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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『五番目の刑事』最終回

2020-05-17 16:16:24 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第25話『さらば!わが街 新宿』(最終回)

(1970.3.26.OA/脚本=池田一朗/監督=吉川一義)

街に出回る密造拳銃の出処を捜査中の原田刑事(原田芳雄)に、フーテン娘のマサミ(小林千枝)が何かとちょっかいを出して来ます。

ただの冷やかしかと思いきや、実はマサミの父親=伊原(増田順司)が拳銃密造に関わっており、彼女は父にそれを辞めさせたくて刑事の原田に近づいたのでした。

だけど知らず知らず原田にマジ惚れしてしまったマサミは、やはり原田に気があるバーの歌手・お時(荒砂ゆき)と壮絶なキャットファイトを繰り広げ、傷だらけになってマンションの部屋まで原田に送ってもらい、裸になって抱きつきます。

乳首は見えないよう巧みに撮影されてはいるものの、夜8時台でこれだけのお色気シーンが観られるとはホント素晴らしい時代でした。

しかし残念ながら、マサミはチョメチョメ未遂のまま原田の目の前で、密売組織の殺し屋(浜田 晃)に射殺されちゃいます。

彼女を憎からず思ってた原田は今回も怒りを爆発させ、組織の元締め(小瀬 格)を誘き出すために伊原を拉致し、マサミの部屋に監禁します。

もちろん違法捜査ゆえ同僚刑事たち=庄田(常田富士男)、野呂(殿山康司)、立花(工藤堅太郎)は止めようとするんだけど、すでに辞表を用意してる原田にはどんな言葉も響きません。

「奴の流した血は、奴らの血で洗わせるんだ!」

「俺たちは、キミを引きずって帰ることも出来るんだぞ?」

「やってみな。簡単にはいかねえぜ」

これまでの付き合いで原田の性格をよく知ってる同僚たちは、説得を諦め、覚悟を決めて、その無謀な賭けに協力する道を選択するのでした。

そうして組織の元締めを追い詰めた原田は、西部劇チックな相撃ちにより、そいつを射殺します。台詞では語られませんが、直後に原田が見せた表情から、それが彼にとって初めての射殺であることが伺えます。

違法捜査の責任よりも、たぶん憎しみに駆られて人の命を奪った自分が許せなかったんでしょう。大事件を解決させたにも関わらず、原田は正式に辞表を山田デカチョウ(中村竹弥)に提出します。

「……一応、預かっておこう」

「長らくお世話になりました」

同僚たち1人1人に深々と頭を下げ、原田は刑事部屋を去って行きます。

すると今度は、残された庄田、野呂、立花も辞表を差し出すのでした。

「おいおい、なんの真似だ?」

「原田の手助けをしたんスからね」

「原田と同罪ですから」

「やはり筋を通さなくっちゃ」

唖然とするデカチョウに頭を下げ、3人も部屋を出ていきます。この時、若手エリートの立花だけが、あからさまに後ろ髪を引かれてる様子で、やっぱりこの人は面白いですw

原田が署の表にチョークで「お先に失礼」って落書きしてると、さっき別れを告げた筈の仲間たちも一緒になって書き始めるもんだから、原田は面食らいます。そして……

「部下のいないデカチョウなんているか? 俺もせいせいしたよ」

結局、デカチョウも辞表を提出し、捜査課全員が一斉辞職!という衝撃の結末w

この約11年後に登場する番組『警視庁殺人課』の最終回では「レギュラー全員殉職!」という伝説が生まれますが、死にたくて死ぬ刑事は1人もいないワケで、全員が自分の意志で警察を辞めちゃう『五番目の刑事』の方がタチ悪いですw(たぶん、本当に辞めやしないだろうと思いますが)

後の『西部警察』ならそういうことも日常茶飯事だけど、とにかく私は、こんな刑事ドラマが『太陽にほえろ!』より2年以上も早く登場していた事実に衝撃を受けました。

いや、刑事物と青春物を融合させた『太陽~』も間違いなく斬新なんだけど、時代の最先端だと思ってたマカロニ(萩原健一)やジーパン(松田優作)のキャラクターが、あからさまに『五番目の刑事』の影響下にあったという事実はホントに衝撃です。特にジーパンは原田刑事の二番煎じと言われても文句言えないです。

番組の内容自体は、前述のとおり『西部警察』やその前身『大都会』シリーズの方が影響受けてそうだけど、ショーケンさんや優作さんは間違いなく原田芳雄さんに憧れ、対抗意識を燃やしてた筈です。だからこそ、原田刑事に比べて子供っぽいマカロニやジーパンのキャラに不満タラタラだったんでしょう。

これまでどんな名作映画を観てもイマイチ実感出来なかった、原田芳雄という俳優さんの凄さを、この『五番目の刑事』を観て私は思い知らされました。だって芳雄さんの存在が無ければ多分、マカロニやジーパンのキャラは全く違うものになってた筈だから。凄いなんてもんじゃないですホントに。

この最終回は、マサミを演じられた小林千枝さん(当時19歳)の魅力も光ってました。東映の『不良番長』シリーズ等で活躍された女優さんだけど、活動期間は約5年と短かったみたいです。
 

コメント (3)
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『五番目の刑事』#23

2020-05-15 22:55:13 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第23話『紅バラは真夜中の匂い』

(1970.3.12.OA/脚本=石森史郎/監督=鈴木敏郎)

新宿の繁華街に乗り捨てられた車のトランクから若い女性の首なし死体が発見され、新宿東警察署に捜査本部が置かれます。

そんな折り、捜査課の原田刑事(原田芳雄)を弟分のケン(杉山俊夫)が訪ねて来て、親友の純情青年・高見(岡本富士太)が半年ほど前に失踪した恋人=ミチコを探してるから協力して欲しいと懇願します。

原田は厭な予感を覚えつつも、今は忙しいからとやんわり断ります。実際、首なし死体から合成麻薬「LSD」の成分が検出され、バラバラ殺人に麻薬まで絡んだ大事件となると人探しを手伝う余裕は無いのでした。

そして更に、かつて原田がムショに送り込んだ元暴力団幹部の小山(森山周一郎)が出所して数日で殺されてしまい、捜査課は2つの殺人事件を抱える羽目に。

ところが、小山が殺される現場を目撃したらしいフーテンのマコ(水城リカ)が、その時「LSD」でラリパッパ状態だったことが判り、原田は2つの事件が繋がってるんじゃないかと睨みます。

そして奥多摩の山中で、首なし死体と同一人物と思われる女性の片手が発見されます。その指に残った傷痕は、純情青年=高見が探してるミチコのそれと酷似している!

死んだ小山の情婦=お時(荒砂ゆき)を尋問し、ミチコとよく似たコールガールが旭興業という暴力団企業の社長=青山(戸田皓久)に雇われてたこと、その会社が主催する秘密パーティーで売春の斡旋、そしてLSDの売買が行われてることを聞き出した原田は、高見と一緒に身分を偽ってパーティーに潜入するのでした。

そこでブルーフィルム(裏ビデオみたいなもの)が余興で上映されるんだけど、その画面でヤクザらしき男に抱かれてる女の顔を見て、高見が悲愴な声を上げます。

「ミチコ……ミチコ!!」

そう、原田が予感した通り、全ての事件が繋がっていた。コールガールだったミチコにヒモ扱いされた旭興業の社員(つまりヤクザ)が、逆上して彼女を殺してしまい、怒った社長(つまり組長)はそのペナルティーとして、LSD売買の秘密を握ってる小山をそのヤクザに殺させた。後でそいつも始末し、全てを隠蔽しようとしてたワケです。

あの首なし死体は、やっぱりミチコだった。怒りを爆発させた原田が、パーティー会場でけっこう長い大立ち回りを見せてくれます。

ここで青山社長をフルボッコにしながら、原田芳雄さんがシビレるような台詞を言ってるに違いないんだけど、すこぶる残念なことに何回観直しても聴き取れませんw

当時の録音機材の性能と、我が家のテレビの音響がショボいせいもあるんだろうけど、ただでさえボソボソ喋りの芳雄さんが、怒りMAXでエキサイトされてるもんで手に負えませんw

でも、これがもし池松壮亮くんだったら「だから三流役者だと言うんだ」ってボロカス書いちゃうとこだけど、芳雄さんにそんなこと言える筈ありませんw

いや、そりゃそうです。当たり前です。ああいう自然体の台詞回しを最初にやり始め、批判と闘いつつ貫き通し、浸透させちゃった偉大なパイオニアと、そのレールに乗っかってるだけの若造とじゃ格がまるで違うんだから。

閑話休題。殺されたミチコは、どうやら自分の店を持ちたい夢をヤクザどもにつけこまれ、麻薬浸けにされて、その代金欲しさに売春してたという、典型的な転落人生。純情青年の高見にだけは、きっと本来の素直な顔を見せていたんでしょう。

社会のダークサイドを嫌というほど学んでしまった高見は、故郷へ帰って漁船に乗る決意をし、それを原田に報告します。

「それが一番いいかも知れないな。こんな街のことは潮風の中ですっぱり忘れちまいな」

高見を演じた若きイケメンは、デビューして間もない頃の岡本富士太(当時のクレジットは岡本藤太)さん。後に『Gメン'75』『兄弟刑事』『大空港』等でレギュラーの刑事を演じることになる人です。

以前レビューした第1話と第2話における新宿東署捜査課メンバーは、山田デカチョウ(中村竹弥)、庄田刑事(常田富士男)、牛山刑事(桑山正一)、立花刑事(工藤堅太郎)、そして五番目の刑事=原田というメンツでしたが、第12話で牛山刑事が転勤、替わって第13話から野呂刑事(殿山泰司)がレギュラーに加わりました。

一番の見所はもちろん、『太陽にほえろ!』のマカロニ(萩原健一)やジーパン(松田優作)より2年以上も早く(!)ジーンズスタイルでジープを乗り回すアウトローな刑事像を創り上げられた、原田芳雄さんの桁外れな格好良さ。

この回ではパーティー潜入時に珍しくスーツを着ておられますが、シャツの色はピンクなんですよねw '80年代に登場するドック(神田正輝)やボギー(世良公則)のセンスまで先取りしておられる!

で、その次に私が注目してたのが、原田刑事とコンビを組む機会の多かった若手刑事=立花役の工藤堅太郎さん。4枚目の画像で煙草を吸っておられる方です。

この方がとにかく一挙手一投足いちいち格好つけておられて、その格好のつけ方が実に古い!w

沖雅也さんみたいなルックスならともかく、言っちゃ悪いけど平べったいお顔で背も低い典型的「昭和の日本人」なのに、実に堂々たる格好のつけ方w

最初は「うわっ、ダサっ!」って思ったけど、ずっと観てるとこれがクセになっちゃうワケですw 現在のテレビや映画じゃまず見られない二枚目スタイルゆえ、逆に新鮮だったりするんですよね。

そういう旧態依然とした演技スタイルを勝新太郎さんあたりが崩し始め、それを原田芳雄さんが「格好良さ」に昇華させ、次世代のショーケンさんや優作さんが確立させた……ってところでしょうか?

だからこの『五番目の刑事』は、原田芳雄さん「以前」と「以後」の演技スタイルが混在する、時代の分岐点をフィルムに焼き付けた貴重な作品と言えるんじゃないでしょうか?

セクシーショットはヤクザの情婦「お時」役の荒砂ゆきさんと、「フーテンのマコ」役の水城リカさんです。
 


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「友 直子 in 太陽にほえろ!'79」―1

2020-05-09 21:55:05 | 刑事ドラマ'70年代








 
内勤女子職員=ナーコ役の友直子さんは、常におでこを出す(前髪を垂らさない)ことを義務づけされてたそうです。

女性視聴者たちからの猛バッシングにより降板を余儀なくされたチャコ=浅野ゆう子さんの轍を踏ませまいと、マスコットガールの扱いには制作陣もかなり神経を尖らせてたみたいです。

それと前髪がどう関係するのか私にはよく分からない(単にスタッフ=昭和オヤジたちの好みに過ぎない気もする)けど、アッコ=木村理恵さんの代から地味な服装がマスト条件とされてるのは、さもありなんと思います。そもそも警察署で働いてるんだし。

目立たないよう心掛けるのは基本中の基本で、服の色にしても殿下(小野寺 昭)やボン(宮内 淳)が着る服の色と揃っちゃうとバッシングの種になるから、被らないように相当注意してたんだとか。

でもロッキー(木之元 亮)の服の色は全然気にしないで良かったそうですw

藤堂チームの中で理想のタイプは?っていうマスコミの質問には「長さん。お父さんみたいだから」って答えてたのも、いま思えばスタッフが用意したマニュアルですよね。いちばん無難な回答ってことでw

そんな窮屈さの中で、毎回セリフが一言あるか無いかの役を何年も続けるっていうのは、いくら国民的人気番組で顔が売れるとはいえ、野心のある女優さんにはちょっと耐えがたい仕事かも知れません。

それを思うと木村理恵さんは3年間も愚痴ひとつ言わずに勤め上げられて、本当に素晴らしい女性だと思います。もちろんプライベートでどうだったかは知る由も無いんだけど、理恵さんはきっと言わない。そう思わせるお人柄が画面から滲み出てます。

友直子さんも同じくで、しかも最初から女優になる気などサラサラ無かった普通の女子高生ですから、一般公募のオーディションでこの方が選ばれた理由、アッコを超える長い年月親しまれた理由がホントよく解ります。

このお二方にはもう1つ、ボス=石原裕次郎さんとドラマ内でスキンシップ出来たのを、ことのほか喜んでおられるという共通点があります。

もし、裕次郎さんが立場を利用して挨拶代わりに女優さんのお尻を撫でたりする、森繁さんや丹波さんみたいな人だったらw、理恵さんも直子さんもそんな「特別な想い出」にはされてない筈。このエピソードは、裕次郎さんがイメージ通りに爽やかなお人柄だったことも物語ってると思います。
 


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「宮内 淳 in 太陽にほえろ!'79」―1

2020-05-08 22:22:10 | 刑事ドラマ'70年代








 
'78年末から'79年春にかけて、ボン(宮内 淳)がテキサス(勝野 洋)のお下がりと思われる茶色のジャケットを愛用し、それと黒マフラーの組み合わせが基本スタイルとなりました。

衣裳の使い回しはよくある事で、後にブルース(又野誠治)もこのジャケットを着ることになりますが、たぶん設定上の繋がりはありません。(テキサスを起点にボンからロッキー、その妻であるマミーからブルースへと巡って行った、なんて解釈も出来なくはないけど)

アッコ(木村理恵)が着てたシャツを翌月にゲストの女優さんが着ることもあったしw、スニーカー(山下真司)が沖縄ロケ編からしばらく愛用したエンゼルスのスタジャンも、チンピラ役の人たちに受け継がれていきました。

ボンに話を戻すと、マフラーは走るシーンでめちゃくちゃ邪魔になるから「あれはホント失敗だった」ってw、DVDのオーディオコメンタリーで宮内さんがボヤいておられました。だったら途中からでも外せば良かったのにw

ロッキー(木之元 亮)はトレードマークにするつもりだった帽子を、同じ理由ですぐに被らなくなりましたからね。

そういえば'89年に公開された『インディ・ジョーンズ』シリーズ3作目の予告編で、帽子が風で飛ぶから特大ホッチキスの針を自分の頭にぶち込む、お茶目なハリソン君を捉えたメイキング映像が使われてましたっけw

ボンが同じコスチュームを続けがちなのは、独自のスタイルを確立させたい思いもありつつ、それより何より衣裳を間違えて撮り直しになったりする事態を防ぐ意味があったみたいです。

番組ファンなら耳タコの話だけど『太陽~』は2話を2班体制で同時撮影するのが基本で、時には4本同時に撮らなきゃ間に合わない場合もあり、かなり気をつけてないと衣裳を別の回のと間違えちゃう恐れがある。

ボス(石原裕次郎)クラスになると専属のスタイリストさんがチェックしてくれるだろうけど、若手は自分で管理しなくちゃいけないから、ずっと同じ衣裳を使うのが一番安心ってワケで、それでゴリさん(竜 雷太)も同じ背広ばっか着ておられたみたいです。オシャレ設定の殿下(小野寺 昭)やスコッチ(沖 雅也)はそうもいかないから大変だった事でしょう。

さて、以前から度々書いて来ましたけど、ボンが最も輝いてた(と私が思う)'77年半ばから'78年にかけてが、とうとう過ぎちゃいましたw

髪の毛のボリュームがやや落ちたせいか、長いモミアゲがくどく感じるし、ちょっとお顔が以前より丸くなられた気もするしで、ルックス的な衰えがまず1つ。

そしてコミカルさを増した宮内さんの演技もなんだか「あざとく」感じられ、劣化とか賞味期限なんて言葉は使いたくないけど、やっぱりボンは長生きし過ぎちゃったのかも知れません。

2年間メンバーを替えなかったのは、守りに入ったというより自信の表れなんでしょうけど、そこに傲りがあったのかも?

どう考えてもやっぱり'79年は、それまで何をやっても成功してきた『太陽~』が、初めて「いろんな判断を誤った」年であるように私は思います。
 

コメント (2)
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「七曲署捜査一係'78~'79」

2020-05-07 22:22:04 | 刑事ドラマ'70年代








 
マスコットガール(内勤女子職員)が3代目「アッコ」から4代目「ナーコ」に交代されてからの藤堂チーム=七曲署捜査第一係のメンバーは、以下の通り。


☆☆☆☆☆


ボ ス=藤堂俊介(石原裕次郎)


ボ ン=田口 良(宮内 淳)

ロッキー=岩城 創(木之元 亮)


ゴリさん=石塚 誠(竜 雷太)

殿 下=島 公之(小野寺 昭)

長さん=野崎太郎(下川辰平)

ナーコ=松原直子(友 直子)


山さん=山村精一(露口 茂)


☆☆☆☆☆


まったくの新人(というより素人)である友直子さんの存在は確かにフレッシュそのものだけど、出番は少ないですから番組の雰囲気を変えるほどの影響力はありません。

ファンとしてボンの延命は嬉しいことだし、ロッキーとの迷コンビも観てて楽しいんだけど、やっぱり飽きちゃうんですよね。せめてオープニングのタイトルバックぐらいは一新して欲しかった!

本来『太陽にほえろ!』は新人刑事の成長を描くドラマであり、登場編はもちろん、色んな「初めて」を経験するエピソードが番組のイベント、言わばマンネリ予防のカンフル剤になってた筈で、それが無くなると毎回ただ事件を捜査して解決するだけのお仕事ドラマになっちゃう。

少なくとも私は、そんな番組に魅力を感じないワケです。どんな事件が起ころうが誰が犯人であろうが興味なし。若きヒーローが悪党どもをぶん殴って成敗する、そんな痛快な姿こそを観たいんです。

刑事たちがあまりに優等生で人格者になり過ぎて、枠から一切はみ出なくなっちゃったことが何より不満。

最初からスーパーヒーローだったボスや、最初からつまんない男の殿下なんかは、まあ仕方がない。個人的に一番残念なのは、ゴリさんがあまりにご立派な人格者になり下がったこと。この人はもっと熱くて単純で暴れん坊で食いしん坊だった筈なのに、いつからそんな二枚目(内面のこと)になったの? なに気取っちゃってんの? って言いたくなります。

もはやベテランですから今さら退化できないんでしょうけど、ボンなんかは幾度となく成長を「無かったこと」にされ、人生ゲームみたいに一進一退を繰り返してますからね。岡田晋吉さん、いくらなんでも竜さんをエコヒイキし過ぎてませんか?なんて思っちゃう。

ゴリさんは「ジス・イズ・太陽」で番組を象徴するキャラクターですから、ゴリさんがつまんないと番組もつまんなくなる。

もうすぐ『太陽~』が王座から陥落するのを知ってるから言ってるんじゃなくて、当時ホントに毎週「なんかつまらんなあ」って、思いながら観てました。それが私だけじゃなかった事が、もうすぐ証明されるワケです。

あまりにも真面目すぎます、ご立派すぎます。この国のテレビ界を背負った気でおられたんだとしたら、それはちょっと傲慢だったんじゃないですか?

……って、クドカンさんが言ってました。私は全然そんなことは思わないんだけど。

殿下の悪口なんかも全部、クドカンさんの命令で書かされただけなんです。
 


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