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平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

「げきポカ」(ダイヤモンド社)発売です!

2014年11月12日 | 古典・書籍
げきポカ
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社



冷え性の養生について書いた「げきポカ」、11月21日発売です!

一般の、若い女子を対象(あ、もちろん若くなくてもOKですし、
男性にも読んでほしいです)にかわいいイラスト満載で作りました。

漢方の処方は出てきませんが、

食事の仕方、
お風呂の入り方、
生理の時の過ごし方、
心の持ち方
..........etc

以前は当たり前だったけど,現在は廃れてあまり知られなくなってしま
ったものも含めて載せてあります。

私にとって初めての出版なのですが、毎回の編集者さん達との打ち合わせも、
女子会のようで〝楽しい課外活動〟気分でした。

女子限定の出版記念講座を12月20日(土)に朝日カルチャーセンターで開催します。
体に優しい冬の過ごし方~漢方と食養生~

どうぞよろしくお願いします。


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新宮涼庭の経済書「破レ家ノツヅクリ話」

2014年07月19日 | 古典・書籍
名医というと貧乏なイメージを持ってしまうのは私だけでしょうか。

ところが、中神琴渓センセイが惚れ込んだほどの若き天才・新宮涼庭は、医学だけ
ではなく、経済的なセンスも持ち合わせた大金持ちでした。

そのスケールは大きく、傾いた藩を再建したり、多額の融資を行ったり、学校を作ったり
したほどです。

医学ではなく経済についての著書

破レ家ノツヅクリ話

には、彼の経済についての思想が詳細に書かれています。

幼少時は貧しい家に育ち苦労した彼は、お金を手にしても決して無駄な使い方
をせず、普段の生活は質素にし、ここぞという時バーンと使うのです。

お金の貯め方・使い方、などについての記載も面白いのですが、
勉強になったのは、多くの頁に渡って書かれている

「人の選び方」

についてです。

さすが新宮涼庭。
本質をついているなと思いました。

いくらお金が入ったとしても、使う人の人間性がダメならばどんどん出ていって
しまい、有効な使い方ができないですからね。

賄賂に関与しない、仕えた先のことを自分事のように考える、賢い部下を選ぶべき、
というような内容が詳細に記されています。

今読んでもなるほど、と思う部分が多く勉強になります。



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小児の脈診 ~虎口三関の脈~

2014年02月23日 | 古典・書籍
昨日の朝日カルチャーセンター新宿校の講座に参加してくださった皆さま、
ありがとうございました。
このブログを愛読してくださっている参加者の方もいらして感無量でした。

またまた甥・レン君に参加してもらい、小児の脈診「虎口三関の脈」のモデルに
なってもらいました。

小さい頃は喘息があってちょっと弱々しいところもあったのですが、現在はサッカークラブ
や水泳で鍛えているせいか、だいぶたくましくなってきたようです。


虎口三関の脈は「鍼灸大成に記載がある小児6才くらいまでの脈診方法です。
大人と違って、目で見て判断する脈診法で、人差し指の関節で区切られた三つのエリアの
根元から指先に向かって

 風関
 気関
 命関

と名付け、どこまでどんな色の脈紋(スジ)が伸びているかで病気の種類や勢いをみます。
男は左、女は右の次指(人差し指)を診ます。




これは三才の姪っ子の指の写真ですが、うっすら青いスジが見えるでしょうか。
気関の真ん中くらいまで伸びていますが、この写真を撮ったときはとてもご機嫌が悪かったのです。

この脈紋が長く伸びるにつれて、病は重くなるというふうに解釈します。

私自身は実際の臨床では参考にする程度ですが、こういう脈診もある、と知って
おいていただければということで紹介しました。



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「栄西と『喫茶養生記』」岩間眞智子

2014年02月10日 | 古典・書籍
岩間眞智子先生が静岡県茶業会議所から栄西と喫茶養生記を出されました。
(クリックすると全文読むことができます)

冊子と言ってもその内容は濃く、これを無料で公開するとはずいぶん気前が良いですね!

私はこの冊子に書かれている栄西の生涯、密教との関わりなどを知り、喫茶養生記の
見方が変わりました。

晩年に、茶と桑しか出てこない特異な養生論であるこの書を、栄西はどのような
思いで書いたのか。

岩間先生の考察が光ります。

巻末の「栄西ゆかりの地一覧」には住所や電話番号が記載されているので、散策の際に
役立ちそうです。


岩間先生の既刊のこちら
茶の医薬史―中国と日本
クリエーター情報なし
思文閣出版

医薬としての茶に関してはこれ一冊で全ての資料を網羅している、と言ってもいいくらいの大著
です。合わせて読むと理解が深まります。

目次
はじめに

第一章 茶の医薬史:中国編
  1 隋代までの医薬書
  2 唐代の医薬書
  3 宋代の医薬書
  4 金・元代の医薬書
  5 明代の医薬書
  6 清代の医薬書
  
第二章 茶の医薬史:日本編
 
  1 平安時代までの医薬書
  2 鎌倉時代の医薬書
  3 室町・安土桃山時代の医薬書
  4 江戸時代の医薬書(前期・中期・後期)

第三章 茶の医薬史:論考編
  1 茶を記した現存最古の薬書史料
  2 『神農本草経』の茶について
  3 蝋(臘)茶について
  4 養生論の系譜から見た『喫茶養生記』
  5 寒の茶・温の茶

第四章 医薬書史料

 中国編
  1 隋代までの医薬書
  2 唐代の医薬書
  3 宋代の医薬書
  4 明代の医薬書
  5 清代の医薬書
 日本編
  1 平安時代の医薬書
  2 鎌倉時代の医薬書
  3 室町時代の医薬書
  4 江戸時代の医薬書

あとがき
(第三章1の中文訳)
挿図一覧
初出一覧
索引


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「医道の日本」2月号に掲載されました

2014年02月01日 | 古典・書籍
月刊「医道の日本」の特集:「尿トラブルへの鍼灸治療」に記事を書かせていただきました。

文中の「遺溺(いにょう)」のルビが間違って印刷されてしまったようで「いろう」となっておりますが、

正しくは「いにょう」です。


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「術の思想」三浦國雄

2013年12月06日 | 古典・書籍
術の思想─医・長生・呪・交霊・風水
クリエーター情報なし
風響社



「術」とは、学術的にいうと「術数」のことですが、総説の中で三浦先生は以下のように書いていらっしゃいます。

……「数」(ここには十干十二支をはじめ陰陽五行も含まれる)と「占」とが合体した特有の「知」というのが一応の定義になるだろう。

医学以外にも風水、出産、仙術、呪術、、、、と幅広いテーマが扱われ、どの篇もとても興味深い論文集です。
術数に全く初めて触れる臨床家の場合、始めの総説から103頁までの、以下の部分を読むと理解しやすいのではないかなと思います。

三浦國雄先生の総説 …………..
相い雑わること錦のごとしー「術」の五行…………….加藤千恵
火極まれば水に似るー「素問玄機原病式」と運気論医学 …………三鬼丈知

特に三鬼先生の論文は劉完素の思想を理解するのにとても良いです。
劉完素といえば、私達臨床家は「寒涼派」「防風通聖散」などのキーワードを思い浮かべます。この論文を読むまでは、なんでもかんでも冷やして治す、瀉法が得意な、日本漢方的なシンプルな理論なのかなと思っていました。

しかし、この「素問玄機原病式」は、「素問」のいわゆる運気七篇である至真要大論篇中の「病機十九条」を元にして発展させたものですので、その概念を理解するには運気論医学を理解していなくてはなりません。
劉完素は道教についても深い知識があったけれど宗教的な修養や医療に流されることはなく、また、運気論を医学に応用するけれども占のように安易に応用することなく新しい理論を構築しました。

劉完素の理論である「火熱論」は、

“多くの病は火熱に起因する”

というものですが、当時の「局方」は温補剤が多く、それが乱用されることが多かったようです。きっと寒熱の間違えによる誤治も多かったことでしょう。そのことに対する警鐘として、時代の風潮に反するこのような理論を打ち立てたのだと思います。

「火熱の気が極まると、それを克するはずの寒水の気に似た様相を呈する、だから真の病源は火熱である」

という考え方で、病の本質を見抜いた上で寒薬を用いるわけです。
他にも劉完素の診断理論の元になる「亢害承制理論」についてもわかりやすく書いてくださっていて、いずれ素問玄機原病式も読んでみたいと興味がわきました。


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「DVDでよくわかる 経絡按摩-切経探穴のための手技-」戸ケ崎正男

2013年11月15日 | 古典・書籍
DVDでよくわかる経絡按摩-切経探穴のための手技- 伝統医学における身体診察の基礎づくり
クリエーター情報なし
ヒューマンワールド


戸ケ崎先生が按摩の本を出されました。

2時間以上のDVD付きでこの値段は安すぎるのではないでしょうか。
足先から頭まで、全身の経絡按摩の実技DVDです。

江戸時代は鍼灸を学ぶ場合、まず3年は按摩だけを学び手の感覚を鍛え、その後
初めて鍼灸を学ぶことができたそうです。つまり日本の伝統的な鍼灸の源流は
按摩であるとも言うことができます。鍼灸に比べて下に見られがちな按摩ですが、
実はツボを探すためにも大切な技なのです。

戸ケ崎先生は常々このことを強調され、按摩の重要性、そしてそれを元に切経探穴
することの重要性を説かれており、その先生がこのようなDVDを出されたのは
大変ありがたいことです。

私が卒業した10年ほど前はまだ鍼灸科が少なく鍼灸あん摩マッサージ科が
多かったのですが、現在は鍼灸科が乱立し、按摩を学ばず鍼灸師になってしまう
鍼灸師が増えています。しかし、規定通りのツボの位置に刺せばいいというもの
ではなく、切経探穴することは必須ですから、鍼灸科で按摩を学ぶ機会のない
学生さんなどには特にこのDVDを見てほしいと感じます。





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寺澤捷年先生回顧録

2013年07月24日 | 古典・書籍
現在、小太郎製薬の「漢方研究」誌に連載中の、「漢方・我が人生の遍歴」(全15回)。

名医がたどってきた人生を、丸ごと見渡せる名文です(しかも面白い)。

漢方界における寺澤先生の功績は臨床の他にも教育・政治・国際問題など多岐に渡るものであり、
周知のことなので今さら私がここに記す必要もありません。

その寺澤先生がどのようなきっかけで漢方を志し、現在に至ったのか。
知りたかったのは私だけではなかったはずです。
皆がこのような回顧録を待ち望んでいたのではないでしょうか。

この回顧録には、寺澤先生の学生時代からの小説になりそうな
エピソードがたくさん出てきます。
先生が師事した藤平健先生、小倉重成先生といった昭和の大御所が登場するのも見所の一つで、
読み進めるうちに千葉古方の思想や流れも自然と頭に入ってきます。

その中の、婚約中にヒマラヤの未踏峰に登頂した一文が、ツムラWEBマガジンに掲載されております。

その他にも
奥様との出会いから結婚までの過程(なんと藤平健先生が愛のキューピット!)、
マラソンの途中でリタイアしてカツ丼を食べてしまったり、
意気込んで開始した漢方勉強会が飲み会に変化してしまったり、
など、先生の人間らしい面も率直に描かれていて、親近感が湧いてきます。

そしてこんな様々な経験が活かされて、今の先生の臨床があるのだなあ、としみじみと感じました。


これからの連載の続きが楽しみです!


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不妊と“もらい子” ~「日本産育習俗資料集成」~

2013年05月25日 | 古典・書籍



日本産育習俗資料集成は「妊娠・出産・育児」について、第二次世界大戦前からの大規模な一斉調査により日本各地の産育習俗の記録が収められた貴重な資料集です。
民間で行われていたことが具体的に記録されていて、初めて知る驚くような内容の習俗も
たくさんありました。


そのなかには、不妊に関する記載も多くあります。

昔は不妊症の女性は「石女(うまずめ)」と呼ばれ、世間の目は冷たく、
さぞ肩身の狭い辛い思いをしただろうと思います。

そんな不妊症の対策として各地で行われていたことに

「子供が生まれない場合はもらい子をするとすぐに妊娠する」

という記載がありました。

これはどういうことなのだろう?
とあれこれ想像してみました。

・もらい子をすることによって不妊のストレスから解放される
・子供の世話をすることによって不足していた母性が芽生えて妊娠に適した精神状態になる


などさまざまな原因が考えられます。


不妊治療中の患者さんは

「赤ちゃんを見るのが辛い、イライラする」

と、子供を避ける気持ちになりがちですが、もらい子は現実的でないにしても、なるべく
赤ちゃんや子供に接するようにすると良いのかもしれません。



「日本産育習俗資料集成」

はしがき
発刊に当たって
凡例

妊 娠
妊娠の祈願と呪法/妊娠/安産祈願/ 帯祝い/妊婦の心得と胎教/妊婦の食物・禁忌/妊娠に関する俗信・禁忌・呪法/胎児の性別判断/避妊・堕胎・間引き/石女と未婚女

出 産
産屋/産の忌/産神と産飯/産婆/分娩/胞衣/臍の緒/産湯/胎毒・胎便下し/産婦の食物・禁忌/産見舞い/出産に関する俗信・禁忌・呪法/異常分娩/妊産婦の死亡

育 児
乳付けと母乳(乳付けと乳付け親/母乳と母乳代用品)/三日祝い/産着/七夜・初外出/名付けと名付け親/産 毛そり/孫祝い/宮参り/食い初め・初生歯/初正月・初節供・初中元/初誕生/拾い親と厄子/乳母・子守・保育具/子育て祈願/育児に関する俗信・呪法/育児に関する禁忌/もらい子・私生児/ひも落とし・袴着/氏子入り/しつけ/幼児の衛生/玩具と遊戯/乳幼児の死亡/成年式/産育に関する 諺・語彙など


樺太/台湾/南洋群島
あとがき

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神農本草経の「久服」について

2013年04月08日 | 古典・書籍




先月開催された「第1回 飲食文化研究会」、仙人研究をしている
大形徹先生のお話は仙人が食べる霞、仙薬や丹(水銀)についてなど、
どれもとてもわかりやすく面白かったです。
仙人といっても色々な種類があること、場合によってはご馳走を食べ酒を
飲むこともあるなど、初めて知ることばかり。

いただいた資料を読み返していたら、「神農本草経」について、とても
興味深い論文を書いていらっしゃいました。
その中の「久服」について先生の考察の一部を要約。


「列仙伝」は仙人の伝記、仙人になるための具体的方法を記してある書物で
神農本草経の薬物と共通するものが多く、密接な関係がある。
これらの作者は薬の採集、製造、販売にも関わっていた可能性が高く、


久服(ずっと服用し続ける)=ずっと薬が売れ続ける


ということになります。

この久服の概念は不死を説く「山海経」や「史記」には全く見られない
ものだそうです。
たしかに「不死」ハードルが非常に高いけれど、「不老」や「延年」
ならできそう(今もテレビや雑誌はそんなことばかり宣伝していますよね)。

そして出来なかった場合も

「久服しなかったあなたが悪い!」

と言い逃れができます。



なるほど、、、しかし神農本草経にビジネスがからんでいたとは思いもしなかった!
それにしても仙人は興味深い。
昨日、大形先生の本をアマゾンで大人買いして届くのが楽しみです。


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