ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』1983~1984

2018-12-21 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY









 
#562 ブルース刑事登場!

藤堂一家=七曲署捜査第一係は基本7人なんだけど、’80年にスコッチが復帰してからは8人体制になる事も多く、ロッキー&長さんが同時退場して以来、約1年ぶりに8番目の刑事が登場する事になりました。

ボギー(世良公則)がマカロニ2号で、マミー(長谷直美)がシンコ2号とするならば、次に来るのは当然ジーパン2号でしょって事で、岡田晋吉プロデューサーは確信犯的にジーパン=松田優作的な俳優を探しておられたんだそうです。

又野誠治さんはまさに、出来過ぎな位うってつけな人材ですよねw このタイミングでこんな役者さんが文学座にいたなんて!

文学座ってのは杉村春子さんが主宰する大手劇団の名門で、松田優作、宮内 淳、山下真司、渡辺 徹、後の浜田 学(平成復活版)と、『太陽にほえろ!』の新人刑事は文学座で発掘される事が多いんですね。

それはともかく、アクション派の新人刑事の加入は嬉しかったです。実際、又野さんは格闘技に精通しておられ、パンチがあまりに速すぎて映像に映らないから、加減するようカメラマンから注意される程だったそうです。

ブルース=澤村 誠は登場して早々に暴力団員たちを病院送りにし、ボギーから「お前のあだ名はモンスターだ」と命名されるも「俺、ブルースがいいです」って、自ら主張して譲らない頑固さも発揮、長さん(下川辰平)から「自分で決めるヤツがあるか!」とたしなめられる始末。

あ、ブルースは警察学校教官になった長さんの教え子って事で、1年ぶりに下川さんも顔を見せてくれました。そこにいるだけでホッとさせてくれる癒し効果は長さんならでは。その存在価値をあらためて実感させられました。

ブルースが加わり、ボギーが殉職するまでの半年間が、私にとって『太陽』後期のベストメンバーだったように思います。やっぱりアクションがサマになるメンバーが揃ってると、番組自体もアクティブになりますからね。

実際、ブルースのお陰で『太陽』初期を彷彿させるハードアクション路線が復活してくれて、私は又野さんに大感謝です。ただ1つだけ問題だったのは、又野さんがあまりに優作さんを意識し過ぎてた事でしょうかw

ルックスも良いし立ち回りも抜群なのに、どうも世間から過小評価される傾向があったのは、たぶん「松田優作の劣化コピー」みたいなイメージで見られてたからだと思います。

でも、その活躍をちゃんと観ていれば、ブルースとジーパンは全く違うって事がよく判るし、又野誠治ならではの格好良さや面白さが発見出来た筈です。ろくに見てないヤツに限って悪口を言いやがるんですよね。ちゃんと見てから物を言え! (乳首)

なお、ブルースは登場した時点で既に妻帯者で、渡瀬ゆき扮する妻=泉との愛妻物語は『太陽にほえろ!PART2』まで続けて描かれる事になります。


#563 たすけて!

文学座での関係そのまんま、先輩ラガー(渡辺 徹)&後輩ブルースのコンビが活躍します。メインゲストも文学座の鈴鹿景子さん(2人より先輩)でした。

私から見るとラガー&ブルースって、歳が変わらない(実年齢は又野さんの方が1つ上らしい)せいか、あまりバランスの良いコンビには見えなかったです。後に徹さんがもっと太ってから、キャラの区別がハッキリして面白くなりましたけどw、ブルースは歳の離れたドック(神田正輝)やボギー、あるいは後の後輩=マイコン(石原良純)と組む方がしっくり来る感じです。

内容は、道端で「たすけて」と書き殴られた紙切れを拾ったラガー&ブルースが、それを窓から放り投げた主を探し回るという地味なストーリーながら、大都会における孤独の痛みがよく伝わってくる良作でした。

脚本を書かれた亜槍文代さんは、ライター仲間の大川俊道さんが締め切りに追われ、缶詰め状態だったホテルの窓から外に向かって「助けて……」と呟いた経験談を聞いて、このストーリーを思いつかれたんだそうですw


#565 正義に拳銃を向けた男

その大川俊道さん脚本によるブルースのハードアクション編。家族を殺された遺族の復讐を新人刑事が阻止しなくちゃならない話は『太陽』の定番なれど、復讐しようとした人間が既に死んでて、事件とは無関係なタクシー運転手がその遺志を引き継いじゃう展開がユニークでした。

大川さんはジプシー登場後に『太陽』で脚本家デビューされ、主にボギーやブルースのアクション活劇で才覚を発揮された人です。

そして『太陽』終了後、ボギー=世良さんとブルース=又野さんを主役にした東映Vシネマ第1弾『クライムハンター』の脚本・監督を務め、衰退の一途だった和製アクション映画の新たな活路を開拓される事になります。

その時点じゃ一般視聴者の1人に過ぎなかった私ですが、それから数年後に縁あって、大川さんと又野さんに直接お会いする機会に恵まれました。

コワモテの又野さんには正直ビビりながらも、思い切って「ブルースのファンでした」って告白したんだけど、「あ、そうスか」みたいな薄ーいリアクションでしたw

その翌年に又野さんは自殺され、私は葬儀に参列しました。あれだけの存在感とアクションのスキルを持った貴重な俳優さんだったのに、時代がそういう才能を必要としなくなっちゃったんでしょうか。それが自殺の原因なのかどうか分からないけど、とにかく残念で仕方ありません。


#567 純情よ、どこへゆく

リアリストで合理主義のドックと、純情・熱血路線のボギーが対比して描かれるダブル主演作。本当に対照的なキャラクターゆえ、組み合わせの妙が実に楽しい名コンビです。

感情に任せて容疑者を追うボギーを、あえて泳がせる事で真犯人を油断させるというドックの狡猾さは、番組初期のエピソード(第7話)『きたない奴』におけるボス(石原裕次郎)とマカロニ(萩原健一)の関係を彷彿させました。


#574 冒険の海

海底に沈んだ金塊をめぐる争奪戦が描かれた海洋アクション編で、スポーツ万能のドック=神田さんがスキューバダイビングの腕前を披露します。

だけど何より本作は、後のハリウッドスターにして杏さんのパパ=世界のケン・ワタナベこと渡辺謙さんが、デビュー間もない頃の初々しい演技を見せてくれてる点が、今となっては最大のトピックと言えましょう。


#574 誘拐

『太陽』2本目の90分スペシャルは、なんとマクベインの『キングの身代金』をアクションたっぷりにアレンジした、最初で最後の原作モノ。同じ原作による黒澤映画『天国と地獄』で三船敏郎さんが扮した社長役を、ここでは高橋幸治さんが演じておられます。

サスペンスとしての出来映えは正直イマイチだった気がしますが、現在は原作の映像化権が他所に移っちゃった為、DVD-BOXに収録出来ないレアな作品となりました。(CS放映は大丈夫みたいですが)


#575 向い風

幼児が連れ去られ、数時間経つと満腹になって帰って来るという怪事件がマミー宅の近所で頻発し、実は刑事であるマミーの子供を狙った復讐に巻き込まれてるのでは?なんて言う主婦たちの誹謗中傷に晒され、苦悩するマミー。

「公園デビュー」なんて言葉が当時あったかどうか判りませんが、ご近所付き合いの難しさに悩む主婦としてのマミーを描いた、これも女性ライター・亜槍さんならではの作品。

また、幼少時におやつを食べさせてもらえなかった高校生という犯人像もユニークで、演じたのは映画『転校生』で注目を浴びたばかりの尾美としのりさんでした。


#576 刑事・山さん

ブルースが行き過ぎた捜査で容疑者を事故死させてしまい、山さん(露口 茂)の鉄拳を浴びます。又野さんたっての希望により、露口さんは本当にパンチを当ててるんだけど、殴った山さんの方が痛そうに見えちゃいますw

「刑事が本当に命を懸けるのは、犯人を断定する時だと、私はいつも思っている」……亡きゴリさん(竜 雷太)に代わって、山さんが新人ブルースに刑事魂を叩き込む、初期『太陽にほえろ!』を彷彿させるエピソード。


#578 一係皆殺し!

暴力団による覚醒剤の取引現場を押さえた藤堂チームに、ひとり逃げ延びたチンピラ(中西良太)が「男になる」為に報復を企て、一係全員を皆殺しにしようとします。

ボギーがライフルで撃たれ、トシさん(地井武男)が爆弾で負傷するというハードな展開で、ブルースのアクションもふんだんに盛り込まれてます。

チーム全員を標的にした復讐の話って、これまでの『太陽』にはありそうで無かった発想だと思います。こんな話ばかりの『西部警察』シリーズがw、同時期にヒットしてた影響もあるかも知れません。


#581 逃げない男

他局のドラマ『北の国から』で地井さんと共演し、すっかり仲良くなったガッツ石松さんがプロボクサーのトレーナー役でゲスト出演。

トシさん編ながら、ブルースがボクシングをやってる設定も生かされ、クライマックスは容疑者のボクサーとブルースがリング上で打ち合う、本格的なボクシングシーンが描かれてます。

もちろんガッツさんが現場でボクシング指導を引き受け、又野さんには「充分プロでも通用するよ」と太鼓判を押されたんだとか。その際に「オーケー牧場」と言ったかどうかは定かじゃありませんw(当時はそんなキャラじゃなかったですよね)


#583 三人の未亡人

警官である夫が銀行強盗犯に射殺され、未亡人となった友人から「仇を討って(殺して)」と懇願されたマミー自身も、かつて夫=ロッキー(木之元 亮)を犯人に殺された未亡人。

友人が味わってる無念への共感と、捜査に私情を挟んじゃいけない刑事としての使命。その狭間で揺れるマミーですが、最終的には犯人をやむなく射殺し、その妻をも未亡人にしてしまう。

一係に着任して以来初となる、マミーのハードアクション編。ほろ苦い犯人射殺という『太陽』伝統の儀式が描かれつつ、彼女をサポートする後輩ブルースの頼もしさも光る、名エピソードです。


☆1984年

ブルースが登場してからボルテージの高い作品が続々と登場し、特にこの年明けから春のボギー殉職編にかけてはハイテンションな作品が多く、ゲストの顔ぶれも豪華で、後期『太陽』の中で最も充実したクールだったように思います。画面から熱気が伝わって来ましたからね。


#585 ボギー名推理

人気女性作家を殺したのは、その夫であるジャーナリスト(深水三章)だと確信したボギーが、彼の完璧なるトリックとアリバイを崩すべく、生まれて初めて頭を使った捜査にチャレンジしますw

だけどやっぱり山さんみたいに上手くはいかず、決定的な証拠がどうしても掴めない。ほくそ笑むジャーナリストに、なんとボギーは証拠も無いまま、クビを覚悟で手錠を掛けちゃいます。

「お前のたった1つの誤算はな、俺みたいにバカな刑事がいる事を予測しなかった事だ!」

ムチャクチャな言い草だけどw、ボギーならやりかねない。いや、ボギーにしか出来ない芸当とも言える、彼のキャラクターがよく活かされた異色の謎解きサスペンス。


#590 怪盗107号

日本では唯一無二かも知れない、女性アクションスターとして当時人気絶頂だった、志穂美悦子さんがゲスト出演。

昼間は美人の歯医者さん、夜は美術品のみ狙うスタイリッシュな「怪盗107号」に大変身!と、やはり当時人気だったアニメ『キャッツ・アイ』を彷彿させるキャラクターで、ドックと対決します。


#591 ボギーの妹?

ある朝ボギーが目覚めると、なぜか1つ屋根の下で見覚えのない美少女(川田あつ子)と2人きりだった! しかも美少女は鼻にかかった可愛い声で「お兄ちゃ~ん」と甘えて来るのだった!

……とまぁ、まるで少年誌かエロ同人誌の漫画みたいなお話ですがw、まぎれもなく『太陽にほえろ!』、しかもボギー編です。主人公は世良公則なのです。

実はボギーを殺すつもりだった彼女。だけど鈍器で頭を殴られた衝撃で記憶喪失になってしまったボギーを、なぜか彼女は自分の部屋に連れ帰り、妹になりすまして面倒を見ているのでした。

彼女は一体何者なのか? なぜ、殺すつもりだったボギーを兄として慕うのか? やがて記憶を取り戻したボギーは、彼女の目的を探る為にそのまま兄妹ごっこを続けるのですが……

当時の刑事ドラマって、このテの美少女(今で言う萌えキャラ?)が登場しても、演じる若手女優に華が無くてゲンナリしちゃうパターンが多かったんだけど、この川田あつ子さんは本職バリバリのアイドル歌手で、説得力がありました。ちゃんと可愛かったし、演技も素晴らしかった! 萌えますw

ゆえに好評だったのでしょう、彼女は以後も何度かゲストで呼ばれ、ラガーやマイコン(笑)らと絡む事になります。


#592 空白0.5秒

人質を取って立てこもった強盗犯(氏家 修)を、何とか説得しようとするラガー。母親(根岸明美)が駆けつけたその時、犯人は戦意を失ったように見えたのに、ブルースのライフル狙撃によって即死してしまう。

ラガーは説得に成功したつもりだった。でもブルースは、犯人がラガーを撃とうとしたと主張する。その瞬間の約0.5秒、ラガーは母親に気を取られて犯人の動きを見ていなかった!

犯人射殺というブルースの判断は、果たして正当だったのか? 彼の刑事生命にも関わる査問委員会で、ラガーは本当の事を言うべきか否か葛藤し、苦悩します。

銃弾1発を重く扱う『太陽』ならではの話で、テキサス編『跳弾』、スコッチ編『刑事失格!?』、ゴリさん編『射殺』の系譜に入るエピソードと言えましょう。

「ありのまま話せ」と言うボスと「てめぇ仲間を裏切る気か!?」と真っ赤になって怒るボギー。その板挟みになったラガーが気の毒過ぎて、痩せちゃうんじゃないかと心配しましたw


#593 ジプシー再び

いずれ復帰する事を前提に降板したジプシー刑事=三田村邦彦さんでしたが、結果的にはこの回のゲストが最後の出演となりました。世良公則さんと特に仲良しだったそうで、殉職間近なボギーにジプシーがエールを送りに来たような、2人のダブル主演作。

番組初期のマカロニを彷彿させるバイクアクション等、ジプシーのアクティブな活躍がタップリ堪能出来る痛快作で、七曲署にいた1年間の消化不良をようやくこの回で晴らしてくれました。


#595 マミー激走!

マミー刑事=長谷直美さんはドライビングのA級ライセンス保持者って事で、普段から吹き替え無しで華麗なテクニックを披露されてましたが、本作はそれを最大限に活かしたエピソード。

執拗にスピード対決を挑んで来る過激なカーマニア(古城裕章)に対抗すべく、チューンナップ仕様の覆面パトカーをマミーがぶっ飛ばします。


#597 戦士よさらば・ボギー最後の日

当初は1年で降板するつもりだった世良さんですが、視聴者や共演者からの熱いラブコールに応えて、更にプラス半年間活躍してくれました。お陰でマカロニ2号とジーパン2号の共演が観られて、私は本当に嬉しかったです。

登場編と同じく殉職編もマカロニを彷彿させる、ナイフによる刺殺。「ぶざまに死にたい」との希望通り、’70年代的な「犬死に」が演出されたものの、何をやってもサマになり、格好良く見えちゃう所が世良公則たる所以であります。

ところで私は、このボギー殉職編が放映された翌日、東京へと旅立ちました。日大芸術学部の映画学科を目指して予備校に通う為、新聞奨学生として東京の新聞店に下宿する事になったからです。

ゆえに、もう『太陽にほえろ!』が観られなくなるのを覚悟してました。ボギー殉職と同時にマニア卒業ってのも、なかなか劇的なお別れかもなぁって、その時は感傷に浸ってたのですが……


#598 戦士よ眠れ・新たなる闘い

ところがどっこい、店内にはちゃっかりテレビが置かれてて、誰も反対する人がいなかったもんだから、ボギーの仇討ち編は同僚達と一緒に観たのでしたw

ブルースの立ち回りを観た先輩店員が「パンチ、速っ!」って驚いてるのを聞いて、私は何だか鼻が高かったですw 女性の先輩は「スッポンさんが好き」って言ってたしw つまり地井武男さんの事ですが、先輩って言ってもまだ20歳なのに「(好みが)渋いなぁ」って、妙に感心させられたもんです。

この仇討ち編は殉職編以上にボルテージが高く、そのシンプルな作劇とキャスト陣の熱演が観る者の心をストレートに熱くしてくれる、『太陽』後期の最高傑作じゃないかと私は思ってます。

そんなワケで、またしても私は『太陽』マニアを卒業し損ないました。しばらくするとアパートへの引っ越しも許可され、自室で落ち着いて観られるようにもなりました。だからこの時期の『太陽』を観直すと、東京での浪人生活を思い出さずにいられません。あの頃、私は若かったw


#599 殺人犯ラガー

ハードな作品が続きます。ラガーに彼女が出来るんだけど、交際に猛反対してた父親が殺害され、ラガーに容疑が掛かっちゃう。もちろん真犯人は別にいて、彼女を守る為に壮絶なリンチを受けたラガーは、一時的に失明したまま敵と闘う羽目になっちゃいます。

ラガーの眼となり必死にサポートする恋人を演じたのは、伊藤真奈美さん。なかなか可憐で良い雰囲気だったのに、出番はこれ1度きりになっちゃいました。女性ファンが許しませんからねw

このエピソードから約半年間、ラガーが主役の回は観られなくなります。渡辺徹さんが同じ日テレ系の連ドラ『風の中のあいつ』に主演する為ですが、『太陽』の出演期間中における他番組での主演は異例中の異例で、当時のラガー人気が如何に凄かったかが伺えます。


#600 七曲署事件No.600

ボギー殉職から半年間は欠員補充が無く、新人刑事ブルースをフィーチャーした作品が目立つようになります。100~500回の節目にはもっぱら、一係メンバー全員が活躍するイベント性の強いエピソードが組まれて来たのですが、この第600話はブルースのほぼ独り舞台となりました。

服役中の凶悪犯の恋人だった女が、その男と手を切りたくてブルースと婚約したなどと嘘をつき、逆上した男が女とブルースを殺す為に脱獄する。あえて自ら標的になるブルースだけど、実は女には別の目的があり……

ストーリーはありがちながら、女を演じる秋野暢子さんがさすがに巧くて、非常に見応えあるハードアクション編に仕上がってました。やっぱ役者の力は大きいよなぁって、あらためて実感させてくれる作品です。


#605 離婚

奥さん(吉野由樹子)と別居状態だったトシさんが、とうとう離婚しちゃいます。お互い、嫌いで別れるワケじゃない。だけど、刑事の仕事を何より優先せずにいられない夫、いつそれで命を落とす事になるか分からない夫との生活に、奥さんはどうしても耐えられなかった。

’70年代、何ひとつ文句を言わないどころか、そんな夫を誇りに思ってさえいてくれた、山さんや長さんの奥さん達… 時代です。すっかり時代が変わったのです。

TVドラマは「時代を写す鏡」と言われますが、同じ作品の中でこれだけの変化が見られるのって、長寿番組ならではの面白さですよね。トシさんにはホント気の毒だけどw


#608 パリに消ゆ
#609 モンブラン遥か

12周年記念作品ですが、七曲署は一体、何の権限があってフランスからスイスくんだりまで捜査網を広げられるのか?w 日本のTVドラマでは初めてと言うオリエント急行ロケも話題になりました。犯人役は長塚京三さん。


#617 ゴリさん、見ていてください

ゴリさん(竜 雷太)が亡くなってから2回目の命日が近づき、自分と同じ「誠」って名前だったゴリさんみたいに、果たして自分は一係の役に立っているのか?なんて、柄にもなく悩むブルース。

そんな折、サラ金強盗犯(内藤剛志)にマミーが撃たれた上に、籠城の人質にされてしまう。一緒に行動してたブルースの、怒りと焦りと自責の念。「こんな時、ゴリさんならどうするだろうか?」

登場から丸1年経って、間もなく後輩刑事を迎える事になるブルースを、かつての新人教育係だったゴリさんが、そこに居ずして叱咤激励するみたいなエピソードです。

しかもマミーが撃たれ、その夫だったロッキー(木之元 亮)まで回想されて、ちょっと盛り沢山すぎて焦点がボヤけちゃったきらいはあるものの、長年のファンに対する創り手の気配りが嬉しい回でした。

……さて! ボギー殉職からしばし空席だった8人目の枠に、いよいよあの男がやって来ます。七曲署史上、最もインテリで、だけど最もダサい、あの男が! w

(つづく)
 
コメント (4)
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