ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『西部警察』最終回スペシャル―2

2018-12-19 12:00:05 | 刑事ドラマ'80年代








 
さて、この最終回スペシャルは、さすが最終回でスペシャルなだけあって、ゲスト出演陣がとても豪華でした。

国際テロ組織「鷹の眼」のリーダーに原田芳雄、メンバーに中村晃子、小林稔侍、倉田保昭、黒部 進、深水三章etc。

そして警察関係者に宝田 明、小野武彦、TVキャスターに武田鉄矢、人質となる政府要人に山村 聰、といった顔ぶれ。

このメンバーだけで刑事ドラマが創れちゃいますよねw 原田芳雄さんが大門団長(渡 哲也)で、宝田 明さんが木暮課長(石原裕次郎)のポジション。小野武彦さんは元々『大都会』シリーズのレギュラーだったし。

テロリストのリーダー役は当初、『大都会 PART II』でレギュラーを務めた松田優作さんにオファーされたそうで、優作さんは「フィクションとは言え渡哲也さんを殺す役は出来ない」と固辞されたんだとか。

それは半分建前で「今さら荒唐無稽な刑事物はやりたくない」っていうのが本音だったろうとは思いますが、優作さんが渡さんに心酔されてたのは事実みたいです。

そんな優作さんの兄貴分だった原田芳雄さんが代役を引き受け、後の『ゴリラ/警視庁捜査第8班』初回スペシャルでもテロリストを演じられましたが、やっぱ圧倒的な迫力と存在感がありますよね。

平成復活版『西部警察SPECIAL』のテロリストは神田正輝さんでしたが、ちょっとムリを感じました。貫禄うんぬんよりも、こういう役には野性味が絶対不可欠で、そういう意味でも神田さんは裕次郎さん寄りの役者さんだと思います。裕次郎さんにもテロリストは似合いませんから。

舘ひろしさんは意外とこういう悪役をやられてないですよね。テロリストに定年は無いでしょうから、是非いっぺん観てみたいです。

ところで、優作さんは「渡さんを殺す役は出来ない」との理由でオファーを断られたワケだけど、実際に団長を殺したのはテロリストのリーダーじゃなくて、その愛人らしき女(中村晃子)だったりします。

確かに原田さんの弾丸を浴び、さらに爆発の衝撃も受けて団長は満身創痍だったけど、トドメの1発を浴びせたのは中村さん。その直後、怒り狂った団員たちに蜂の巣にされちゃいますけどw

中村晃子さんは当時36歳。『虹色の湖』や『砂の十字架』等のヒット曲を持つ歌手のイメージが強いけど、元々は松竹映画でデビューし、田村正和さんとのコンビで売り出された女優さん。

刑事ドラマは他に『七人の刑事』と『特捜最前線』にゲスト出演。'90年代は主戦場を舞台演劇に移し、声優としてもファラ・フォーセットやウーピー・ゴールドバーグ等の吹替えで活躍されました。
 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『西部警察』最終回スペシャル―1

2018-12-19 00:00:14 | 刑事ドラマ'80年代






 
1984年の10月に放映された『西部警察』シリーズの最終回(3時間スペシャル)です。当時のメインタイトルは『さよなら西部警察』でした。

国際的なテロ組織「鷹の眼」と西部署「大門軍団」の死闘を描き、パリ、北海道、九州へと舞台を移し、とにかく3時間ひっきりなしにドッカン!ドッカン!またドッカン!!と、色んな物が爆発しまくりますw

人質を取ったテロリスト(原田芳雄)の要求により警察の完全撤退を命じる日本政府に楯突き、身代金を強奪し、辞職どころか死を覚悟して人質救出に向かう大門団長(渡 哲也)。

もちろん、団長の為なら喜んで命を捧げる軍団の部下たちも同行、木暮課長(石原裕次郎)も捨て身で上層部に掛け合いバックアップと、『西部警察』ならではの「燃える展開」を全て盛り込んだ、まさに総決算的な内容になってます。

さらに、団長の可愛い可愛い妹=明子(登 亜樹子)が事もあろうに、よりにもよって「ジュン」こと五代刑事(石原良純)と結婚する!という驚愕の展開も用意されており、世の中で最も強いものは「コネ」なんだというシビアな現実も描かれます。

もちろんジュンには天罰が下り、さぁこれからって時に胸を撃たれて入院するという超ダサい展開が用意され、我々視聴者は溜飲を下げますw 普通ならそこで盛り上がるんだけど良純さんの場合は笑いを誘う。撃っても撃たれてもダサい、何をやってもとことんダサい良純さん。

そしてメインイベントは言うまでもなく、大門団長の壮絶なる殉職劇。石原裕次郎さんがアドリブによる熱演で素の涙を見せてくれます。が、約20年後に団長の死は無かった事にされちゃいますw(パラレルワールドなんだそうです)

「いい大人が、サングラスなんか掛けてピストルを撃ちまくる……そりゃ照れますよ」って、渡哲也さんは自虐的にコメントされてたし、放映当時は若かった私も、半ば笑いながら観てた記憶があります。

でも今あらためて観ると、いい大人が真剣に現実離れした事やってるからこそ、胸を打たれるものがあるんですよね。これだよ、これ!って。

ドッカンドッカンまたドッカンって、軽く書いちゃいましたけど、全てCGじゃない本物の爆破ですから、撮影現場は真剣そのもの。ちょっとでも気を抜けば取り返しのつかない事故に繋がっちゃう世界です。(実際、後の復活版では新人俳優が見物客を車で撥ね飛ばし、撮影が進んでた連ドラの新シリーズがお蔵入りになりました)

近作の『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』なんかは本当に素晴らしいアクションを見せてくれたけど、爆破だけは残念ながらCG処理で迫力ゼロでした。そこはホントに、伝わって来るものが違う。全然違うんです。

いい大人がサングラスなんか掛けて、この日本でショットガンを撃ちまくり、スーパーマシンを乗り回す。確かに当時は子供じみて見えたけど、今となってはこれぞ本物のプロフェッショナル!って思います。

「団長、命!」ってな極道じみたスピリットだけは今でも苦手だけどw、この桁外れにスケールのでかいアクションだけは、今の若い世代にも観て欲しいと思いますね。

パート2から大門明子を演じた登亜樹子さんは、当時22歳。これがデビュー作で約2年間レギュラーを務められたけど、後に同じ石原プロのドラマ『ただいま絶好調!』第7話にゲスト出演した以外、女優としての活動はされてない模様。良純さんがダサかったせいです。

その後は本名の「登 静江」名義でタレント、モデルとして活躍されてます。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする