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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『特捜9』3―#01

2020-04-09 23:33:06 | 刑事ドラマ2000年~










 
『警視庁捜査一課9係』シリーズから通算すると15シーズン目となる、人気作の新シリーズがテレビ朝日系列の水曜夜9時枠でスタートしました。

井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、山田裕貴ら警視庁捜査一課「特別捜査班」のメンバーは不動。ただし前作で降板となった寺尾聰さんに代わり、新班長として中村梅雀さん扮する国木田主査が広報課より着任する模様。

かつては捜査一課第6係の係長も務めた敏腕刑事なのに、ある事件の責任を取って自ら広報課への異動を希望。今回の特捜班長への就任も頑なに固辞したのに、警視総監(里見浩太朗)による「思い上がるな! これは命令だ!」とのパワハラ発言に屈し、渋々引き受けたという経緯があり、何やら重い十字架を背負った謎多きキャラクターみたいです。

渡瀬恒彦さん、寺尾聰さんが歴任した二枚目ポジションでありながらコミカルなお顔立ちでw、笑わせるのも得意な役者さんなのに、そんなダークなキャラで使うのは勿体無いんじゃ?って思うけど、まだ登場されたばかりなので何とも言えません。メンバーに馴染み、砕けていくにつれ本領を発揮されるのかも知れません。私はそれを期待します。

ストーリー自体はごくスタンダードな謎解き物ですから、さして面白いと私は思いません。それはイチオシ『警視庁・捜査一課長』シリーズも含め今どきの刑事ドラマ全てに言えることです。

そこはもう、そういう時代なんだと割り切った上で、それでも何とか面白く見せようっていう工夫が如何に成されてるか、そこを見比べて評価することに私は楽しみを見いだしてます。

その点で言えばこの『特捜9』シリーズは『警視庁・捜査一課長』シリーズの次ぐらいに評価してますし、同じテレ朝の人気シリーズでも『刑事7人』なんかは最低レベルだと私は思ってます。あくまで個人の裁定で好みの問題です。

『特捜9』の面白さは過去の記事にも書いた通り、チームが個性バラバラで全然一枚岩になってないのに、それぞれのスペックが絶妙に噛み合って「結果的に」見事なチームワークで事件を解決しちゃう、徹底して「アンチ体育会系」なノリ。だから日曜劇場みたいな「臭さ」が微塵もなく、コミカルでありつつハードボイルドなんですよね。

3組のコンビがバラバラに動きながら1つのゴールに向かう様が、今回は分割画面を駆使することで強調されており、一致団結するだけがチームワークじゃないんだっていう創り手のメッセージも感じられます。やたら「ワンチーム」を連呼する風潮にうすら寒さを覚える私としては、そういう部分にも共感せずにいられません。

とはいえ、基本的にやってることは謎解きゲームですから、毎週欠かさずに観るほどハマることもありません。時間が空けば観る、観れば確実にそこそこ面白い。私にとって『特捜9』はそういう番組です。

セクシーショットは、バラエティー番組『ミラクル9』とのコラボでゲスト出演された、AKB48の大家志津香さん。ほか、中越典子、原沙知絵、宮近海斗、飯田基祐etc…といったレギュラー&セミレギュラー陣も続投されてます。
 

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『不協和音/炎の刑事vs氷の検事』2020.3.15

2020-03-25 00:00:13 | 刑事ドラマ2000年~










 
テレビ朝日系列「日曜プライム」枠で先日放映された、大門剛明さんのミステリー小説『不協和音』をドラマ化した単発2時間スペシャル。

熱血刑事とクールな検事が対立しながら共に事件を解決する話ってことで、シリーズ化がほぼ絶望視されてる『ケイジとケンジ』の代替企画なのかな?って一瞬思ったんだけど、こちらは去年撮影された作品のようで、単なるネタ被りですねw

でも、これはこれで面白かったです。

かつて自白強要により冤罪を引き起こしたと世間から糾弾され、その真相を語らぬまま急死した刑事(丸山智己)の幼い息子2人が、それぞれ別の親類に引き取られて21年後、刑事と検事になって運命の再会を果たします。

亡き父への憧れから月島東署の刑事になった叩き上げの兄=祐介(田中 圭)と、父を否定する立場から検事になったエリートの弟=真佐人(中村倫也)。対照的な道を歩みながらも、父が間違ってなかったことを信じたい想いは同じだったりする。

そんな二人が、一筋縄じゃいかない容疑者たちと向き合い、その本心を読み解くことで、父の心情をも理解していくというストーリー。

まさに旬の俳優となった田中圭くんが安定の演技で熱血刑事をチャーミングに演じる一方、これまで何だかフワフワした役が多かった中村倫也くんが、スコッチ刑事にも匹敵するクールさとシャープさでエリート検事を見事に演じてます。お二人とも本当に上手い!

さらに、何かと祐介に絡む熱血弁護士に趣里、本庁捜査一課の警部補に杉本哲太、月島東署の署長に中島一之、祐介の後輩巡査に笠松将、そして先輩巡査に生瀬勝久、その妻に多岐川裕美が扮するほか、木下ほうか、岡部たかし、川島潤哉、板倉チヒロ、小野寺晃良etc…といった実力派キャストが脇を固めます。

これだけ演技力のある役者が揃うと見応え充分。ちょっと神木隆之介くんに似た少年役の小野寺晃良(おのでら あきら)くんは殿下=小野寺昭さんのお身内?かと思ったけど全然関係ないみたいですw

そんなキャスト陣のアンサンブルも素晴らしいし、主役兄弟の背景(過去)と事件(現在)とを無理なくリンクさせるストーリーも面白く、これはシリーズ化の可能性が大いにありそう。

今回はいまいち機能してなかった趣里さん=弁護士のキャラも、シリーズ化されれば刑事と検事を取り持つ立場で活きて来るだろうと思います。

たまたまでしょうけど刑事ドラマのレギュラー出演がこれまで無かった趣里さん。あの杉下右京の娘なんだから、そろそろ刑事役も如何でしょうか?(多部未華子さんの新作ドラマ『私の家政夫ナギサさん』に出られるみたいですね)
 


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『ケイジとケンジ/所轄と地検の24時』最終回

2020-03-14 00:00:17 | 刑事ドラマ2000年~










 
初回レビューでは褒め過ぎてしまいましたw 好きな世界観であることは間違いないんだけどハマるには至らず、ちゃんと観たのは第4話まで。第5話以降は飛ばして最終回だけ観ましたm(__)m

コメディとして決してスベってないとは思うけど、あまりに「笑って下さい」オーラを前面に出し過ぎたのが、かえって逆効果だったかも知れません。

お笑い文化に対して上から目線になりがちな日本人に「笑わせます」って姿勢を見せちゃうと「そう簡単には笑ってやらんぞ」って身構えちゃうんですよね。

おまけに日本人は肩書きに弱いから、同じことを大御所がやると素直に笑ったりもする。そんな民族を若手中心のドラマで笑わせるのは並大抵のことじゃありません。

私自身、3割は笑ったけど7割は「う~ん」ってw、全然悪くはないんだけど何かが足りない、なぜかしっくり来ないっていうシーンがこのドラマには多かったです。

番組スタート直後に出ちゃった東出昌大くんの不倫スキャンダルは、少なくとも私は気にせず観てました。そりゃ「撮影現場は気まずいだろうな」とか「このドラマが終わったら彼、どうなるんだろ?」とか思ったりはするけど、役者のプライバシーをいちいち気にしてたらドラマなんか観てられません。

私が思うに、決定的に足りなかったのは緊張感かも知れません。「緊張と緩和」って言葉があるように、一方に緊張感があった方が笑いの要素も活きてくる。

扱う事件がいまいちショボいのが、笑いの不発に繋がった可能性は大いにあります。だからといって陰惨な連続殺人事件とか扱うと「そんな現場でフザケんなよ」ってなっちゃうから難しいんだけど。

そう、コメディは本当に難しい。ほんのちょっとしたサジ加減、ちょっとしたバランス、役者の組み合わせとかで結果が大きく変わって来ちゃう。

連ドラのコメディとして大成功した『デカワンコ』や『これは経費で落ちません!』の主役が、もし多部未華子さんでなかったら? もし吹越満さんや伊藤沙莉さんが脇を固めてなかったら? もし中島悟さんが演出してなかったら? 結果は大きく違ってたかも知れません。

多部ちゃんが主演して中島さんが演出しても『ドS刑事』みたいにスベっちゃう事だってあるワケですw そこが組み合わせの妙、バランスの難しさ。成功した全てのコメディが奇跡と言っても過言じゃない。

それを踏まえれば、3割でも笑わせてくれた『ケイジとケンジ』は大健闘と言えましょう。MVPは関西ノリのツッコミが抜群だった主役の桐谷健太くんと、さすがの熟練技で笑わせてくれた風間杜夫さん。このお二方がいないとヤバかったと思います。

比嘉愛未さんや今田美桜さん、奥貫薫さんなど女優陣の華やかさにも救われました。セクシーショットは刑事役の今田さんと、地検の立会事務官を演じられた奥山かずささんです。
 

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『白い刑事』2020.3.1

2020-03-09 17:45:08 | 刑事ドラマ2000年~










 
連ドラ『アリバイ崩し承ります』で浜辺美波さんとコンビを組んだばかりなのに、今度は真野恵里菜さんとのコンビとは、安田顕さんオイシイなぁと思ってたら、これは2017年に「日曜ワイド」枠で放映された2時間ドラマの再放送だったんですね。佐野洋さんの推理小説を原作にしたテレビ朝日の作品です。

安田顕さんが演じるのは弁護士から刑事に転職し、警視庁富士見警察署に特別捜査官として配属された、全身白づくめの通称「白い刑事」こと、相良修平 警部補。

とにかく警察や検察のエゴにより冤罪が生まれるのが許せなくて、クロと断定された容疑者をことごとく逆転無罪すなわち「シロ」に導いて来たんだけど、ある事件で勝訴した後で被告本人に「実はクロ」であることを仄めかされたのを契機に弁護士を辞め、富士見署署長の東野警視(小堺一機)からスカウトされ、今度は刑事の立場から冤罪を防いでいくことになった、という顛末。

そんなワケで最初から階級「警部補」というw、特別待遇の相良とコンビを組むことになるのが、目下「巡査部長」昇進を目指して猛勉強中の熱血刑事=渋谷美里 巡査。それを実写版『パトレイバー』で主人公に扮したばかりの真野恵里菜さんが演じておられます。

まずは人を疑うのが刑事の仕事とされる中、徹底して「推定無罪」を前提に弁護……じゃなく捜査を進め、ちょっとでも犯人を決めつけようもんなら「異義あり!」とツッコミを入れてくる相良に、最初は調子が狂いっぱなしの美里だけど、もし仮に間違えてもシロをクロにするより、クロをシロにする方がずっとマシと言う相良のブレない姿勢に、やがて感化されていく事になります。

今回は、数年前に殺人容疑を掛けられるも、当時弁護士だった相良のお陰で無罪を勝ち取った美人派遣社員(中山 忍)が、再び同じ手口による殺人事件で容疑者となり、さすがの相良も信念が揺らいじゃうというお話。

それでも、抜群の洞察力で彼女の「シロ」を確信した相良は、他の誰もが彼女をクロと決めつける中、地道な捜査でコツコツと真犯人を割り出して行くのでした。

ただ突っ立って謎解きするだけのドラマではあるにせよ、とにかく冤罪を根絶させたい!っていう創り手の主張がハッキリ伝わるのは小気味良いし、心まで純白そうな相良のキャラクターと安田顕さんの演技、真野恵里菜さんの凛とした可愛らしさ、要所々々を締める小堺一機さんの安定感、そして中山忍さんの弁護を今回担当した美人弁護士(遊井亮子)が実は真犯人だった!っていう結末も捻りが効いてて面白かったです。

一匹狼の刑事役が似合う安田さんに、若い女子のバディを組み合わせるアイデアを『アリバイ崩し承ります』より3年も早く実践した先見性もお見事で、さすがはテレ朝の刑事ドラマと言うほかありません。
 

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『私刑人/正義の証明』2020.2.9

2020-02-18 22:18:19 | 刑事ドラマ2000年~










 
2020年2月にテレビ朝日系列の2時間枠「日曜プライム」で放映された単発ドラマ。原作は森村誠一さんの小説『正義の証明』で、2011年にもTBSで2時間ドラマ化されてます。

法の網をかいくぐる悪党に私的に正義の制裁を加える「私刑人」と、それを追う刑事との死闘を描いたストーリーで、主役は刑事の側。それを2011年版は吉田栄作さん、今回はテレ朝ドラマ初主演となる遠藤憲一さんが演じておられます。

主人公=松永刑事は元SPで、政治家(竹中直人)を護って私刑人に撃たれ、生死をさまよったにも関わらず、政治的な措置によりその事件が隠蔽されたという苦い過去がある。

で、数年経ってその政治家が与党の総裁候補になり、と同時に私刑人も活動を始めたもんで松永は対策チームに呼ばれるんだけど、やはり政治絡みの事件で愛する家族を奪われた私刑人や、彼に協力する元同僚刑事(北村有起哉)と対峙する内、松永自身が奥底に秘めて来た巨悪への怒りがついに爆発し……

結局、政治家に銃口を向けるも相棒刑事(長谷川 純)に阻止され、その後はタクシードライバーに転職した松永だけど、もしかすると第2の私刑人になるつもりかも?っていう含みを感じさせる締めくくりでした。

ネタバレになるけど私刑人を演じたのは光石研さん(2011年版は横山めぐみさん)でした。ほか、内山理名さん、酒井美紀さん、清水由紀さん、浅野和之さん等が脇を固めておられます。そしてセクシーショットは政治家=竹中直人さんの娘を演じられた沢井美優さん。オールスターズ・オブ・バイプレーヤーとでも呼ぶべき顔ぶれです。

このテの「自警団もの」も数多く創られて来たので、なかなかオリジナリティーを出すのが難しいと思うんだけど、本作の場合は私刑人を追う刑事を主役にし、彼がダークサイドに引き込まれていくドラマを縦軸に据えた。つまり善人イメージが定着して来たエンケンさんを本来の姿に戻す、というのが本作ならではの狙いだった……のかも知れませんw

派手なアクションがあるワケじゃなく、スリル満点という内容でもないから大きな話題にはならないだろうけど、職務と私憤との狭間で葛藤する刑事の姿には『太陽にほえろ!』のDNAが色濃く感じられて、私は好きです。
 


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