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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『スリル!赤の章/警視庁庶務係ヒトミの事件簿』2017

2019-11-24 11:24:16 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2017年の2月から3月にかけて、NHK総合の水曜夜10:25枠で全4話が放映された特集ドラマ。同時期にBSプレミアムでやはり全4話が放映された『スリル!黒の章/弁護士・白井真之介の大災難』と連動した内容になってます。

またもや謎解きミステリーって事でスルーしようかと思ってましたが、gonbeさんがブログで薦めておられたので第2話から観ました。なるほど、これは小松菜奈さんの魅力が爆発してますね!

これまで映画『渇き。』と『バクマン。』で彼女の演技を拝見し、前者のミステリアスな小悪魔も、後者の清楚な王道ヒロインも見事に演じておられたけど、自分がハマるタイプの女優じゃないだろうと思ってました。

ところが、この『スリル!』における大胆不敵かつ飄々としたヒロイン像は実に私好みで、それを違和感なくシレっと演じる彼女の才能に、私はコロッと惚れちゃいましたw

これまで観た3作品における小松菜奈は全く別人が如くで、観る度に驚かされるこの状況は、私が多部未華子さんに惚れてしまった時によく似てます。そこまでのハマり方はしないにせよ、今後の活躍に注目したい女優さんがまた1人増えたのは確か。

ドラマそのものも面白かったです。これは単なる謎解きミステリーじゃありません。

菜奈さん扮するヒロイン=中野 瞳は警視庁庶務係で働く一般職員。『太陽にほえろ!』で言えばアッコ(木村理恵)やナーコ(友 直子)と同じ、いわゆる「お茶くみ」が勝手に事件を捜査し、臆せず凶悪犯に立ち向かい、渡り合っちゃうというアクティブさ。

父親が現在行方不明の詐欺師で、そんな父のDNAを受け継いだ彼女は、人の嘘を見抜く才能と人を欺くテクニックを生まれながらに持ち合わせてる。

その上、人一倍の好奇心と正義感があるもんだから、捜査一課のお人好し刑事=外河(小出恵介)から巧みに捜査情報を聞き出し、的確な推理で難事件を解決に導くというストーリー。

警察は犯罪を取り締まるプロなのに、実際に犯罪を犯した経験が無い、言わば犯罪の素人たちが事件を捜査するのは、一度も野球をしたことの無い人間がプロ野球の監督をするようなもんじゃないか?……ていう発想から、こんなユニークなヒロイン像が生まれたんだそうです。

で、瞳が興味本意で事件に首を突っ込み、その真相に迫るも捜査本部のエリート刑事たちが無能揃いなもんだから、やむなく自ら犯人の懐に飛び込んで絶体絶命の「スリル」を味わうも、彼女からのメッセージを受けて駆けつけた外河刑事に救われる、っていうのが毎回のパターン。

とても見覚えのあるこの構図、最終回にテロリスト集団が登場した事で、そのモデルとなった作品がはっきり判りました。そう、瞳がジョン・マクレーン刑事で、外河がパウレル巡査、無能な捜査本部はそのまんまだし、最終回に出て来たマヌケな公安がFBIってワケです。

瞳はテロ集団の人質にされながら全く臆せず、騙しのテクニックで彼らを翻弄し、自力で脱出。それで逃げりゃいいものを、盗み出したスタンガンで凶悪テロリストを1人ずつ片付け、首謀者を激怒させるというw

これは明らかに小松菜奈版『ダイ・ハード』であり、私が絶対に観なくちゃならないドラマでした。危うくスルーしちゃうところで、教えて下さったgonbeさんに感謝!ですm(__)m

天然キャラの小出恵介さん、無能丸出しの木下ほうかさん、堀部圭亮さんも良い味を出されてました。

そして本作は、お金に汚い腹黒弁護士=白井真之介(山本耕史)を主人公とする『黒の章』と連動しており、1つの世界観が2人の主人公それぞれの視点から描かれるという、新たな試みも見所になってます。

残念ながら『黒の章』まで観る時間の余裕がなくスルーしちゃいましたが、山本耕史さんの三枚目キャラもまた魅力的だし、助手役の佐野ひなこさんも可愛いし、『赤の章』の主役コンビも脇で登場しますから、機会があれば是非観てみたいです。
 
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『嫌われる勇気』2017

2019-11-24 00:00:09 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2017年の冬シーズン、フジテレビ系列の木曜夜10時「木曜劇場」枠で全10話が放映された連続ドラマ。アルフレッド・アドラーの心理学を解説した自己啓発本『嫌われる勇気』を、なんと刑事物にアレンジしちゃったという大胆な企画。

……とは言いつつ、映像化の権利を取得したものの具体的な妙案が浮かばず、無難に最低限の数字が見込める謎解き捜査モノでお茶を濁しただけ、みたいな舞台裏も想像せずにいられません。キャスト陣のいまいち地味な顔ぶれを見ても、崖っぷちフジテレビの威信を賭けた勝負企画とは思えません。

誰にも媚びず、先輩刑事たちの推理や捜査方針にハッキリ異義を唱え、ほとんど単独行動で犯人を挙げてみせる、警視庁捜査一課8係の敏腕刑事=庵堂蘭子(香里奈)の活躍を通して、アドラー心理学の意味とその意義を解説していくワケですが……

結果的に、なぜ人は一匹狼のキャラクターに魅力を感じるのかを懇切丁寧に解説してくれる、なんだか手前味噌な番組になっちゃいましたw

人の悩みのほとんどは対人関係に起因してるワケだけど、他者からどう思われるかは他者の課題であって、自分の課題じゃない。人に嫌われる勇気を持って自分の課題に取り組めば、自分の人生を歩むことが出来る。

……というようなアドラーの説には頷けるんだけど、半世紀も生きて来た私からすれば「それくらい知ってるよ」って思うだけで、目からウロコが落ちるような発見はありません。

言いたいことは初回だけで分かったし、今後、同じような説教を10話も続けて聞かされても、得るものは何も無いだろうなって、私は思いました。

香里奈さんが毎回ヌードや濡れ場を披露してくれるなら話は別……って言いたいところだけど、彼女にはイマイチそういう魅力を感じないし、相棒役の加藤シゲアキくんにも面白味が無いしで、続けて視聴する理由がどこにも見当たらない番組です。

ほか、心理学の特別コンサルタントに椎名桔平、その助手に飯豊まりえ、8係の係長に升 毅、刑事に戸次重幸、丸山智己、監察医に相楽 樹、主任鑑識官に正名僕蔵、鑑識係員に岡崎紗絵etc…といったレギュラーキャスト陣でした。

素晴らしいお尻ショットは岡崎紗絵さんと相楽樹さんです。
 

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『コールドケース/真実の扉』シリーズ'16~

2019-11-21 00:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2016年の秋シーズンに第1シリーズ全10話、そして2018年の秋シーズンに第2シリーズ全10話が、衛星チャンネルWOWOWの土曜夜10時「連続ドラマW」枠にて放映された、WOWOW&ワーナー・ブラザース インターナショナルテレビジョン制作によるミステリードラマ。

日テレの『ラストコップ』(オリジナルはドイツ産)、NHKの『スニッファー』(ウクライナ産)に続き、本作もアメリカで全7シーズンに及ぶ人気TVドラマシリーズ『コールドケース/迷宮事件簿』をリメイクした作品です。

神奈川県警の捜査一課「中隊長」の石川警部に吉田 羊、その相棒となる高木巡査部長に永山絢斗、主任の立川警部補に滝藤賢一、同じく主任の金子警部補に光石 研、そして課長代理の本木警視に三浦友和、というレギュラーキャスト陣に毎回豪華なゲストが加わります。

私が観たシーズン1初回のゲストは吹越 満&田口トモロヲの『デカワンコ』コンビに吉沢 亮、大野いと、岸井ゆきの、真飛 聖、霧島れいか、ルビー・モレノetc…という顔ぶれでした。脚本&演出も豪華メンバーで、これだけ一流どころが揃えばありがちな内容(タイトル通り未解決事件の再捜査物)でも見応えがあります。

私はその1話しか観てないんだけど、警察上層部から横やりが入ったり他部署からバカにされたり等の面倒くさい描写がいっさい無いのが新鮮で、シンプルだし展開も早くて非常に観易かったです。

それはたぶんオリジナルがアメリカ作品だからで、やたらドラマで組織内のゴタゴタを描きたがるのは日本だけの傾向かも知れません。(そもそも海外の警察ではそういったゴタゴタがあまり無いのかも?)

あと、初回で描かれたのは新興宗教の施設内で起こった殺人事件で、そういう地上波の番組だとやりづらいネタを扱えるのは衛星チャンネルの利点かと思います。

で、殺された青年は父親の支配から逃れたくて新興宗教に走ったワケだけど、これが純日本産のドラマだと「父親の支配も実は愛情の裏返しだった」みたいな捻りを必ず入れて来るんですよね。そういうのもたまに観れば泣けるけど、猫も杓子もそれだと心底ゲンナリしちゃう。

そういった人情話をいっさい絡めて来ないのもアメリカ産ならではの特徴で、日本のドラマ制作者たちがまるで義務であるかのように描くあれやこれやが、本当に必要なのかどうか、この作品を観てよく考えてみては如何でしょう?って、私は言いたくなりました。

ただしその反面、ブロガーの立場からすればムダな描写が多少あった方が記事(いちゃもん)も書き易くw、ツッコミどころが無さすぎるのはかえって物足りない、っていうのも正直なところ。ほんと勝手なもんですw

だから、どっちが良いかはその時の気分次第。明らかに手抜きしてるような作品は論外だけど、ちゃんと熱意を持って創られた作品は全てに価値がある。ふだん海外ドラマをほとんど観ない私が『コールドケース』の面白さや日本産とアメリカ産の違いに気づけたのもリメイク版を観たからこそで、単なる焼き直しにだってちゃんと意味がある。それが今回の結論ですね。
 

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『スニッファー/嗅覚捜査官』2016

2019-11-20 00:00:18 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2016年の秋シーズン、NHKの土曜夜10時「土曜ドラマ」枠で全7話が放映されたミステリードラマ。好評につき2018年春に続編となる単発スペシャルも放映されてます。

2013年にウクライナで制作&放映された大ヒットドラマのリメイクで、世界各国でリメイクが進む中、この日本バージョンが一番乗りなんだそうです。

なんと、人並み外れた嗅覚で殺人事件を捜査するという、画期的なアイデアの刑事ドラマ!……と言いたいところだけどw、とっくの昔に多部未華子主演『デカワンコ』という傑作が我国には存在します。

ただ、アバンギャルドなコメディでありつつ『太陽にほえろ!』はじめ昭和の刑事ドラマへのオマージュだった『デカワンコ』とは雰囲気が違い、こちらはハードボイルドな探偵小説のテイスト。コミカルなんだけどスタイリッシュで、登場する車はオシャレだし、ロケーションも音楽も渋くてカッコいい!

阿部 寛さん扮する主人公=華岡信一郎は、刑事でも探偵でもなく、特殊な重要犯罪の捜査に限って駆り出されるコンサルタント。

その嗅覚は『デカワンコ』の花森一子をも凌駕し、匂いの細かい成分まで嗅ぎ分け、匂い主の性別や年齢、生活習慣、感情までも全て言い当てちゃう。

もちろん変人でw、そんな華岡に振り回される中年独身マザコン刑事=小向達郎に扮するのが、香川照之さん。がっつり組むのは今回が初めてという、このコンビの掛け合いが最大の見所になるかと思います。

ほか、耳鼻咽喉科の女医に井川 遥、華岡の別れた元妻に板谷由夏、娘に水谷果穂、小向の母に吉行和子、小向が所属する警視庁特別捜査支援室の室長に野間口 徹、同僚刑事に竹森千人、馬場 徹、高橋メアリージュン、といったレギュラーキャスト陣。スペシャル版には元FBIのプロファイラーとして波瑠さんも捜査に加わります。

さすがNHKドラマだけあってハイクオリティーだし、お金もかかってます。

嗅覚に限らず「特殊能力を持った刑事(あるいは探偵、医者)」は日本のTVドラマ界に溢れ返っており新鮮味は無いんだけど、このハードボイルドな世界観に浸るだけでも充分楽しめます。涙の押し売りも無く心地好いです。

アクション描写にも力が入ってて、時に銃撃戦も見られます。S&W M19の2.5インチ・スクエアバットという、香川さんの使用拳銃も何気にマニアック。

もちろん偏屈男をやらせたら日本一の阿部寛さんが遺憾なく発揮する偏屈ぶり、それに振り回される「結婚できない男」香川照之さんとの凸凹コンビ等、笑いどころもしっかり押さえてくれてます。

謎解きに興味なくても掛け合いだけで楽しめるキャラクタードラマとして、これはオススメ。セクシーショットは偏屈男をも惑わす本作のマドンナ=井川遥さんです。
 

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『キャリア/掟破りの警察署長』2016

2019-11-19 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2016年の秋シーズン、フジテレビ系列の日曜夜9時枠で全10話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作による警察ドラマ。

東京・北町警察署に署長として赴任したばかりのキャリア警視正=遠山金志郎(玉木 宏)が、自ら町に出て庶民のピンチを救う、刑事ドラマ版『遠山の金さん』といった趣。

そんな署長と対立するノンキャリアのベテラン刑事に高嶋政宏、新米刑事に瀧本美織、その同僚に白州迅、平山祐介、勝矢、副署長に柳沢慎吾、キャリア警視監に近藤正臣etc…と、地味ながらも堅実なレギュラーキャスト陣。

警察署長を主人公にしたドラマは過去にもあるし、人情系の捜査ドラマゆえ、展開はほぼ先読み出来ます。私が求める目新しさ、サプライズは期待出来ないし、おかしな部分も少なくないんだけど、好感度の高さと安定感で、観ると癒されるドラマになってます。

イジメやDV、ストーカー被害など、庶民がSOSを発信しても警察がなかなか応えられない現実を憂い、どんどん現場に出て小さな声を拾おうとする主人公のキャラクターが、玉木宏さんの飄々とした佇まいにピッタリで、とても魅力的です。

そんな署長をサポートする新米刑事役の瀧本美織さん。ハツラツとしながら爽やかな色気も漂わせて、ずっと観ていたくなる吸引力があります。朝ドラ『てっぱん』の時は何も感じなかったのにw

そして高嶋政宏さんの極端な武骨さがまた、物腰柔らかな玉木さんと実に対照的で面白い。

刑事ドラマはやっぱり、謎解きよりもキャラクター(そしてキャスティング)が肝心。安易に話題性を狙う事なく、ちゃんとしたものを創ろうとする姿勢が本作には感じられます。

ただ、小さな出来事が大きな事件と繋がってることを示す展開が、ちょっと初回は強引すぎましたw

で、これはけっこう致命的な弱点かも知れないのが……

飄々として腰の低い玉木さんが初めて、署長という身分を悪人たちに明かすクライマックス。桜吹雪の入れ墨、あるいは黄門様の印籠よろしく、玉木さんが警察バッジ(桜の代紋)を振りかざし「この桜に誓って悪事は見逃しません!」って、クサい台詞を決めるw

さすがに「ははあーっ!」って、相手がひれ伏すまではいかないんだけど、初回では犯人のボンボン学生とその父親(町の権力者)が、「ええっ? しょ、署長ぉーっ!?」ってw、腰を抜かさんばかりに驚き、観念してました。

これを言っちゃあ、お終いなんだけど……所轄署の署長に、それほどの威厳があるんでしょうか?w 『踊る大捜査線』で言えば、初代が北村総一朗さんで二代目がユースケ・サンタマリア君ですよ?w

それ以前に『太陽にほえろ!』の時代から、所轄の署長と言えば本庁の言いなりで、そのくせ部下にはガミガミと口うるさいだけの、どちらかと言えば小者として描かれて来ました。

現実は違うのかも知れないけど、我々視聴者にはそういうイメージが定着してますから、めちゃくちゃ違和感があるんですよね。だからこれ、企画として根本的に失敗してるような気がしてなりません。

でも、そういうチグハグさがチャーミングだったりもする。挑戦しなければ失敗もしないワケで、何もかも無難に定型通りに収めようとする、例えば裏番組の日曜劇場なんかよりよっぽど魅力的です。

皆さんにオススメするのはやめときますがw、私個人としては応援したい番組です。
 
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