFUJIFILM X-20が選定されたわけです。二つのカメラを並列に連結し撮影するという方式で撮影しました、非常に使いやすいカメラです。

こうして高性能カメラを最大限利用し、記念式典、観閲行進、訓練展示、装備品展示、次々と撮影位置を陣地変換して良好な撮影環境とともに写真に収めました、新鋭レンズEF-28-300mmISの露光機構が不調となり修理に出すことになりそうですがEF18-200mmISレンズにて撮影を続行できまして、やはり予備機材と並列準備は必要だと一瞬冷水を浴びせかけられた印象でしたが、充実した一日でした。

その後、湖西線で姫路行新快速に乗り換え、大阪まで躍進機動したのち、梅田で美味しいものを頂き日本橋に立ち寄ったのち、やっぱり梅田にもう一度戻ったうえで阪急を撮影し撤収しました、最後になりましたが、現地でご一緒頂きました、また車両を出していただきました皆様、ありがとうございました、今後ともよろしくお願いいたします。

北大路機関:はるな くらま
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第10師団創設53周年記念守山駐屯地祭(2015.10.11) EOS-KissX7撮影速報

2015-10-11 17:55:15 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■第10師団創設53周年
 第10師団、東海北陸地方を防衛警備管区とする中部方面隊隷下の師団です。

 本日は師団創設53周年記念行事へ足を運んできました。陸上自衛隊は1962年に管区隊混成団制度を廃止し、全国に師団を配置する改編を行い、その際に14000名規模の師団と5000名規模の混成団を、9000名の四単位師団である甲師団と7000名の三単位師団である乙師団へ置き換えました。

 守山駐屯地は名古屋市内にあります、名鉄瀬戸線守山自衛隊前駅から駅前の師団司令部横断歩道を渡れば駐屯地が見えてきまして、ナゴヤドームの大曽根の近く、JR中央線も近く、政令指定都市の師団司令部です。そして大都市の交通が便利な駐屯地として全国的にも混雑する駐屯地祭の一つ。

 しかし本日は雨天予報、更に全国的に木更津航空祭や目達原駐屯地祭と大きな自衛隊行事が並ぶ関係か、来場者は比較的少なめでした、そして、本年当方が撮影場所と選んだのは通信搭と隊員食堂の中間にある観閲台右手、観閲行進を撮影するのに良好な位置であるのと、本年は一般用スタンド席がありませんでしたので撮影位置の陣地変換を避けて訓練展示と式典両方良好に撮影できる場所を、と。

 懸念された雨天なのですが、式典と云いますか開場直前までは降っていたようです。ただ、天候は回復に向かうとの予報通り訓練展示の最後の方に少しだけ水滴が舞う様子はありましたが、懸念された雨天による撮影への支障というものがありませんでしたのは、ほんとうに幸い。

 防滴機材が用意されていれば、豪雨でも水滴により撮影に支障が生じる事はありませんが、恐怖や暴風の状況下にありますと、防滴カバーの隙間からレンズに雨滴が付着する事は有り得ます、しかし、雨天ですとカメラの天敵である砂塵がレンズに付着する事をほぼ防げます。

 今回撮影機材は、EOS-7DmarkⅡとEOS-KissX7の二台体制、これをカメラ二台並列撮影可能とするフリーツインプレート上に連結し、PowershotG-16が従来になっていました予備カメラ用途をKissX7に対応させたかたちです、レンズはEF-28-300mmとEF-18-200mmにEF40mmを併用、大型のEF-300mmF2.8とEOS7D/EOS50Dは軽量化のため携行しなかったかたち。

 しかし、ツインプレートを使うものの、肝心のレリーズが充分に明日ことが出来なかったため、少々こちらのKissX7による撮影はブレが生じてしまいまして、レリーズとコンパクト三脚を併用しての定点撮影の方がこの種の手振れ問題は起きなかったかもしれません、ね。

 訓練展示はツインプレートに28-300mmと18-200mm両方を装着して同時撮影、とも考えたのですが重くなりすぎるのと短焦点レンズ以外では二つのズーム操作は出来ませんので、一方40mmでは訓練展示の被写体まで距離があり過ぎるため、28-300mmの一本勝負、内容は野戦と市街戦展示の興味深いもの。

 第10師団は4個普通科連隊基幹の編成を即応予備自衛官主体連隊を中部方面混成団へ管理替えすると共に特科火砲を60門から3個大隊30門へ、戦車大隊を4個中隊から2個中隊30両へ縮小改編し、普通科連隊からも対戦車中隊を廃止するコンパクト化を実施しました、ただ、広域多用途無線機装備や施設機材と化学機材更新を行い、能力的には低くは無い。

 守山駐屯地名物、市街機動です。市街パレードとは違うのですが、師団行事が終了しますと順次金沢や久居に豊川や春日井等へ部隊が撤収しまして、その様子を司令部正門から市内の師団司令部交差点で並んで進む様子が、あたかも市街パレードの様にみえる、第二の観閲行進のようなもの。

 装備面を見ますと、74式戦車が10式戦車に置き換わり、普通科中隊の87式対戦車誘導弾が中距離多目的誘導弾に置き換われば、それ以外の装備は非常に現代的な水準になっているのだなあ、とは考えつつ、一方で3単位師団となったことで規模の縮小は、考えがあっての事なのだろうけれども、大丈夫なのか、という印象がありました。

北大路機関:はるな くらま
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中部方面隊創設55周年記念・伊丹駐屯地祭(2015.09.13) EOS-KissX7撮影速報

2015-09-13 22:55:56 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■中部方面隊創設記念
 本日、兵庫県の伊丹駐屯地にて中部方面隊創設55周年記念行事が挙行されました。

 中部方面隊は、西日本中日本の東海北陸地方、京阪神近畿地方、山陽山陰地方、四国地方、以上2府19県を防衛警備管区とする陸上自衛隊の方面隊で、その警備管区は実に我が国の三割もの広大な地域となります、隷下には2個師団2個旅団、そして方面隊直轄部隊が置かれ駐屯地分屯地は35カ所、住民4700万名が暮らす地域の防衛警備及び災害派遣を担当しています。

 日曜日の天候は曇り乃至雨天の予報があり、事実伊丹市内は早朝にかけ若干の降水量が観測されているほか、予行では雨天に見舞われ、式典会場は泥濘に覆われたとの状況でしたが、式典開始前には冷涼な秋の気配が感じられ、そして式典開始には青空が広がり、あたかも台風一過の改正が遅まきながら京阪神へ訪れた印象も受ける程の好天でした。

 今年度の式典は八月に山下裕貴総監の後任として陸幕副長の鈴木純治陸将が新総監に着任し一ヶ月と少しという時期の記念行事となりましたが、式典、巡閲、訓示、観閲行進、訓練展示、と一通り行事が実施され、駐屯地は多くの来場者で賑わいました、年々来場者が増加している伊丹駐屯地祭ですが、本年は例年よりも早い時期の開催となった事も併せ、若干会場に余裕がありました。

北大路機関:はるな くらま
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富士学校創設61周年記念行事富士学校祭 PowershotG-16撮影第一報

2015-07-05 23:58:59 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■富士学校祭
 本日、富士学校祭に行ってきました、少々体調が悪いのでまず速報までに。

 関東地方の一部に大雨洪水警報が発令されるなど、少々厳しい気象条件ではありましたが、富士学校祭は式典会場が式典開始まで雨天に見舞われたものの、式典と観閲行進までは幸い雨が上がり、小雨が戻る中の訓練展示、待ち時間は厳しかったですが撮影機材は維持可能な天候でした。

 富士学校祭、年々規模が縮小しているのでは、との指摘がありますが、訓練展示は確かにそういった指摘が行事と合致する内容です。しかし、毎年上昇し続ける来場者の人口密度は、今年の降雨予報という天候の関係から例年よりもかなり余裕のあるものとなっていましたのが幸い。

 私事ながら体調がすぐれなかったことがあり、例年撮影位置を移動して調整します観閲行進と訓練展示を数年ぶりに同じ位置から撮影する事となりましたが、撮影位置は観閲行進を正面からフレームに収めることが出来ます良好な撮影条件と共に記録に収めることが出来ました。

北大路機関:はるなくらま
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駒門駐屯地創設55周年記念行事(2015.04.05)続PowerShotG-16撮影速報【写真特集】

2015-04-09 23:20:05 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
◆【写真特集】駒門駐屯地祭 続報
 駒門駐屯地祭2015、速報の続報です。新しい撮影機材の導入という行事と関係ない話題と速報記事写真衝撃の事実などとも併せて。

 観閲行進が完了しました駒門駐屯地祭、いよいよ訓練展示です。一方、当方は今回から新し撮影機材、CANON-EF28-300mmISを運用開始、これまでEOS7DにEF18-200mmISを装着しEOS50Dに300mmF2.8ISを装着し二台体制にて運用していたのを、28-300mmISとEOS7Dの一台体制へ軽量化しました。ちなみに28-300mmを購入したのは前日、だったりする。

 87式偵察警戒車の展開、これを28-300mmの場合一本で撮れるのですが、その背景にはDOMKEのF1バックに目いっぱい詰め込み84mm無反動砲並の重量となるカメラバックを担ぐのが日常というのは少々きつくなってきた、という理由がありました。そこで28-300mmに一本化、と。

 情報収集に展開した斥候部隊が更に情報収集へ奥へと展開します。偵察オートは身軽ですが、カメラも身軽でありたい、そこで一台体制とし18-200mmと28-300mmを適宜付け替えるという方式を採用しました次第、レンズ二本と本体一台7ならばDOMKE-F6バックに充分収容できるのですよね。

 偵察部隊の情報に基づき火力戦闘部隊の陣地進入が開始されました、第1特科隊FH-70榴弾砲の登場です、自衛隊採用が70年代ですのでかなり老朽化していますが火力戦闘車配備まで頑張ります。この点当方のEOS7DとEOS50Dも老朽化が進んでいるため、EOS7DmarkⅡの導入も検討しました28-300mmよりも少し安いですし、どうするか、と。

 再度偵察警戒車、第一機甲教育隊の車両が行き来します、二両が交互躍進の状況を再現しているようなのですが、駒門はグラウンドが狭い関係でこうした展示となってしまうかたち。二両あると相互支援できるのですが、当方もカメラを二台体制から一台体制へ転換する際、もし肝心のカメラが故障した状況があれば、PowerShotG-16しか手元にないが大丈夫かな、と少々心配にもなりました。

 我が方の攻撃前進へ、高射特科部隊が支援に展開し部隊へ防空の傘を展開します。この日の駒門は霧雨、その関係で来場者が例年よりも少なかったのですが、これでカメラが濡れて故障すれば万事休す、ということで防滴装備を完全に準備し展開しました、まずカメラレインカバー、そしてカメラのレンズ部分先端を保護する簡易カバー、それにカメラバックも防滴カバーを装着し、バックごとビニール袋に収容、当方本人はポンチョを着用し、何でも来い。

 準備が整ったところで第1戦車大隊の74式戦車が応援に展開しました、旧式ですが頑張っています。当方もEOS40Dが万一に備え予備機として待機中です、74式戦車は新中期防で軽量で少々頼りないですが最新型の機動戦闘車に置き換えられる構想で、これに合わせ当方も参考にカメラへ世界最軽量のEOS-KissX7の導入を検討しています、カメラ一台体制では心もとないので、サイドバックに保険として40mm単焦点レンズを装着し軽量ですのでバックアップ専用に使うという構想です。

 第1戦車大隊10式戦車、見事な機動力を発揮です。非常に高性能の戦車で、特に自動化を重視し乗員区画を極小化することで乗員区画の防御を十分確保しつつ軽量化を両立したという意味で画期的な戦車、唯一の難点は政治がその威力を理解せず数を充分揃えられないことくらいでしょうか。戦車の数を減らす分、補完用に対戦車ミサイルを何種類も揃える、ううむ、当方も考えればカメラバックには補完用装備が山積し装備体系を複雑化させていますね。

 90式戦車の増援、10式戦車の原点というべき戦車で、この戦車も防御力と機動力の両立を図りつつ自動化により軽量化を果たした戦車です。50tありますので、本土での運用には難点があるのですが、九州に持ち込んで実動演習に投入しますと大きな問題は生じず、専ら戦略機動の点で問題が指摘されていた程度、これが大きいのですが戦車輸送車に搭載せず必要な整備支援を行い戦術機動を長距離維持することは可能なようですので、もう少し本土でも評価されてよかったのかもしれません。

 増援へ展開した近接戦闘部隊の降車戦闘、戦車を盾に対戦車火器を準備する様子、96式装輪装甲車により展開した部隊でして、もともとは大隊本部などの指揮群用に装備されている装甲車ですが、訓練展示では装甲車としての用途を強調します、自衛隊戦車もう一つの難点は相方となる装甲車の不足と装甲戦闘車など戦闘支援用装備の更なる不足、でしょうか。

 近接戦闘部隊が敵陣地へ殺到します、普通科部隊ではなく戦車大隊か高射特科部隊の本部要員が参加しているのでしょうか、駒門には普通科部隊はありません、静岡県は近くの第34普通科連隊の連隊区です。しかし89式小銃から盛んに発砲される小銃の空包射撃が訓練展示の最終段階を思わせるもの。

 戦果拡張へ87式偵察警戒車の前進が始まります、目の前を観閲行進の速度よりははるかに速い速度で展開する様子は迫力ですね。なお、ちなみに28-300mmで撮影していたのですが、実は当方EOS7Dの操作で手いっぱい、いつもはEOS7DとEOS50DにG-16の三台持ちといっていますが、実質同時に撮影するのは二台まで、それも訓練展示のような動きのあるものは中々難しい。

 10式戦車の前進、砲身を想定仮設敵の方角へ向けて前進する様子は迫力がありますが、実はこの写真、友人のA氏にお願いして撮影したものでした、・・・、実は当方が撮っていないという衝撃の事実、実は前に幾つかの行事でPowerShotG-12にて撮影をお願いしたことがありまして、なかなかのアングルセンスです。・・・、普通に当方が下手だけなのかもしれませんが。

 74式戦車二両の戦車砲を向けての前進の迫力、105mm戦車砲の二門の並んだ迫力は中々ですね、A様素晴らしい写真感謝です。この撮影位置は仮設敵が見えない、式典の最中は指揮官の顔が全く見れない、観閲行進でも観閲台は木の陰という状況なのですが、訓練展示は迫力の写真を撮影出来ます。

 戦果拡張へ、戦車回収車や施設車両まで随伴し機動打撃を展開、状況は終了しました。少々お天気は残念ではあったのですが、良い撮影位置を確保出来まして、・・・、A氏のセンスにも助けられました。そろそろ他の行事写真もEOS7DとEOS50Dによる写真を写真特集として順次掲載しようと思います、カメラ器材談話なども含めましたが、駒門駐屯地祭、訓練展示はこうした展開となっていました。A様、撮影支援感謝です。

北大路機関:はるな
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駒門駐屯地創設55周年記念行事(2015.04.05)PowerShotG-16撮影速報【写真特集】

2015-04-07 23:02:34 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
◆【写真特集】駒門駐屯地祭2015
 日曜日に行われました駒門駐屯地祭について、速報写真にてお伝えしましょう。

 駒門駐屯地、JR御殿場線富士岡駅近くの駐屯地で、首都圏からも小田急ロマンスカーあさぎり号にて足を運ぶことが出来る御殿場駅のすぐ近くです。

 駒門駐屯地司令古庄信二1佐、2013年に信太山の第37普通科連隊長より昇任した国際活動協力隊長で、駒門駐屯地司令を兼任しています。

 駐屯部隊は、国際活動教育隊、第1機甲教育隊、第1戦車大隊、第1高射特科大隊、等の部隊が駐屯していますが、支援部隊等を加えますと更に多く。

 ほかに戦車直接支援隊、高射直接支援隊、第364施設中隊、第102施設直接支援大隊第1直接支援中隊駒門派遣隊、第410会計隊、第305基地システム通信中隊駒門派遣隊、第128地区警務隊駒門連絡班、駒門駐屯地業務隊、関東補給処富士燃料出張所、自衛隊静岡地方協力本部など。

 戦車部隊の駐屯地、第1戦車大隊と第1機甲教育隊が駐屯していますので印象が強いのですが、国際活動教育隊の駐屯地ということもあり、装甲車の駐屯地という側面も、海外派遣などで装甲車は必須ですからね。

 軽装甲機動車、4名が乗車する小型装甲車でヘリでの空輸も可能、海外派遣では警備に巡察に指揮官輸送に活躍し、全国のほぼすべての普通科連隊へ配備され対戦車用や機銃の機動運用などにも大活躍の車両です。

 式典が終了し観閲行進準備が下令されますと、まず式典会場に待機していた車両群が待機位置へ移動を開始します、第1高射特科大隊の車両群、もともと1950年に豊川駐屯地で創設された特科連隊第六大隊ですが、宇都宮などを経て駒門へ移駐したのが1968年、とのこと。

 第1高射特科大隊は、大隊本部と近距離地対空誘導弾を運用する第1中隊に、短距離地対空誘導弾を運用する第2中隊、という編成です。短距離は概ね15km前後、近距離は5km前後、というもの。

 対空レーダ装置JTPS-P14と低空レーダ装置JTPS-P18、二段構えのレーダーが目標を捕捉し、師団対空戦闘情報システムが情報を処理し、舞台が一体となる複合的な防空戦闘を行う。

 第1戦車大隊の96式装輪装甲車、戦車大隊といえば戦車、という印象ですが戦車を指揮統制するには装甲車が必要です、指揮群を構築し戦車部隊の能力を最大限発揮出来る環境を整備すると共に各種支援を行うものこの装甲車の任務の一つ。

 国際活動教育隊の軽装甲機動車、陸上自衛隊中央即応集団隷下の教育部隊で隊本部と共通教育科に評価支援科と研究科をおき陸上自衛隊部隊の海外における国際貢献活動の支援を行うとともに教育支援小隊を隷下にもち、実任務の訓練も行う。

 第1機甲教育隊の車両、東部方面混成団隷下の部隊でして機甲科部隊の教育全般を担います、全国の方面隊隷下に方面混成団は置かれていますが、機甲教育隊が置かれているのは東部方面混成団のみ。

 観閲行進、駒門駐屯地ですが、面積は広くありません、駐屯地が狭くとも近くに東富士演習場がありますので問題は無いのですが、駐屯地祭の当日だけはこの狭さが来場者に厳しく、撮影位置が無い、というところは出てきます。すると工夫が重要となる。

 81式短距離地対空誘導弾、第1高射特科大隊の装備で、第2中隊に4セットが装備され、各レーダーを搭載する射撃指揮装置1基と四連装発射器2基をもって射撃部隊を構成、B型は射程8kmですがC型は射程15kmのレーダー誘導型を運用可能です。

 第364施設中隊の車両、座間駐屯地第4施設群隷下にあり、群には第364施設中隊のほか第388施設中隊と古河駐屯地の第389施設中隊及び第390施設中隊が置かれている。

 第1戦車大隊、自衛隊最初の戦車部隊として1954年に相馬原駐屯地にて創設された第1特車大隊からはじまり、1962年にここ駒門駐屯地に移駐しました、1962年は第1師団が第1管区隊より改編され誕生した年でもあります。

 10式戦車、第1戦車大隊は実戦部隊として10式戦車を最初に受領した戦車部隊です、データリンク能力と戦術機動性に軽量車体を特色とし、世界最強の戦車として世界に通用する国産戦車だ。

 74式戦車、第2中隊に装備されています、第1戦車大隊は2個戦車中隊基幹、2002年までは3個戦車中隊基幹でしたが、戦車部隊削減により2個中隊編成となり、更に中隊本部戦車も縮小され、首都の防備は心細いというべきか。

 第1機甲教育隊の観閲行進、1962年に編成完結した戦車の教育部隊で4個戦車中隊を教育訓練部隊とし、機甲科隊員教育訓練や陸曹教育等に当たります。戦車大隊の倍というほど戦車が多い。

 90式戦車、我が国が国産しました第三世代戦車で、自動装填装置による毎分15発射撃という高い打撃力、乗員3名化による人員区画の局限化による軽量化と防御力の両立、2サイクルエンジンによる瞬発機動力の高さなど、技術的な特色をもつ。

 戦車が実際に動きますと、特に一般公開では観衆の多くから、空気の振動と時際に戦車の重量が機動する事で揺れ動く地面の振動に歓声があがります、やはり実物の戦車の迫力は凄い。

 74式戦車、近く機動戦闘車の大量配備開始により一挙に除籍されることとなりますが、弾道コンピュータ制御による105mm戦車砲による打撃力、油気圧懸架装置により地形に車体を伏せさせ防御力の一端とする機能など、特色が多く、今を以て本土戦車部隊の主力を果たすもの。

 74式戦車改、優れた74式戦車、その泣き所は制式化後、暗視装置が操縦用を除き改良されてこなかったことですが、74式戦車改は89式装甲戦闘車の暗視装置を転用し夜間戦闘能力を高めています、が、改造費が高く4両しか改良されなかったのが難点です。

 こうしたかたちで観閲行進は完了しました、観閲部隊指揮官第1機甲教育隊長萬代治1佐の乗車する10式戦車が最後に会場を往く、そして式典は訓練展示へ展開します。

北大路機関:はるな
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駒門駐屯地祭2015 PowerShotG-16撮影第一報

2015-04-05 23:56:07 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
◆駒門駐屯地へ行ってきた
 本日、静岡県の駒門駐屯地祭へ行ってまいりました。

 駒門駐屯地は御殿場の戦車部隊と高射特科部隊に教育訓練部隊と国際協力部隊訓練部隊の駐屯地です。PowerShotG-16撮影速報を作成予定でしたが、帰路、浜松で一杯やった関係で少々遅くなりましたので、本日は速報記事ではなく、第一報という形でご報告を。

 駒門は首都圏は静岡県にあり、東京からも電車を乗り継いで比較的近いことと、例年年度初めの自衛隊行事、そして多くの戦車を見る事が出来る自衛隊関連行事という事もありまして、年々混雑度合が増してゆくのですが、本年は雨天予報もあってか来場者と人口密度は多少余裕がありました。

 天候は式典の最中に霧雨が続いてはいましたが防滴カバーさえ準備していたらば撮影に支障はない水準の雨量でした、行事規模は例年並みですが、訓練展示は戦果拡張の攻撃前進展示等が迫力があり泥飛沫が迫力をさらに増していた印象です。装備品展示は戦車と戦車回収車が三世代揃うなど、見どころは今年も多くありました印象です。

北大路機関:はるな
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八尾駐屯地創設60周年・中部方面航空隊創設52周年記念行事PowerShotG-16撮影速報

2014-11-17 23:50:36 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆ヘリコプター大編隊を見上げる

 北大路機関の自衛隊関連行事速報として幾度も紹介しましたPowerShotG-16撮影速報もOCNブログでは恐らく今回が最後となり、次回はGOOブログへの移転を迎える事となりそうです。

Yimg_8841_2  八尾駐屯地創設60周年中部方面航空隊創立52周年記念行事、大阪府の八尾駐屯地に位置する陸上自衛隊の航空部隊駐屯地にて盛大に執り行われました。八尾駐屯地は現在でこそ、小型機専用空港、少し前ですと調布飛行場と並び全国でも稀有なカード決済不能ないつもニコニコ現金払いの空港として知られたところ。

Yimg_8865_2  しかし、八尾空港は大阪第一空港として、伊丹空港が朝鮮戦争に合わせての進駐軍による国連軍航空拠点としての拡張工事を請けるまでは大都市大阪は空の玄関口として位置づけられた大阪第一空港、という位置づけにあったのです。滑走路もふたつ在りますし、ね。

Yimg_8906_2  この八尾駐屯地は中部方面隊直轄の中部方面航空隊と第3師団隷下の第3飛行隊が駐屯、中部方面航空隊は航空部隊として多用途ヘリコプター定数20機をもつ中部方面ヘリコプター隊がここ八尾に、対戦車ヘリコプター16機を定数とする第5対戦車ヘリコプター隊が三重県明野に駐屯しています。

Ycimg_8921  駐屯地の立地は大阪府南部、関西本線志紀駅から徒歩15分、大阪湾からは15kmの距離を隔てており防衛にも防災にも重要な拠点となる立地とともに志紀駅から関西本線を七駅ほど進むと法隆寺駅、という奈良県との県境に近い場所に位置しています。関西本線を利用すれば大阪からは非常に近い。

Ycimg_8967  八尾駐屯地はヘリコプター部隊の一大拠点ですが、実は当方、この立地を知っていたからこそ、今住宅街に近いということで話題の沖縄普天間基地について、実際に足を運んだ際に物凄い違和感を感じたことを思い出します。八尾駐屯地は住宅街に隣接し志紀中学校に隣接、滑走路から400mのところに大正北小学校に大正小学校や大正中学と柏原高校があるのです。

Yimg_8934_2 此処を知っているからこそ、当初普天間の話を聞きますと、それこそ嵐電や京阪京津線と住宅の距離のように誘導路の脇が宜野湾市住宅街とか、格納庫の隣にアパートが、というような印象を受けましたし、実際誇張してすぐ隣ですよ、と語る方も居ましたので、本当に隣にあって手を伸ばせば機体に触れられるような印象を持っていたのですが、実際は物凄く距離がありました。

Yimg_8954_2  大阪第一空港ということですので、近くには関西本線の他に八尾空港の側ですが地下鉄谷町線八尾南駅があり、ここは空港敷地までは400mほどですが八尾駐屯地正門までは2.5kmほど、志紀駅から900mのところには近鉄大阪線法善寺駅があり、京阪神大都市圏からは非常に近いところに或るのです。

Yimg_8964  そして航空部隊駐屯地ですが敷地は空港ですので、あまり広い場所を一般開放することが出来ず、そして航空部隊には普通科部隊程の人員の余裕もありませんのでスタンド席の設置などは出来ません、其処に高い交通の利便性と共に大勢が足を運びますので、会場は非常に混む。

Yimg_8973  八尾駐屯地祭の人口密度の大きさは、伊丹駐屯地祭や千僧駐屯地祭よりも大きく、富士学校祭なみ、というところでしょうか。更には航空自衛隊の航空祭は繰り返し飛行展示が行われるので被写体は空を飛びますがこちらは陸上自衛隊、編隊飛行は大編隊一回のみで編隊離陸や模擬戦などは地上で行われるのですから、当然最前列付近にいなければ何も見えない。

Ycimg_8965  しかし、それでも多くの来場者を集めるのは近いという事ももちろん大きでしょうが、ヘリコプターの大編隊を見られる、立体模擬戦が凄い、といいますようにやはり八尾でしか見られない、つまり此処でしか見られないものがあるのだ、という部分が大きいのでしょう。

Ycimg_8976  それにしても相変わらずの人口密度、年々すごくなっている印象がありまして、いつも挨拶する方がこの日に限って全然見えない、式典終了後に挨拶を交わした際の二言目はどちらにいらしてました、と。友人も後になって来ていたのかあ、と気づくほどのありさまで、凄いねえ、と苦笑い。

Yimg_8994 八尾駐屯地祭の凄いところは人口密度に行数を割いてしまいましたが、やはり大編隊、ワルシャワフィルが奏でるワルキューレの騎行が聞こえてきそうで、実際に聞こえるのは中部方面音楽隊の祝典ギャロップなのですが、迫力があります、ここ数年で大編隊の規模は縮小してしまっているのが残念ではありますが。

Yimg_8999 八尾駐屯地上空へ16機のヘリコプター編隊が観閲飛行、駐屯地全体の観衆が沸きかえる瞬間です。気づかされたのは多用途ヘリコプターからUH-1Hが完全に姿をけし、UH-1Jへ置き換えられていたこと、UH-1Hは用途廃止機が地上展示機に加わってはいましたが、一応近代化されたとともに、全体の機数に影響がないか、というところ。

Yimg_9023 空中機動は近年の形態防空火器の発展とともに単体での強襲から特殊作戦への支援や地上の軽装甲部隊への迅速な補給とを合わせた運動戦の支援へ趨勢が大きく転換しつつあり、特に自衛隊は早い時期から空中機動の重要性に着目し部隊整備を進めてきた歴史があるため、今後とも新しい時代を更に先取りできる運用の研究を期待したいところです。

北大路機関:はるな

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