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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『超人間要塞 ヒロシ戦記』#03~#04

2023-02-19 17:55:11 | TVドラマ全般

2023年冬シーズン、NHK総合テレビジョン月曜〜木曜の深夜「よるドラ」枠でスタートした、まつだこうた&大間九郎 原作による人気コミックを実写化した毎回15分の連続ドラマ。

「よるドラ」はNHKさんが朝ドラの深夜バージョンとして、基本「若者層向け」に設置した15分のドラマ枠。それだけに斬新かつチャレンジングな作品が多く、いつも興味は引かれるんだけど如何せん若者向けだから「ハマる」ところまでは行きませんでした。

が、今回はちょっとハマりつつあります。なにせ番宣を観ただけじゃ一体どういう話なのかサッパリ解んない!w 

まず最初に視聴候補から外すのは「ああ、そういうドラマね」って全容がだいたい読めちゃう番組で、今は(特に民放ドラマは)大半がそんなのばっかだから、まったく読めないと是非とも確かめたくなっちゃう。

50年以上もテレビばっか観てきた私が、番宣を観ても内容を把握できなかった『超人間要塞 ヒロシ戦記』とは一体、どういうドラマなのか?



タイトル通り、ヒロシ(豆原一成)という青年は「超人間要塞」で、アンドロイドとはちょっと違う。かなり違う。

恐らく超ミクロサイズの乗組員たちが中で操縦してるからマジンガーZみたいなスーパーロボット?かと思いきや、そうでもない。



↑ハイテクのようでいて、めっちゃ人力で動かしてるのが笑えますw

タイトルの「要塞」っていうのも実は正確じゃなく、恐らく何万人……いや、きっと億単位の「国民」たちが居住する「スカベリア姫国」の国家を搭載した、外生物擬態都市型宇宙要塞艦なんです。もう解りませんねw

とにかく、そんなヒロシがごく平凡な日本人になりすまし、餃子屋でアルバイトしてる。スカベリア姫国は「母星を失った」らしく、たぶん地球への移住を検討すべく調査してるんでしょう。

だから正体は絶対バラしちゃいけない。何より彼ら彼女らが恐れてるのは、地球人が大好きな「恋愛」という名のチョー濃厚接触。

ところが! ヒロシはバイト先のオーナーの娘=しずか(山之内すず)にロックオンされてしまう!



「ヒロシが地球人と恋愛的接触をすれば、機体がどれだけ損傷するのか、地球人の唾液や菌を国内に侵入させれば、国民をどれだけ危険に晒すのか、それが判ってない以上、私は大統領として、この恋愛という災害を未然に防がないとならないのです!」



ハジメ・カイゼル大統領(吹越 満)の要請を受け、乗組員たちはヒロシとしずかを波風立てずに引き離すべく、ミッションを開始します。

「これよりヒロシは、付かず離れずのトークを開始する! 角も立たず、明確な意志も伝えない、適度な相槌をセット!!」

「はいっ、相槌をセット!!」

てな感じでヒロシはさりげなく彼女を遠ざけようと全力を尽くすんだけど、まるで運命に導かれてるように2人の距離はどんどん近づいちゃう。

ていうか、しずか側のアプローチにまったく迷いがなく、こちらが躊躇してる間にどんどん押されちゃう。



で、スカベリア姫国が最も恐れてた、未曾有の事態がいよいよ発生!



そう、まだ交際が始まったワケでもないのに、しずかがヒロシの唇をいきなり奪ってしまった!

それは、咄嗟にエアバッグを作動させれば回避できたのに、副艦長のアケミ・バルドー(高山一実)がしずかの……いや、もしかするとヒロシ自身の恋心にシンクロしてしまい、フリーズした一瞬のスキに起こった不慮の事故。



そのとき、艦長のトオル・マキシム(斎藤 工)が手を下すことも出来たのに、アケミの顔を見た彼はなぜか動かなかった。



国民が激怒し、内閣解散の危機を招いた責任を1人で背負ったトオル艦長は、裁判で思いの丈をぶち撒けます。

「俺たちがさんざん怯え続けてきた前例のないケースが、問題どころかスカビリア国民の誰もまだ知らない明るい未来だとしたら、それでも奪う権利があるのかっ!?」

おかげで解任&終身刑を食らったトオルは、新艦長のアケミにスカビリア姫国の未来を託すのでした。以上、第4話まで。



どうやらこれは、思春期の恋愛における葛藤を政治に置き換えたようなお話で、たぶん、スカベリア国民っていうのはヒロシという青年を構成する「細胞」のメタファーなのかな?って、私は解釈しました。

未経験者にとって恋愛は怖いものであり、失敗を恐れるとなかなか踏み込めない。そんなリスクを背負うより、避けて通れば誰も傷つかなくてハッピーじゃん!みたいに思ってる若い子が増えてる現状を憂いつつ、だけど恋って実はこんなに楽しいものなんだよって、そういうことを言いたい作品なのかも知れません。

だとしたら、もはや今の私には全くどーでもいい話なんだけどw、かくも普遍的な人間の感情を「超人間要塞」クルーたちの「戦記」に見立てるという、私には到底できない発想がとにかく素晴らしい!

誰もが共感できるテーマを、まったく新しい形で見せるのが映像エンタメの醍醐味だと私は思うので、大いに支持したい! もちろんオススメです。



ファーストサマーウイカさんがスカベリア姫国のシンボルたる姫に扮するほか、大東駿介、小木茂光、しゅはまはるみ、金山一彦、近藤芳正etc...といったレギュラーキャスト陣。

ポートレートはしずか役の山之内すずさん(可愛い!)と、実質的に主人公となりそうなアケミ新艦長役の元・乃木坂46メンバー、高山一実さんです。


 


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『アカイリンゴ』#02~#03

2023-02-10 22:55:04 | TVドラマ全般

いや〜、実にアホなドラマですw 昭和の伝説的ハレンチドラマ『毎度お騒がせします』を超えそうです。

前回のラストシーンで、セトリ(性行為取締官)を目指すチェリーボーイの主人公=犬田光(小宮璃央)は、美術室で転校生のウチュラ(新條由芽)にチンコを撫で撫でされてる現場を、担任の壇田先生(森咲智美)に見つかっちゃいました。



で、こんなお仕置きを受ける羽目になります。



チュバチュッチュされ、発射寸前で放置されるという生き地獄。壇田先生も以前から光にロックオンしてたみたいです。

で、光に手を出した罰として、ウチュラにはこんなお仕置きを。



なんて酷いことをーっ!!💨

ところがなぜかアッサリ形勢が逆転し、この有様w



一方、再び闇のSEXクラブに潜入した光に「セックスしよう」と迫って来た美少女=カンナ(大久保桜子)の正体は……



なんとセトリの潜入捜査官だった!w



そして光の幼なじみ=優(川津明日香)は、ウチュラに対抗意識を燃やし……



とりあえずファーストキスに成功したものの、光はそれだけで果ててしまい、筆下ろしには至りませんでした。

次回以降はウチュラVS優のバトルが激化し、こんな素晴らしい展開も待ってます。



さらに、光は親友のカノジョである奈々(織田奈那)ともこんなことに!



主人公は何ひとつ努力してないのに、次から次と美少女が寄って来てくれる少年マンガ展開。こんなのばっか読んでたら、そりゃ「草食系男子」とやらが増えてく一方でしょう。

けしからん!💢 実にけしからん!!💢💢💨 絶対に許すワケにはいかんので、このドラマだけは最終回まで欠かさず録画し、眼を皿のようにして監視せねばなりません。

というワケでセクシーショットは織田奈那さん、大久保桜子さん、森咲智美さんです。許さんぞマジでっ!!💨💨💨


 

コメント (2)
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『大河ドラマが生まれた日』

2023-02-09 22:55:03 | TVドラマ全般

2023年2月4日(土)にNHK総合テレビで放映された、日本のテレビ放送70周年&大河ドラマ60周年を記念するスペシャルドラマ。

NHK芸能局長の「映画に負けない新しい連続大型時代劇を作れ」という鶴の一声から大河ドラマ第1作目『花の生涯』が生まれるまでの、若きテレビマンたちの奮闘がユーモラスに描かれてます。

その放映日の翌日には、A.I.を駆使した最新技術でオールカラー化された『花の生涯』第1話も放映されました。



『花の生涯』は幕末の大老・井伊直弼の生涯を描く作品で、副主人公の長野主膳を演じた戦後の二枚目映画スター=佐田啓二の二世である、中井貴一がコワモテのNHK芸能局長に扮してます。



主人公となるアシスタントディレクターを演じるのは生田斗真、プロデューサーに阿部サダヲ。



斗真くんの後輩ADに矢本悠馬。



斗真くんの下宿先の娘=明恵に、松本穂香。



そして貴一パパ=佐田啓二に中村七之助、宝塚歌劇団出身の映画スター=淡島千景にともさかりえ。



ほか、松尾諭、林泰文、伊東四朗、三宅弘城、イッセー尾形、永島敏行、倉科カナ、仁村紗和etc…といった実力派の豪華キャスト陣。



とても良い作品で、とても楽しく観させて頂きました。単に『花の生涯』制作の舞台裏を再現するだけじゃなく、これを2023年現在に放送する意味、今のテレビ業界に対する熱いメッセージを、私は感じました。

例えば、中井貴一局長の「今のテレビ番組は夢がなくて面白くない!」っていう台詞。まだこれからっていうテレビの黎明期に、そんなこと言うとは思えませんよね。

そして、映画界の「五社協定」により佐田啓二氏みたいな映画スターは絶対使えない、って決めてかかってる斗真くんに、貴一局長が言うワケです。



「そんなの知ったこっちゃねえんだよ! 誰かが勝手に決めたルールをこっちが守らなきゃいけない道理がどこにあるんだよ! 壁に立ち小便禁止の貼り紙があったって、どうしても漏れそうになりゃするんじゃねえのか小便!?」

「私はしません!」

「俺だってしねえよ!!」

「…………」



これもまた、規制とクレームのがんじがらめになってる現在のテレビ業界に対する、愛をこめた叱咤激励でしょう。

で、実際に斗真くんが足しげく佐田邸に通い、出演OKを取り付けるワケです。その裏に佐田氏の奥さんによる後押しがあったいきさつには、もしかすると石原裕次郎さんが『太陽にほえろ!』出演を決められた時のエピソードが反映されてるのかも?

他にも、グッとくる台詞がいっぱいありました。例えば、ただコワモテ局長の言いなりに動いてるだけ、のように見える阿部サダヲPの、奥さん(倉科カナ)の実家が彦根であることを斗真くんが知るシーン。

井伊直弼は近江「彦根」藩の第16代藩主ですから当然、舞台となる彦根出身の人は喜びます。そしてこの原作をチョイスしたのは阿部Pなのでした。

「偶然ですかね?」

「どうかしら? 実はあの人、局長の背中に隠れて、好き放題やってるんじゃないかと思うのよ」



で、その阿部Pが斗真くんを連れてよく行く屋台のおでんが美味しくて、その秘訣を尋ねられた店主(イッセー尾形)が「孫がおいしいと言って喜んだものを出してるだけですよ」って答えるんだけど、これが後のシーンで活きてくる。

斗真くんの後輩ADが新しい台本を送り忘れたせいで、佐田氏が大恥をかかされる羽目になり、斗真くんが陳謝するんだけど、さすがは貴一パパ。怒るどころか斗真くんに「出演を決めたことは微塵も後悔してない」「むしろ感謝してる」とまで言っちゃう神対応。

その理由が、仁村紗和さん扮する佐田氏の奥さん、つまり貴一ママが『花の生涯』を毎週とても楽しみに観てくれてるから、なんですよね。



「こうやってモノを創ってると、お客さんのことばかり考えてしまいがちだけど、一番身近な人を喜ばせるのも、素直に嬉しいことなんだなって、あらためて気づかせてもらったよ」

そうなんです! 大衆の嗜好とか、スポンサーやタレント事務所の顔色とか、そんなのばっか気にして創ってるから、今のテレビ番組はどんどんつまらなくなってる。

八方美人が一番ダメだってことを、現場の人たちはちゃんと分かってる。なのに組織の上に居座ってる、自分の保身しか頭に無い連中がリスクを恐れ、無難なものしか作らせない。

貴一局長や阿部Pみたいな人も、決していなくはないんだろうけど、今の世の中には彼らのワガママを許す余裕が無い。破滅です。

あと、連日翌朝にまで及ぶ過酷な撮影に主演スターの家族からクレームが入り、あわや降板!っていう危機を、必死にアイデアを絞って乗り越えていく場面。

一番時間を食う「セットの建て替え」に、演劇における舞台転換のノウハウを取り入れたり、同一セットの撮影を5話分ぐらいまとめ撮りしたり等の、現在では当たり前になってる時短テクニックが生まれていく過程にワクワクしちゃうのは、私自身もかつて映像作品を創ってたせいかも知れません。

そしてクライマックスとなる「桜田門外の変」を映画に負けないスケールで描くため、京都の太秦「映画城」を借りるべく交渉を重ねる、テレビマン斗真くんの情熱。

最初は「たかが電気紙芝居」と見下し、相手にしてなかった映画畑の人たちが、知らず知らず巻き込まれて一緒になって汗を流し、1つの場面を築き上げてく少年みたいに無邪気な姿。

そういう手作りの楽しさと温かみが、パソコンのキーボードで何でも作れちゃう現在の映像作品からは、当たり前だけど伝わって来ない。だから刑事ドラマにしろ特撮ヒーローにしろ、昭和作品しかレビューする気になれないワケです。

今回は単なる懐古趣味じゃなく、あの頃の情熱を忘れないでおこうぜ!っていう、テレビ制作者たちの真摯な想いが感じられたから、レビューすることにしました。



斗真くんと松本穂香さんの、たかが映画を一緒に観に行くだけの事がなかなか実現に至らない、昭和ならではのもどかしいロマンスも良かった!

松本穂香さんは実に現代的なルックスだと思うのに、なぜか昭和娘の役がぴたりとハマる。不思議な女優さんですよね。


 

コメント (4)
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『アカイリンゴ』#01

2023-01-25 20:00:15 | TVドラマ全般

2023年冬シーズン、朝日放送テレビ(土曜深夜枠)とテレビ神奈川(金曜深夜枠)でスタートした、ムラタコウジ氏の不定期連載マンガを実写化した30分の連続ドラマ。他の地方でも順次放映されていくと思われます。

近未来、日本では「性行為等取締法」が施行され、セックスやセックスに関連する事項が全て違法となった! なにいぃぃぃーっ!? セックスが!? セックスが!? セックスが!?



『セトリ』こと「性行為取締官」の父に育てられた男子高校生=犬田光(小宮璃央)は、自身もセトリとなる夢を持つガッチガチのセックス否定派。なぜそんなにセックスを嫌う!? セックスを!? セックスを!? セックスを!?



ところが! 悪友に誘われてうっかり参加したパーティーが、青原(飯田基祐)という怪しいおっさんが主催する闇の乱交パーティーだった!



しかも、憧れの国民的女優である「ウチュラ」こと宇宙美空(新條由芽)がそこにチョメチョメ直前の体勢でいたもんだから驚いた!



思わず止めに入って会場から叩き出される光だけど、そこで落とした学生証をウチュラが拾い、やがて光の通う高校(それも同じクラス)に転校して来て、いきなり「セックスしよう」と迫って来ることになります。


先に設定だけ読んで、社会派のSFストーリーを想像してたら何のことはない、よくある「ハーレム」シチュエーションの少年漫画でした。だったら次回も観ようかなw

そもそも、少子化問題が深刻化してる今の時代にセックス禁止はあり得ない。単にこれは「主人公にその気は無いのに美少女たちが勝手に寄ってくる」構図を作りたかっただけ、としか思えません。

私が少年だった頃のボーイミーツガール物は、大抵おっぱいで頭がいっぱいのアホ少年が主人公で、片っ端から女の子にアタックするもフラれまくるのが定番だったと思うけど、『タッチ』とか『きまぐれオレンジロード』あたりから構図が逆転しましたよね。

そういったラブコメ物に必ずいる、喧嘩するほど仲がいい「幼なじみ」の美少女(川津明日香)も当然のごとく登場し、ウチュラと三角関係を形成することになります。



そんな都合のええ話があるかい!?って思う反面、せめてバーチャル世界でイイ想いするぐらいええやんって、そういう分野ですよね。もしかしたら深遠なテーマも隠されてるかも知れないけど、正常な男はそんなもん求めませんw

とにかく新條由芽さんと川津明日香さんがどれくらいエロエロな姿を見せてくれるか、私の興味はそこに尽きます。初回を観るかぎりは由芽さんの圧勝で、明日香さんには奮起を期待します!



ちなみにお二人とも特撮ヒーロー番組(由芽さんは戦隊、明日香さんはライダー)のヒロイン役で注目された女優さんです。


 


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『罠の戦争』#01

2023-01-18 00:44:09 | TVドラマ全般

2023年冬シーズン、フジテレビ系列の月曜夜10時枠でスタートした、関西テレビ制作による連続ドラマ。SMAP解散後初となる草彅剛くん主演ドラマで『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く「戦争シリーズ」第3弾!

OBも含むジャニーズの中で、二宮和也くんと並んで私が一番好きなアクターが草彅くん。このシリーズも観てました。

どこが好きって、「静かに燃える男」をこれほどカッコよく演じられる人って(ジャニーズに限らず)今そんなにいないと思うワケです。

今回、草彅くんは国会議員(それも与党大臣)のすこぶる有能な秘書で、普段はこんな穏やかな顔をしてるけど……



愛する息子が何者かに歩道橋から突き落とされ、意識不明の重態となり、それを与党大臣から「事故だった事にしろ」と圧力をかけられ、脅されて、こんな顔になっちゃいます。



「あいつらに、教えてやる……踏みつけられたら、どれだけ痛いか! 教えてやるっ!!」

その大臣もまた上から圧力をかけられてる、ってことは相当なBIG BOSSがバックに潜んでる。けれど草彅くんはひるまない。

「弱いヤツには、弱いなりの戦い方がある!」

最初の敵となった内閣府特命担当大臣に、本田博太郎。その腰巾着の政策秘書に、田口浩正。



強い味方になりそうな二世代議士に、小澤征悦。



敵にも味方にもなりそうな厚生労働大臣に、片平なぎさ。



恐らく最大の障壁となるであろう与党幹事長に、岸部一徳。



この人が演じるからにはラスボスになりかねない、天下の総理大臣=高橋克典!



草彅くんの手足になって動いてくれる秘書仲間に、すっかり大人っぽくなった小野花梨!



その相棒となる秘書見習いに、杉野遥亮。



議員スキャンダルが欲しくてたまらない雑誌記者に、宮澤エマ。



そして誰より近しい味方となる草彅くんの妻に、井川遥!



大筋の展開は誰にでも読めます。どんなに巨大な敵が待ち受けようと、最後は必ず草彅くんが勝つ。100%ハッピーエンドに決まってます。

あえて、そう読めるように創られてるんですよね。視聴者が安心して観てられるように。『半沢直樹』や『ドクターX』を例に挙げるまでもなく、今、視聴率を稼ぐにはそれが一番なんです。ドキドキハラハラはもう要らない!

……って、新書『映画を早送りで観る人たち』に書いてありましたw つまり今の若い人たちは、主人公がピンチになったり痛い目に遭ったりするストーリーが大嫌い。勝つ場面しか観たくないワケです。

だからこの『罠の戦争』第1話も、振り返れば草彅くん自身は痛い目に遭ってない。重傷を負ったのは息子だし、大臣を罠にかけた実行犯は花梨ちゃんやエマちゃんだったりする。

若者ウケするライトノベルズなんかも、男の主人公は動かないで美少女戦士に戦わせるパターンが主流なんだそうですw 主人公(つまり読者自身)は司令を送るだけで、いっさい痛い思いをしない。

いやいや、自分が痛い目に遭ってどん底から這い上がり、特訓して苦戦して最後にやっと勝利してこそカタルシスが得られるんちゃうの?って、皆さん思いますよね? それはもう時代遅れなんですw

今の若い子らは、先にファスト映画やネタバレサイトで結末を見て、自分にとって快適なストーリーであることを確認してから本編を観る。特訓シーンとかあろうもんなら全部早送りですよ!

そんな時代を如実に反映したドラマになりそうな『罠の戦争』です。



けど、よくよく考えれば『水戸黄門』だって『サザエさん』だって、そして我らが『太陽にほえろ!』だって、国民的人気を得たのはどれも毎回ハッピーエンドが約束された作品ばかり。

安心して観てられるか、気分よく観終えられるかの方が、面白いかどうかより大事なんですよね、昔から。それがより極端になったと言うか、せっかちに結果を求めるようになっただけで。

仕事で疲れて帰った夜に観るのは、確かにそんなドラマの方がいい。一介の秘書が政府の大物たちをやっつける話なんだから、そりゃ痛快に決まってます。

我々の感性は衰え、頭がどんどん悪くなっちゃうかも知れないけどw、そこは本(大人向けの)を読むなりして補えばいい。テレビはあくまで娯楽、見世物で良いんじゃないでしょうか?


 


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