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『太陽にほえろ!』#053

2019-03-23 00:00:08 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第53話『ジーパン刑事登場!』

(1973.7.20.OA/脚本=鎌田敏夫/監督=高瀬昌弘)

マカロニ(萩原健一)の衝撃的な殉職を経て、いよいよ2代目新人刑事=ジーパン(松田優作)が登場します。

前夜、刑事昇格を祝して仲間と呑んだくれ、気がつけば無一文。無銭飲食でぶち込まれ、留置場から初出勤という登場シーンこそコミカルだけど、事件の内容は鎌田脚本らしいハードなものになってます。

何しろセレブ女性ばかりを狙った連続殺人で、怨恨や金目当て等の明確な動機が無く、ただ金持ち連中への漠然とした妬みや、美しい女性への歪んだ性愛をこじらせた、サイコパスな青年(谷岡行二)と新米刑事が対決するワケです。その犯行に使われる凶器が、警官から強奪した拳銃なんですよね。

ジーパンは、警官なのに拳銃を所持せずに撃ち殺され、殉職扱いにもされなかった亡き父親への想いから、自分も拳銃を持とうとしない。

母子家庭となって苦労を強いられたジーパンは、優雅に暮らす金持ち連中を憎む気持ちは理解しながらも、拳銃を持って強くなったつもりでいる犯人が許せない。

一方、マカロニが殺された事でナーバスになり、拳銃に弾丸を込めない主義を返上したゴリさん(竜 雷太)は、銃を持った犯人に丸腰で立ち向かうジーパンの、文字通りの無鉄砲さが許せない。

だけど、怒りのゴリパンチを浴びようが頑なに拳銃所持を拒否し、あくまで素手で犯人と対峙し続けるジーパンの姿を見て、再び自分の拳銃から弾丸を抜き取るんですよね。

あの当時の刑事ドラマで動機なき殺人を描いた先見性といい、新米刑事に影響されて先輩刑事側の意識が変わっていく逆転の発想といい、鎌田敏夫さんの非凡な才能が光る一編です。

さて、本作は新シーズンの幕開けって事もあり、女優陣の顔ぶれがとっても華やかです。

まず、青木英美さんが初代マスコットガール=クミちゃんこと永井久美としてレギュラー入りし、早速ミニスカートで自慢の美脚を披露してくれます。

「スカートが短すぎる」ってボス(石原裕次郎)から注意されても「(むさ苦しい刑事部屋で)せめて眼を楽しませてあげようと思って」なんてケロッと言っちゃう、明るく奔放なキャラで人気を集める事になります。

そんな青木さんの加入は、シンコ=関根恵子さんが映画出演のため登場回数が減っちゃう事の穴埋めとも思われますが、今回はシンコもしっかり登場し、クミちゃんに負けじとテニスウェアでHなナマ脚を披露してくれます。

更にもう1人、熟女が登場しますw ジーパンの母親=柴田たき役で、大ベテランの菅井きんさんがセミレギュラー入り。番組終盤まで同役でたびたび『太陽』に登場される事になります。

そしてそして、連続殺人の被害者たちの顔ぶれが、これまた豪華なんです。

まず1人目が『ウルトラセブン』のアンヌ隊員役や『プレイガール』等でも知られる、ひし美ゆり子さん(当時26歳)。

そして2人目がTVドラマ初出演と思われる、デビューしてまだ間もない秋吉久美子さん(当時19歳)。

お二人とも登場してすぐに殺されちゃうけど、ひし美さんはヘソ出しルックの超セクシーなお姿で、秋吉さんはまだあどけない超キュートなお姿で、新人俳優=松田優作の記念すべきデビュー作に花を添えられてます。

『太陽にほえろ!』の長い歴史の中で、これほど華やかな顔ぶれが揃ったのは空前絶後かも知れません。

以降、2年目に突入した『太陽』は視聴率が30%を超える大人気番組に成長し、ゲストの知名度に頼る必要が無くなったせいか、マカロニ時代に比べると有名女優のゲスト出演が激減しちゃいます。

なので、この「女優列伝」もどんどんペースアップして行く事になりそうですw
 

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2 コメント

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Unknown (carp2563)
2019-03-23 10:51:04
マカロニの殉職ショックが冷めやらない中に登場したジーパンですが、太陽人気を決定ずけることになりました。よく見つけてきたと思います。ほんとに魅力的でした。マカロニ編は男の子が夢中になってましたが、ジーパン登場で女の子たちが騒ぎ始めるようになってきましたね。久美ちゃんのあっけらかんとしたキャラクターもよかったですね。ほかのメンバーに全然負けていなくて大活躍でした。ジーパンの登場で拳銃一発の重みが増したエピソードも増えました。一番夢中になったジーパン編の始まりですね。

ムーミン
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Unknown (harrison2018)
2019-03-23 11:51:15
まだまだ荒削りではあるにせよ、『太陽にほえろ!』が最も勢いづいて燃えてたのがジーパン期なのは間違いないですね。私が初めて『太陽~』と出逢ったのもジーパン期で、本当に衝撃的でした。自分の人生を決定づけた出逢いと言っても過言じゃありません。
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