ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『大都会 PART II 』#44

2019-10-27 00:00:13 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第44話『殺人捜査』(1978.1.31.OA/脚本=金子成人/監督=村川 透)

ホテルの浴室で津山という印刷業者(石川 敏)の遺体が発見され、事故死として処理されそうになるんだけど、丸さん(高品 格)がいくつかの矛盾点を指摘。殺人の可能性を察した黒岩デカチョウ(渡 哲也)の指示により、刑事たちは捜査を開始します。

すると津山が前夜、白木という外事省の役人(長谷川明男)と密会してたことが判明。津山の印刷所が倒産危機につき借金を申し込む為の会合なんだけど、よくよく調べてみると白木はかつて津山の一人娘と交際しており、彼女は白木に捨てられて自殺したらしい!

そう、津山は白木に対して恨みがあり、そのスキャンダルをネタにユスろうとし、白木は口封じのために津山を事故に見せかけて殺害した。だけど白木には完璧なアリバイがあり………

『大都会』シリーズとしては極めて珍しい、アリバイ崩しの本格ミステリー。どうせ最後は暴力で解決するんだろうと思いきや、あくまで地道な捜査を突き通し、クライマックスは刑事コロンボばりに罠を仕掛けて白木を自白に追い込み、パンチ1発も浴びせず逮捕したもんだから驚いた!

そう言えば冒頭、加害者=白木と被害者=津山の密会場面でドラマは幕を開け、殺害シーンまでは見せなかったものの、津山にユスられた白木が後に彼を殺すであろうことを暗示してましたから、かなり倒叙法に近い作劇なんですよね。

当時『刑事コロンボ』が大ヒットし、『太陽にほえろ!』でも山さん(露口 茂)に似たような事をやらせて話題作りしてましたから、ウチでもいっちょうやってみるか、みたいなノリで創られたエピソードなのかも知れません。

『西部警察』まで行っちゃうと普段とのギャップが激しすぎて成立しづらいけど、まだ人間ドラマの要素が残ってた『大都会 PART II 』だとそれほど違和感はなく、けっこう見応えがありました。こういう時には断然、丸さんみたいな「いぶし銀」の存在が光りますよね。

途中、徳吉(松田優作)が「もう面倒だから捜査打ち切りにしましょうや」とか「次に怪しいのが村川透子という女です」などとw、例によってアドリブと思わしき台詞を吐いたり、銀座のホステスのマンションへ聞き込みに行けばニヤニヤしながらパンティーを干すのを手伝ったり等w、適度にくすぐりを入れてくれるから謎解き一辺倒でも退屈しません。そこが他の石原プロ作品には無い『大都会 PART II 』の強みかと思います。

セクシーショットは、犯人=白木の婚約者を演じられた岡本ひろみ(岡本広美)さん、当時21歳。テレビドラマ初出演は『太陽にほえろ!』の第218話『殿下とスコッチ』で、以降『特捜最前線』や『大追跡』『西部警察』『Gメン'75』『噂の刑事トミーとマツ』『あぶない刑事』『ジャングル』等の刑事ドラマにゲスト出演、'90年代半ば頃まで活躍された女優さんです。
 

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