ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『私刑人/正義の証明』2020.2.9

2020-02-18 22:18:19 | 刑事ドラマ2000年~










 
2020年2月にテレビ朝日系列の2時間枠「日曜プライム」で放映された単発ドラマ。原作は森村誠一さんの小説『正義の証明』で、2011年にもTBSで2時間ドラマ化されてます。

法の網をかいくぐる悪党に私的に正義の制裁を加える「私刑人」と、それを追う刑事との死闘を描いたストーリーで、主役は刑事の側。それを2011年版は吉田栄作さん、今回はテレ朝ドラマ初主演となる遠藤憲一さんが演じておられます。

主人公=松永刑事は元SPで、政治家(竹中直人)を護って私刑人に撃たれ、生死をさまよったにも関わらず、政治的な措置によりその事件が隠蔽されたという苦い過去がある。

で、数年経ってその政治家が与党の総裁候補になり、と同時に私刑人も活動を始めたもんで松永は対策チームに呼ばれるんだけど、やはり政治絡みの事件で愛する家族を奪われた私刑人や、彼に協力する元同僚刑事(北村有起哉)と対峙する内、松永自身が奥底に秘めて来た巨悪への怒りがついに爆発し……

結局、政治家に銃口を向けるも相棒刑事(長谷川 純)に阻止され、その後はタクシードライバーに転職した松永だけど、もしかすると第2の私刑人になるつもりかも?っていう含みを感じさせる締めくくりでした。

ネタバレになるけど私刑人を演じたのは光石研さん(2011年版は横山めぐみさん)でした。ほか、内山理名さん、酒井美紀さん、清水由紀さん、浅野和之さん等が脇を固めておられます。そしてセクシーショットは政治家=竹中直人さんの娘を演じられた沢井美優さん。オールスターズ・オブ・バイプレーヤーとでも呼ぶべき顔ぶれです。

このテの「自警団もの」も数多く創られて来たので、なかなかオリジナリティーを出すのが難しいと思うんだけど、本作の場合は私刑人を追う刑事を主役にし、彼がダークサイドに引き込まれていくドラマを縦軸に据えた。つまり善人イメージが定着して来たエンケンさんを本来の姿に戻す、というのが本作ならではの狙いだった……のかも知れませんw

派手なアクションがあるワケじゃなく、スリル満点という内容でもないから大きな話題にはならないだろうけど、職務と私憤との狭間で葛藤する刑事の姿には『太陽にほえろ!』のDNAが色濃く感じられて、私は好きです。
 


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