ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『Gメン'75』#240

2020-09-17 00:00:17 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第240話『'80新春おせち料理毒殺事件』

(1980.1.5.OA/脚本=高久進/監督=鷹森立一)

こちらは『Gメン'75』の1980年・正月第1弾。前回レビューした『太陽にほえろ!』#388の翌日に放映された作品です。

'80年代最初のお正月、本部で呑気に新春パーティーを開いていたGメンたちは、おせち料理に仕込まれた多量の青酸ソーダにより、危うくみんなで大霊界へと旅立ちそうになります。

おせちを持って来たのは田口刑事(千葉 裕)がよく通う喫茶店「柿の木」を経営する水上牧子(鳥居恵子)と亜子(遠藤真理子)の美人姉妹なんだけど、実際に料理したのは臨時で雇ったアルバイトの老婆だという。

自らバイト志願して来たその老婆を、名前も聞かずに雇った水上姉妹の大雑把さに呆れつつ、田口はじめGメンの若手刑事たちは必死に老婆の行方を探します。

一方、本部に残った黒木警視正(丹波哲郎)らベテラン勢は、おせちパーティーに備えて朝から何も食べてないもんでお腹がすき、出前の蕎麦を注文したらまた青酸ソーダが盛られてるもんだから驚いた!

その蕎麦屋もやはりバイト志願の老婆を雇っており、店主の証言から犯人は田中ヨシ(武知牡代子)と判明。彼女はかつて南雲警視(川津祐介)が捜査に参加した密輸事件で、運び屋として逮捕された男の母親なのでした。

Gメンたちはヨシを本部に連行し、地下取調室という名の拷問部屋で「青酸ソーダ入りのお茶を飲ませるぞ」と脅しw、犯行動機を吐かせます。

ヨシの息子は密輸品とは知らずに運ばされただけなのに逮捕され、それで人生が狂って自殺してしまった。その一方で輸送を命じた偉い連中(どうやら政府関係者らしい)には捜査が及ばず、未だ野放しのまま。ヨシは「日本という国を良くするため」に復讐を誓ったのでした。

「だから私たちは……」と言いかけて、ヨシは口をつぐみます。それで共犯者がいると睨んだGメンたちは、再び青酸ソーダ入りのお茶でヨシを拷問しw、ますます恨みを買う事になります。

共犯者の正体は、メッキ工場に勤めるヨシの孫娘、つまり自殺した男の娘である民子(沢井桃子)。喪服姿ですんなりGメン本部内に潜り込んだ民子は、黒木警視正と南雲警視に特濃青酸ソーダ水をぶっかけて大霊界送りにしようとするも、駆けつけた立花警部(若林 豪)たちに取り押さえられます。

「彼女たちの行為を、異常な行動と片付けるのは容易い。しかし、そう片付けてしまうことの出来ない、何かがある……」

黒木警視正はナレーションでしんみりとそう語るんだけど、直後のシーンで部下たちを全員引き連れ、喫茶「柿の木」で新春パーティーを仕切り直し、満面の笑顔でおせち料理を食い荒らすのでしたw(おわり)


前回レビューの『太陽にほえろ!』#388が「雑」な出来だと書きましたけど、『Gメン'75』の強引さと大雑把さに比べれば、全てのエピソードが緻密かつ繊細と言えそうですw

Gメンたちが最初に毒殺を免れたのは、島谷刑事(宮内 洋)が連れて来た野良猫がおせちを先に食べて死んだから。新春パーティーとはいえ野良猫をなぜ刑事部屋に連れて来る!?w

で、その次に青酸入り料理に気づいたのは、田口刑事が背広のポケットに入れてたハムスターが先に食べて死んだからw なぜ刑事がハムスターを連れ歩く!?w しかも、その死体を水上姉妹が道路へ投げ捨てて、それを食べようとした野良犬まで死んでしまう!w 現在なら動物愛護協会が抗議するより前に「炎上」必至でしょう。

横暴な国家権力に対する風刺を込めながら、主人公たちには青酸ソーダで老人を拷問させるというw、ある意味スジの通った警察描写もまた『太陽にほえろ!』じゃまず見られない「Gメン節」と言えましょう。

『Gメン~』も時代と共に作風が随分と軽くなって来たけど、根本はやっぱりハードボイルドなんですよね。やってることが正しいかどうかは別にしてw

国家権力の犠牲者に哀しい手錠を打った直後、おせちを食らってドンチャン騒ぎするGメンたちといいw、モラルに囚われすぎて身動き取れなくなってる七曲署とは何から何まで対照的。本放映当時はほとんど無視してた番組だけど、今となってはこの自由さが羨ましく思えてなりません。

セクシーショットは、田口刑事と恋仲になりそうでならない水上姉妹の妹=亜子役でセミレギュラー出演されてた遠藤真理子さん、当時19歳。

15歳の時にNHKの少年ドラマシリーズ『末っ子物語』と『ジュンのあした』で主役を演じられ、以降、現在に至るまで数多くのTVドラマ、そして舞台に出演されてます。

刑事ドラマは『夜明けの刑事』『噂の刑事トミーとマツ』『特捜最前線』『刑事物語'85』『はぐれ刑事純情派』等にゲスト出演。亜子役の他にもゲストで何度も呼ばれた『Gメン'75』は間違いなく最多出演作であろうと思われます。
 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『太陽にほえろ!』#388 | トップ | 『俺たちはあぶなくない』2020 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゲートウェイ高輪)
2020-09-17 07:36:50
つい先日、1979年当時のCMに出ている遠藤真理子さんの動画をたまたま観て「美人だなぁ」と思っていたら、なんたるグッドタイミング(笑)有り難うございます😃⤴️
返信する
Unknown (harrison2018)
2020-09-17 10:13:28
今になって'79年の遠藤真理子さんの映像を観る人はごく限られてるでしょうから、本当に凄い偶然ですねw

プロデューサーがかなり礼儀とかに厳しそうな『Gメン』に何度も呼ばれてる遠藤さんは、きっと性格も素晴らしい方なんだろうと思います。アイドル歌手にも負けないルックスだし、売れて当然の方ですね。
返信する

コメントを投稿