平地治美の漢方ブログ 

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舌苔の色

2014年06月11日 | 舌診
舌を観察する時に、まず目に入るのは舌苔の状態です。

健康な舌はうっすらと白い舌苔に覆われているものですが、真っ白で厚い苔や
黄色、黒、といった舌苔は体の異状を表しています。

舌苔の色は、冷えている場合は白、熱がこもるにつれて黄色、茶色、黒、
と濃い色になっていきます。

ちょうど白いパンが焦げていくようなかんじです。

苔が濡れて湿っている場合は冷えている状態、乾燥してパサパサしひび割れて
いるような場合は熱がこもって炎症がある状態と考えられます。


白苔

黄苔

黒苔


●白苔

うっすらと白い苔は健康な状態ですが、白い苔にビッシリ覆われた舌はカラダからの

危険信号です

胃腸の働きが悪くなると、糸状乳頭が伸びて角化します。

そこに水が付くと、白く見えるようになります。

胃腸が悲鳴をあげ始めている状態なのです。

風邪などの感染症の初期でも白苔は出現しますが、そのような時は食事は控えめにする

ことを漢方では主張しています。


● 黄苔

舌苔が黄色くなるのは胃腸に熱がこもった状態です。

そして、さきほどの「白苔」の状態ではまだ口の中の細菌のバランスはそれほど

崩れてない状態でしたが、この「黄苔」では病状が進み、口の中の細菌バランスは崩れています。

口の中には色々な細菌が居ます。

悪玉菌もいれば、善玉菌も居ますが、その全部が悪さをするわけではありません。

でも、体の抵抗力が落ちたときなどは、口の中の細菌のバランスが崩れ、普段は悪さを

しなかった菌が増えることがあります。

さらに真菌感染により口の中のPhが低下して、色を付ける産色細胞が出てきます。

その結果、色素が沈着して黄色い苔や黒い苔ができるのです。



●黒苔

熱が極まってくるといよいよ苔は黒くなってきます。

冷えによっても舌苔が黒くなることがあります。

どちらにしても、病状は重く進行した状態であると、漢方では判断します。

黒苔は糸状乳頭が増殖して突起が伸び、そこに老廃物や細菌が溜まり、硫化水素(H2S)を生じ、

そこに鉄を含むヘモグロビンや微生物が結びついて硫化鉄(Fe2S)になり黒い色となるそうです。


抗生物質やステロイド剤の服用で舌苔が黒くなることもあります。

この場合は、抗生物質を飲むのをやめたり、体調が回復すれば自然に治ってきますので、 

特に問題はありません。
 

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