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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『Get Ready!』#01

2023-01-09 14:44:06 | TVドラマ全般

日曜劇場さんがまた、おかしなことを始めましたw TBS系列日曜夜9時の老舗枠、2023年冬シーズンの新作です。

大病院がサジを投げた難病患者を、法外な高額ギャラと引換えに超ハイテク・オペで救う闇医者グループ、人呼んで「仮面ドクターズ」の暗躍を描いた令和版ブラック・ジャック!

天才的なオペ技術を持つ、半白髪の執刀医「エース」こと波佐間永介に、妻夫木聡。



オペ患者との交渉役を請け負う、国際弁護士の「ジョーカー」こと下山田譲に、藤原竜也。



そして凄腕オペナースの「クイーン」こと依田沙姫に、松下奈緒。



若き天才ハッカー「スペード」こと白瀬剛人に、日向亘。



仮面ドクターズの天敵となる、大学附属病院の剣持院長(鹿賀丈史)と、その一人娘=玲於奈(結城モエ)、その婚約者=染谷医師(一ノ瀬 颯)。



同病院に勤務する外科医の橋元(橋本マナミ)と、研修医の台場(長見玲亜)。



仮面ドクターズに見捨てられた副総理(伊武雅刀)の命令により彼らの正体を探る、佐倉課長(矢島健一)率いる警視庁特務捜査課のメンズと、紅一点の菊川刑事(片山友希)。



そして妻夫木くんが営むケーキ屋に足しげく通う女子高生に、これからブレイクしそうな若手女優=當真あみ、といったレギュラーキャスト陣。



今や刑事物と肩を並べる超マンネリジャンルとなった医療物(しかも我が天敵=日曜劇場!)なのに取り上げたのは、リスク承知でなんとか新鮮なドラマを届けようっていう、創り手の必死な姿勢が感じられたから。

それが若者層を取り込む為だとしても、毒にも薬にもならん安全パイを見せられるより全然イイ。笑っちゃうぐらい飛躍して良いんですよ! 例えばこんな覆面とか……



全てA.I.で制御された、いかにも大袈裟なオペ室とか。



タイトルの「Get Ready!」は、妻夫木くんがオペを決断したとき、そのA.I.に掛ける言葉。今どきのコンピュータなら日本語でも通じると思うんだけどw、いちいち英語で命令するのが微妙な笑いを誘うワケです。

なにせメイン演出家が『ケイゾク』『トリック』等の堤幸彦さんですから、狙ってない筈がない。

基本はシリアスタッチだけど、大病院や警視庁の連中は微妙にフザケてるし、特に三石琴乃さん扮する占い師のシーンは堤さん節が炸裂してます。



しかし主役の仮面ドクターズは、余命宣告された患者に「生き延びさせる価値があるか否か」のジャッジを下すワケだから、さすがにフザケてられません。

営業担当者として積極的にオペを引き受けたい藤原くんと、必要以上に高いハードルを課す妻夫木くんとの対立&駆け引きが毎回の見どころになりそうです。



初回は金の亡者だった若きCEO(池松壮亮)がいったんオペを断られるも、初心に戻って頑張る姿が妻夫木くんに認められ、絶望的な死の病から生還しました。

そのへんの浪花節はいかにも「いつもの日曜劇場」で、新鮮味はゼロ。先の展開は読めるし初回15分延長で間延びするしで、私は何度「早送り」ボタンを押しかけたか判りません。

斬新な内容で若い連中を取り込みたいなら、真っ先にその「お涙頂戴」システムから断捨離すべきでは? そこはホント日曜劇場が抱える深刻な病で、早急なオペが必要です。

次回もあからさまに「泣かせ」にかかって来たら、その時点で私は観るのをやめます。100%そうなると分かってて書いてますw(そこが天敵たる所以)

これまで何度も書いて来たけど、ドラマや映画で泣くのは私だって好きなんです。けど、それはあくまで結果であるべきで目的にはして欲しくない。「泣けるシーン」から逆算してストーリーを組むのはやめて頂きたい。シラケるから!

心底つまんなかったら記事にしないワケで、せっかく見所あるんだから頑張って欲しいです、ホントに。

てなワケでフレッシュなポートレートは當真あみさん、長見玲亜さん、片山友希さん。



そしてセクシーショットは勿論みんなの愛人、橋本マナミさんです!


 


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『アトムの童』#01

2022-10-21 00:16:36 | TVドラマ全般

2022年秋シーズン、TBS系列の日曜夜9時枠でスタートした「日曜劇場」の新作です。

前情報ゼロの状態で、とにかく『アトムの童(こ)』っていうタイトルの意味だけ知りたくて初回を観たら、不覚にも面白かったですw

けど、そこはやっぱり日曜劇場。先の展開はほぼ想像つきますから、継続して観ることは無いと思います。ただ初回をなぜ面白いと感じたか、その理由だけ書いておきます。



『アトムの童』のアトムは、風間杜夫さん扮するフィギュアの造形師が経営し、正社員がでんでん&塚地武雅の2人だけという小さな玩具メーカー「アトム玩具」のアトムでした。

で、風間さんが脳梗塞で倒れ、いきなり社長業を継ぐことになった一人娘の岸井ゆきのさんと、アトム玩具のフィギュアで遊んで育った天才ゲーム開発者の山﨑賢人くんが、それぞれ違った意味で「アトムの子供」ってワケです。



アトム玩具は経営難に陥った挙げ句に火事で全焼。そして賢人くんはせっかく開発した傑作ゲームが「裏切者」のせいで大手IT企業にパクられて、業界からドロップアウト。

そのにっくきIT企業の経営者=オダギリジョーが、今度はアトム玩具の特許を買い取って技術を奪おうとしてる!



ゆきの新社長はアトム玩具の看板を守るべく、ゲームメーカーとしての再起を決意し、二度とゲームは作らないつもりだった賢人くんを懸命に口説きます。

そう、これは負け犬たちが力を合わせて強大な敵に立ち向かう、敗者復活のストーリー。私みたいに人生負けっぱなしの小市民は、こういう話にすこぶる弱い!

しかも私はモデルガンだけでなく、マジンガーZのフィギュアもコレクションしてますから、玩具メーカーはリスペクトするし玩具マニアには共感しちゃうワケです。

ただ、ゲームはほとんどしないもんで、アトム玩具がゲームメーカーとして再起するって設定には、ちょっと引っ掛かりました。

私からするとオモチャとゲームは全くの別物ですから、いくら看板を守る為とはいえ、フィギュア一筋だった風間さんやでんでんさんが新社長の提案にあっさり賛同したのには「えっ?」って、ちょっと拍子抜けしちゃいました。さすが日曜劇場、勢いで誤魔化しよるなあってw



で、もう1つ面白いと感じたのは、大手メーカーが作らないオリジナルの玩具にこだわり続けた風間前社長と、とにかく「売れる商品」を作ることしか頭にないオダギリジョー社長との対比。

これって、両者とも日曜劇場のメタファーになり得ると思ったワケです。老舗で、何も知らずに観ても「これって日曜劇場だよね」って判っちゃう独自の作風を貫いてるのは風間さんっぽいし、とにかく金をかけて豪華キャストを集め、視聴率を稼ぐ為なら手段を選ばない感じはオダギリ社長っぽい。

私がいつも日曜劇場の悪口を書きながら、無視することが出来ない理由が今回のストーリーに象徴されてる気がしたんですね。大嫌いなのに、気になる存在。けど、だから、次回は観ないw



ポートレートは、賢人くんが住み込むゲームセンターのアルバイト店員=結衣役でレギュラー出演の、飯沼愛さん。TBSの女優発掘&育成オーディション『TBSスター育成プロジェクト/私が女優になる日』で約9000人の中から1位に選ばれた期待の新星です。


 


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『ロマンス暴風域』最終回

2022-08-12 23:23:09 | TVドラマ全般

基本的に恋愛ドラマは観ないんだけど、これは30分枠で全5話っていうコンパクトさが観易いのと、なにより毎回「公序良俗に反する(?)」シーンが目白押しなのが実にけしからんので、厳しく監視するため最終回まで欠かさず観ました。

意外性も多分にあったんですよね。渡辺大知くん扮する美術講師の主人公=民生が、最初は私とよく似たヤツだと思ってたのに、実は真逆で対極にいるような男であることが、徐々に判っていくんです。



ファッションヘルス店で出逢った風俗嬢=芹香(工藤 遥)に本気で熱を上げるところは共感できたし、彼女が人妻だと知りながら真剣交際を続けちゃうあたりも、まあ私はハリソン・フォードだから絶対しないけど、気持ちは理解できました。……ところが!



さあ今日も夜通し汗かいてチョメチョメするぞ!って時に芹香のケータイが鳴り、それが夫からの電話だと判った途端に「黙ってて!」って、彼女の態度が豹変しちゃうのを目の当たりにしてもなお、「キミは本当に幸せなの?」「ボクなら絶対キミを幸せにできるから!」って、民生が泣きながらすがりつく場面あたりで、私は気づきました。こいつはオレと全然違うって。

いや、彼がそこからストーカー化して彼女の家まで押しかけ、いよいよ決定的に拒絶されちゃうところまでは、共感はせずとも同情できたんです。

問題は、そのあと。絶望し、途方に暮れた民生がいったい何をしたか? 驚きました。自殺でもするのかと思いきや、なんと、新たに激安ヘルス店で出逢った、見るからに幸薄そうな風俗嬢=夏希(小野花梨)を口説いて同棲を始めちゃう! なにいぃぃーーっ!?(オナニーッ!?)



そこで完全に理解の範疇を超えたけど、まだそれだけじゃ終わらない! 夏希を部屋で待たせながら、民生は知り合った女と片っ端からセックスしていく! セックスセックスセックス!

いや、片っ端からって言うのは大袈裟だけど、同僚講師の萌(岬あかり)は民生をひと目見るなり「根拠なくモテる男」「女で言えばサセコみたいなやつ」って言い当てちゃう。で、挙げ句にまたセックス。



話が違うやん! 設定書には「非モテ男」って書いてあったから親近感持ったのに、貴様、めっちゃモテとるがなアホンダラァァーーっ!! この裏切り者があああぁぁぁーーーっ!!!



とはいえ、よっぽど性格がねじ曲がってない限り、誰にだって「モテ期」みたいな時期は、確かにある。私にだって無くはなかった。

私が「自分と全然違う」と感じたのは、そこじゃなくて、芹香にフラれてぽっかり空いた胸の穴を、ほかの女を抱くことで必死に埋めようとする、その行動ですよ!

恋愛体質ってのとはまた違うかも知れないけど、私は「常に異性のパートナーがいないと生きていけない」っていう人の気持ちが、まったく理解出来ないワケです。

パートナーとまではいかなくても、例えば男どうしで遊びに出かけた時にすぐ「女を呼ぼう」とか言い出すヤツを、私は同じ地球に生きてる人間とは思えない。



女性は好きです。大好きです。恋愛も素晴らしいし、セックスはもっと素晴らしい。今すぐKTさんとチュバチュッチュしたい!

けど……悲しいかな、パートナーがいなくても私は全然平気なんです。その理由を語りだすと長くなっちゃうから割愛するけど、複数の異性とセックスしたいなら、むしろパートナーを持たなきゃいいのに、夏希っていう同棲相手をキープしながら外でセックスしまくる民生は、もはや病気としか私には思えない。

でも、実際いるんですよね、たくさん。セックス依存症というか「恋愛中毒」みたいなヤツが、私の身近にもいましたよ。あなたの周りにもいるでしょう、きっと。

ドラマとしては、これまでモテなかった未熟な男が複数の女性と交わることで、本当に大切なものは何かを学び、大人になっていく……てなことを描きたかったのかな?



最終的には同棲相手の夏希と結婚することを民生が決意し、とりあえずはハッピーエンドなんだけど、あの男はまたやりますよw ああいう病気はたぶん、一生治らない。



結局、大学時代からの友人である理加(内田理央)とは何も起こらず、なのは良かったです。

そうすると理加っていうキャラクターの存在意義がよく解らなくなるけど、たぶん、普通に結婚してお母さんになる=一番真っ当というか「地に足のついた」人生を歩んでる彼女と対比することで、民生や風俗嬢たちの不安定さを強調したかったんでしょう。



セクシーショットは、民生の元カノとして最終回に登場した、まどか役の小林涼子さん。こんな綺麗な人と付き合ってチョメチョメしといて、どこが非モテ男なんじゃこらあああぁぁぁーーーっ!?💢💨💨💨

コメント (3)
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『プリズム』#01~#02

2022-07-25 16:05:17 | TVドラマ全般

驚いた! やられた! 意表を突かれた! そうか、そう来たか! そう来ちゃうのか! さてどうしよう!?

2022年夏シーズン、NHK総合の火曜夜10時「ドラマ10」枠でスタートした、浅野妙子さんのオリジナル脚本による連続ドラマですよ!

杉咲花さんが主演ってことで何となく観始めて、何となく惹き込まれて、こりゃ最後まで観なきゃしょうがないかと思ってた矢先、まさかこんな展開が待っているとは!

観るのかオレは? 本当にこのドラマを最後まで観ちゃうのか!?



主人公の皐月(杉咲 花)は都内の園芸店でバイトしながら声優を目指し、養成所へも通ってるんだけど、オーディションは敗退つづき。

で、同じく声優志望でルームシェアしててバイト先まで一緒の親友=綾花(石井杏奈)が、先にアニメのオーディションに受かってしまい、嬉しいんだけど悔しい複雑な気持ち。



窮屈な故郷から抜け出したくて上京したのが本音で、声優への夢が果たして本気なのかどうか、皐月自身もよく分かってない。

そんな基本的な設定だけで、私は早くも彼女に感情移入しちゃいました。ドラマが始まってまだ3分も経ってません。

とにかく会社員になるのがイヤで映画監督を目指し、友人とライバル関係にもなった過去の私とよく似たシチュエーションだから、気持ちが痛いほど解っちゃう。

そんな皐月が、なんとなく趣味で始めたのが、オシャレな箱庭みたいなテラリウム作り。



で、作ったテラリウムをバイト先の片隅に並べて販売してみたら、それを手に取って見つめる、ちょっとイケメンな客がいた!



「買わへんのかい!」

だけどそのイケメン=陸(藤原季節)は、ガーデンプランニング会社の優秀なデザイナーであることが後に判明。ひょんなことで再会し、あれよあれよと距離が縮まり、どうやら恋愛関係になっていく模様。



あれ? これって恋愛ドラマなの? だったら私が観る理由が無くなっちゃうんだけど、そんな薄っぺらい作品とはどうしても思えない。

たとえば、カレシが別の女とキスしてる現場に、ヒロインが偶然出くわしちゃうようなのが、私にとっての薄っぺらい恋愛ドラマ。それは謎解きゲームと同じで、登場人物がその展開に合わせて動くだけの「駒」になっちゃってるドラマのこと。

この『プリズム』って作品は、そういうのとは明らかに違う。私がそれを確信したのが、次のシーン。第1話のクライマックスです。



実は皐月が中学生だった頃に両親は離婚してるんだけど、父の耕太郎(吉田栄作)は東京に住んでて、皐月は母にナイショで時おり資金援助してもらってる。

離婚の原因が耕太郎の浮気だったもんで、母は今でも彼を許してない。そして皐月も、いま耕太郎と同居してるその浮気相手とはずっと会わないようにして来た。

皐月の場合、父を許してないワケじゃない。ただ、その現在のパートナーが「男性」であることを、どう受け止めて良いやら分かんないだけ。そう、耕太郎はゲイだった! いや、正確にはバイセクシュアルって事でしょう。

で、皐月が陸と楽しくディナーしてたレストランに偶然、耕太郎がそのパートナー=信爾(岡田義徳)を連れて入ってきた!



皐月は激しく動揺し、父に気づかれないよう店を出ようとするんだけど、陸は当然ワケが分からない。

「どうしたの?」

「父なんです。離婚してて、ちょっと色々あって……」

さて、男性諸君。あなたならどうしますか? 私なら多分「あ、そうなの」って感じで皐月の意志を尊重し、親子の問題には立ち入らないようにすると思います。

ところが! なんと! この陸ってヤツは、逃げようとする皐月の腕をとり、耕太郎と信爾の席まで彼女を連れてってしまう! そして社会人らしく名刺を渡して挨拶し、こう言うんです。

「よかったら、お食事ご一緒しませんか?」

耕太郎は戸惑いつつ、断る理由も無いから受け入れる。で、耕太郎は建設業、信爾は演劇の美術デザイナーなもんで、陸や皐月と話が合うワケです。

それでも信爾は遠慮して席を立とうとするんだけど、皐月が呼び止める。

「いて下さい。いつか、お話したいと思ってました。いて下さい」

「…………」



楽しいひと時を過ごし、解散したあと、皐月は陸に言います。

「意外と、平気でした。父は父だし、あの人も悪い人じゃなかった。それが分かっただけでも良かったです」

で、それを聞いた陸は、自分のことのように嬉しそうな顔をする。なんてイイ奴なんだ!

一方、耕太郎と二人きりになった信爾は、堰を切ったように泣き崩れるんですよね。彼は彼で、耕太郎の家庭を壊してしまった罪悪感に、今までずっと苦しんで来たんでしょう。私も貰い泣きしちゃいました。岡田義徳さんの芝居がまた良いんです!

しかし、それはともかく、陸ですよ。イケメンで仕事もデキる上、あの優しさと大胆さ! 何より凄いのは、レストランで耕太郎たちと出くわした時、皐月の「ちょっと色々あって」っていう説明(?)だけで全てを察し、とっさに「逃げちゃダメだ」と判断し、すぐ行動に移した機転の利き方!

当然、こうなっちゃうワケですよ!



「誰かを好きになることは、時によってすごく難しいのに……時によっては、すごく簡単だ」

これなら納得するしかありません。そりゃ惚れない方がどうかしてる。

ただ単にステキってだけじゃない。なんだか袋小路に迷い込んで先が見えなくなってた自分を、この人なら変えてくれる!って、そりゃ思いますよね。

決して恋を描くための恋じゃない。こういう恋愛なら、皐月の成長ドラマにおいて重要な意味を持つに違いないから、私だって観てられる。もしかしたら今季のナンバー1ドラマは、これかも?

……って、その時は思ったんだけど……

つづく第2話を観て、私は冒頭に書いたとおり大きな衝撃を受けるワケです。で、第3話以降も続けて観るべきかどうか今、悩んでます。

いったい、第2話でなにが起こるのか? あなたは予想できますか? ヒントは、先程のレストラン。あの場面における陸の行動には、彼のポテンシャルを我々に見せつけるだけじゃない、もう1つの重要な意味があった!

そして第1話ラストシーンで唐突に登場する、この男! 森山未來くんですよ。見るからに胡散臭い彼が、実は重要な鍵を握ってる! ああ胡散臭い!



第2話で、声優の養成所を辞めた皐月は、テラリウム作成の才能を買われて、陸が勤めるガーデンプランニング会社の契約社員に採用されます。

だから陸とは毎日会えるワケだけど、なぜかデートには誘ってくれない。あの夜、チョメチョメしたのに!

「ワンナイトの関係ってこと? それでいいの?」

親友の綾花に言われて、皐月はこう返します。

「まあ、そういう事もあるじゃん」

杉咲花さん、いつの間にかオトナになってる! 1997年生まれで、もう24歳なんですね。多部未華子さんはそれくらいの頃『デカワンコ』をやられてましたけどw



そんなある日、皐月は祖母の七回忌で数年ぶりに帰郷します。母の梨沙子(若村麻由美)には「声優なんか諦めて早く帰って来なさい」って連呼されるし、それ以上にしつこい説教魔の大叔母が泉ピン子だったりするしw、そりゃ脱出したくもなるってもんです。

で、皐月は気づいてしまう。家族のアルバムから父=耕太郎の写真がぜんぶ剥がされてることに。ショックを受ける皐月に、梨沙子は言います。

「お母さんは、ウソつかれてたの。お父さんに騙されてたの。みんなウソだったの」

耕太郎はバイセクシュアルでしょうから、梨沙子との結婚がカモフラージュだったワケじゃなかろうと思うんだけど、妻の立場からすればそりゃ「裏切り」以外の何ものでもない。ずっと秘密にされてたことに何より傷ついたんでしょう。

けど、今でも父が好きで、頼りにもしてる皐月としては、楽しかった家族のメモリーまで否定されちゃ堪らない。そこまで元夫を恨む母の気持ちがよく解らない。

逃げるように東京へ戻った皐月は、陸にいきさつを話し、「あれが全部ウソだったとは思いたくない」と想いを吐露します。

「ウソだと思わなくていいんじゃない? そのとき楽しいって思ったなら、きっとそれはウソじゃないんだよ」

若くしてこんなことが言える陸は、やっぱり今の皐月に必要な存在なんでしょう。

「ウソとホントの境目なんて、お父さんにもきっと分からないと思う。その時間を、キミが大切だと思うなら、自分の中で大事にしていけばいい」



そんな陸に、皐月はますます惹かれて行っちゃう。そりゃもうラブラブです。幸せです。絶好調です。

ところがどっこい!

第2話の終盤。ここからが、例の衝撃シーン。鋭い読者さんならそろそろ……いや、とっくに気づかれてるかも知れないけど、私は完全に意表を突かれました。

「心が通じ合って、ひとつになれたと思った人が……突然、目の前からいなくなっちゃった事ってある?」

さっきまで皐月とチュバチュッチュしてた陸が、なぜか独りで暗い顔して、バーの店主(飯田基佑)にそんな愚痴をこぼしてる。どうやらかつての恋愛を思い出しちゃったみたいです。



「そんな話、珍しくもないでしょう? 今はこんないい時代になったけど、それでもワタシたちは堂々と腕を組んでは歩けないもんネ」

ん? 飯田さん、いつになく言葉遣いが柔らかい。そこで他の客に呼ばれて、彼はこう返事します。

「は〜い、今いくわ」

なぬ? 今いくわ? いく、わ?

そういえば随分とオシャレな店なのに、客の顔ぶれに何だか違和感がある。よく見れば男しかいない。おいちょ待てよ、もしかして……まさか?

ここで陸が、かつて同じカウンターでその「突然いなくなった」張本人であろう、恋人とデートした時のツーショットを回想するのでした。



髪は長いけど、背中がやけに広い! そして何だか胡散臭い! こ、これはもしかして……いや、間違いなく!



出たあーっ!! ついに出た、森山未來ーっ!!

じんじん、キタキタぁあああーーーっ!!!



そう、じつは陸もゲイ、あるいはバイセクシュアルだった! だからレストランで耕太郎と信爾を見たとき、一瞬で察したワケです。だから彼らの気持ちがよく解るし、皐月にも解って欲しくて咄嗟に動いたんでしょう。

そしてラスト、海外から戻って来た森山くんが、陸と再会してしまう。計らずも皐月は、母とまったく同じ立場になってしまった! さて、どうする!?



まぁ、そこはテレビ番組ですから、母の梨沙子も含めてジェンダーの複雑さを理解する方向に持っていくしか無いとは思います。

けど、あの胡散臭い森山くんがこの清らかな世界をどう掻き乱してくれるのか、それを皐月がどう乗り越えていくのか、すでに感情移入しちゃってるだけに私は見届けたい。

けどけど、男どうしがイチャイチャする場面だけは見たくない! ジェンダーうんぬん抜きにして、映像としてむさ苦しいから。胡散臭いから。髪ボサボサでヒゲ生やしてるから!

とは言いつつ、やっぱ観るしかないでしょう。してやられました。こういうどんでん返しなら大歓迎です。

そんなワケでポートレートは主役の杉咲花さんと、その親友役でいま最もおっぱいを見せるべき女優の石井杏奈さん。そして陸の妹役でこれから登場予定の、小野莉奈さん。『アルプススタンドのはしの方』で主役を演じられた女優さんです。


 

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『魔法のリノベ』#01

2022-07-22 23:57:05 | TVドラマ全般

2022年夏シーズン、フジテレビ系列の月曜夜10時枠でスタートした、星崎真紀さんの人気コミックを実写化した連続ドラマ。

大手リフォーム会社の営業部でエースだった主人公=小梅(波瑠)が、人間関係のもつれにより退職を余儀なくされ、家族経営の「まるふく工務店」に拾われて、社長の息子でバツ2のシングルファーザー=玄之介(間宮祥太朗)とコンビを組み、住宅リノベを通して依頼人やその家族が抱える心の悩みも解決していく、いわば「人生リノベーション」のドラマ。



まるふく工務店の社長に遠藤憲一、従業員に近藤芳正、本多力、加治将樹、永野宗典、ライバルとなる大手リフォーム会社のパワハラ営業部長に原田泰造、その部下で小梅の元カレに金子大地、バーの店主にYOU、小梅の登山仲間にSUMIRE、といったレギュラーキャスト陣。



今季はとにかくお仕事ドラマが花盛り。男女ペアが主役、コメディータッチでミステリ要素もある等、共通点が多いです。

ヒロインが都落ちしてクセモノ男と組まされちゃうパターンもみんな同じw そういうレシピみたいなのが有るんでしょうね。

かくも構図がよく似てるからこそ、作品の優劣が見え易いとも言えます。この『魔法のリノベ』は断トツに良く出来てるんじゃないでしょうか。

優れた作品って、だいたい最初の10分ぐらいで判りますよね。スマホを見ず、早送りもしないまま最初のCMタイムまで行けば、間違いなくその作品は面白い。そこでツカめないようじゃ最後まで観てもたぶんダメ。

初回からイマイチだった『競争の番人』や『石子と羽男』といったい何が違うのか? ハッキリとはよく判りません。それがハッキリ判れば誰も苦労せずヒット作を連発できますから。

いや、面白い作品が必ずしもヒットしないから、よけい難しいんですよね。私が本当に面白いと感じたドラマって、だいたい視聴率は低かったりするし。

だから、ヒットするか否かは別にして、この『魔法のリノベ』が他の作品より面白くなったのは、まず優れた原作がある強みと、やっぱり脚色する人、演出する人、そして演じる人たちのセンスと相性が良かったから。組み合わせの妙としか言いようがありません。



もうちょっと具体的に考えると、住宅のリノベーションっていう題材と主役2人のキャラクターが、すごく普遍的で共感しやすい。

波瑠さん演じる小梅は、営業ウーマンとして優秀だけど天才じゃないし、恋愛でつまずいて都落ちしちゃうダメな部分もある。ましてや間宮くん演じる玄之介のダメっぷりたるや!



だけど2人とも、ダメでも一生懸命に生きてる。つまり観てる我々とぜんぜん変わらない。その点が、いかにも特殊な世界や人物を描いた『競争の番人』や『石子と羽男』と違ってる。

共感できるキャラクターが可笑しなことを言えば笑えるし、泣けばもらい泣きしちゃう。その逆もしかり。これが一番でかいポイントかも知れません。そこに脚色も演出もキャスティングも絶妙にハマった。

もちろん観る人それぞれの好みがあるから一概には言えないけど、私はハマりそうで、皆さんにも安心してオススメ出来ます。

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