藤平健先生の生誕100周年に合わせ、寺澤捷年先生が
「漢方開眼 わが師・藤平健先生」
を出版されました。
藤平健先生といえば、大塚敬節先生、矢数道明先生とともにいわゆる漢方昭和御三家の
お一人です。
この本は、題名の通り、その藤平先生が漢方に開眼するまでの過程を周辺の
関係者、地理、時代背景、様々な角度から考察して書かれています。
特に面白いのは
事実を記載→その事実に対する寺澤先生の疑問→調査結果
という構成になっており、推理小説の謎解きのよう。
漢方ミステリーの結果が気になり、あっという間に読み進んでしまいました。
千葉在住の私にとっては、土地のことがいろいろ出てくるのも面白く、特に
小さい頃に住んでいた「登戸」という地名がたくさん出てきて、より藤平先生に親近感が
わきました。
患者さんの中にも、かつて藤平先生に診てもらったことがある、、
という方がまだたまにいらっしゃいます。
「本当にいい先生だった」
「失明寸前のところを、救ってもらった」
など、絶賛の声しか聞いたことがありません。
以前、寺師睦宗先生が
「漢方の世界はあんまり医者の学閥ってないけど、千葉大だけは別格なんだ、
あそこはちょっと謎が多いなあ」
とおっしゃっていましたが、その千葉大漢方の創世期からの歴史の概略、そして謎の部分の一部が
この本を読むとわかります。
和田正系先生が湯本求真先生に入門を断られたエピソード、鮎川静先生、終章を飾る
伊東彌恵治先生、鍼灸関連では長濱善男先生についてなど、関連する人物についての記載もとても
面白い。
そして藤平先生というスターが誕生したのは、さまざまな「縁」が時間的、空間的に繋がった
結果なのだということがよくわかりました。
ところで不謹慎なようですが、歴代の千葉大の先生って、なんとも言えない気品の漂う
イケメンが多いですね。。。
藤平先生、長濱先生の若い頃のお写真は俳優のようだし、
奥田先生や小倉先生はなんだか禅僧のような雰囲気。
その後に続いている寺澤先生、伊藤隆先生、並木隆雄先生、、、
皆さん同種の「千葉大オーラ」を纏っていらっしゃるように感じます。
この本を読みたくなった方はまだアマゾンなどにはまだ出てないそうなので
医聖社03-3264-8639
またはその取り扱いのある書店に注文してください。

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