平地治美の漢方ブログ 

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不妊症 2 不妊と体型

2014年06月18日 | 処方・症例
不妊症だからといって特別なことをするわけではなく、その人の全体を観て不調和のある部分を

正していってもらう、というのは他の疾患における漢方治療と同じです。

不妊症の臨床は、漢方を学びはじめて数年後、中医学だけの臨床に限界を感じ始めた頃に

寺師睦宗先生の三考塾に入塾し、さらに玄和堂診療所において臨床の見学をさせていただいた

経験がベースになっています。


当時80才を過ぎていらした寺師先生は、1日60人の患者さんを1人で診察しておりました。

テレビ出演の後は予約は2年待ち、という状況を聞いて

「世の中にはそんなにたくさんの不妊症の人がいるんだ!」

と驚いたものです。

そこで学んだ事を交えながら不妊症について書いていきたいと思います。

まずは「不妊と体型」についてです。



寺師先生の診察においては、問診の後、患者さんにまず体重計に乗ってもらっていました。

標準体重(身長ー100)×0.9

を基準にして、太っている人は痩せさせる、痩せている人は太らせる。



その他、胸の大きさについても

「ペチャパイもホルモンパイもダメだ!」

ペチャパイはわかるにしても、ホルモンパイってなに?

カラダの割に大きすぎる胸を、寺師先生はホルモンパイと表現なさっていました。

なぜいけないかというと、先生の長年の経験から、そのようないわゆる“巨乳”の体型だと

子宮は貧弱であることが多いそうです。


とてもシンプルですが、的を得られた観察だなあ、とつくづく感心します。

もちろん、どんな体型であろうと妊娠しやすい・しにくいはさまざまな要素がからんで

きますのでそれだけでは言えません。しかし、特に太っていると妊娠しにくいというのは

古典にも記載されておりますし、患者さんをみていても確かにそうだな、と感じます。

そして太っているというのは体重だけではなく、筋肉の少ない“かくれ肥満”や“糖尿病予備軍”

も含めた方が良いようです。



標準体重において太っている場合、寺師先生は

「大柴胡湯+桂枝茯苓丸」

をベースに処方なさっていました。

肥満の人は胸脇苦満と瘀血がセットになっていることが多いので、これもすばらしい処方です。

そしてそのような人が

「夜は米粒を一粒も食べるな!」

という指導のもと、体重をしぼって適正体重に近づいた頃、フッと妊娠するケースが多いようです。



痩せている人、その他に関しては

「石の女」「氷の女」

など、いろいろありますのでまた別の日に書いてみたいと思います。


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