1973年2月から翌年2月まで、NET系列土曜夜9時半からの30分枠で全52話が放映された、毎日放送&東映の制作による特撮ヒーロードラマ。ご存じ『仮面ライダー』シリーズの第2弾です。
前作『仮面ライダー』の直接的な続編として制作され、立花藤兵衛(小林昭二)と「少年仮面ライダー隊」は引き続きレギュラー出演、この第1話と第2話には仮面ライダー1号=本郷 猛(藤岡 弘)&2号=一文字隼人(佐々木 剛)もゲスト登場してます。
主人公=風見志郎(宮内 洋)は城南大学・生物学部の学生で本郷猛の後輩という設定。悪の新組織「デストロン」の悪事を目撃した為に命を狙われ、目の前で両親を殺されてしまい、復讐を誓って本郷&一文字に自ら改造人間手術を志願するというハードな展開。
仮面ライダーの能力を復讐に使わせるワケにはいかず、一度は断った両先輩だけど、自分たちをかばってデストロンの攻撃を受け、瀕死状態となった風見を救うため改造手術を決断。
結果、1号の「技」と2号の「力」を併せ持つ3人目の仮面ライダー「V3」が誕生! 1号&2号は原子爆弾を装備した怪人「カメバズーカ」と共に自爆、日本の平和をV3に託して消息を絶ってしまうのでした。(もちろん、シリーズが続くかぎり仮面ライダーたちは死にません)
私はリアルタイムで『太陽にほえろ!』を観始めたのが2代目新人刑事=ジーパン(松田優作)の時代からで、初代=マカロニ(萩原健一)の活躍は再放送で後から観たんだけど、仮面ライダーもたぶん『V3』でハマって1号&2号は再放送による後追いだったような記憶があります。もしかしたら前作の途中から観てたかも知れないけど、本格的にハマったのはV3から。同世代にはそういう方が多いんじゃないでしょうか。
シリーズ初期の怪奇色は残しつつ程よい明るさで、まあ「少年仮面ライダー隊」なんてダサい連中は出てくる(私は少年時代からそういうのは嫌いでした)けど、どんどん幼年層向けになっていく昭和ライダーの中じゃV3が一番バランスが取れてたような気がします。
それには主役=宮内洋さんのスマートな魅力もかなり効いてましたよね。一見クールでありつつ、それこそ1号=藤岡さんの熱さと2号=佐々木さんの実直さも併せ持った感じで文句なくカッコよかった。男子はやっぱりカッコいい人に自己投影したいもんだし、もしかしたら女子の支持も集めてたかも知れません。あと、V3の愛機「ハリケーン号」も歴代ピカイチのスマートさで、OP主題歌も格好良かった。
そんなこんなで『V3』は全シリーズ中でも屈指の人気を誇り、宮内さんは続いて『秘密戦隊ゴレンジャー』や『怪傑ズバット』等でもスーパーヒーローを演じられ、このジャンルを代表する俳優さんになって行かれます。
しかし久々に観ると、火薬量の多さにとにかく驚かされます。OPタイトルからして爆破!爆破!の連続で、敵怪人の最期も必ず爆破! 前作初期におけるシャボンが蒸発するみたいなチープな死に方とは雲泥の差でw、大ヒットを受けて予算が大幅アップされたことが伺えます。特撮ヒーローのジャンルそのものがイケイケの時代でした。
もう1つ気づいたのが、先に敵が現場にいて、後からヒーローが現れる時、いちいち物陰で「ムハハハハハ!」って笑い声を上げてw、敵に「誰だっ!?」って言わせてから登場するんですよね。
『黄金バット』あたりからの伝統なのか『V3』独自の演出なのか分からないけど、今となっては「なにが可笑しいねん?」ってツッコミたくなりますw 宮内さんがまた上手いんですよね、相手をバカにしたような笑い方がw どの番組あたりまでこの風習が受け継がれてたのか、調べてみたいけど時間がありませんw
そんな感じで昭和の番組ならではのツッコミどころは多々あれど、『仮面ライダーV3』は今観直してもカッコいいです。
『V3』と言えば「ライダーマン」の存在も忘れ難いけど、調べたら最終クールの9話分しか登場してないんですね。それでもよく憶えてるんだから、よっぽどインパクトがあったんだろうと思います。
そしてミニスカート姿が眩しいポートレートは、ヒロイン=珠純子を演じられた小野ひずるさん、当時18歳。芸能活動は約5年と短く、その間に『太陽にほえろ!』の第218話『殿下とスコッチ』にゲスト出演されてます。
あと、8枚目の画像で小野さんと一緒に写ってる少女は、風見志郎の妹=雪子を演じられた関口英利子さんです。