ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#318

2020-01-02 00:00:04 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第318話『カレーライス』

(1978.9.1.OA/脚本=小川 英&四十物光男&櫻井一孝/監督=小澤啓一)

ゴリさん(竜 雷太)が大好物であるカレーライスの出前を注文をしたまま消息を絶ちます。そんなバカな、あの食いしん坊がカレーのことを忘れて帰って来ないワケがない!ってことで、藤堂チームは緊急捜査を開始。

するとゴリさんは交通課の早瀬令子婦警(長谷直美)と一緒にいたことが判明。たまたま交通事故現場に出くわしたゴリさんが交通課に通報し、駆けつけた令子と二人で処理してたのでした。

その際、トラックにはねられ重傷を負った黒沼という男(吾桐芳雄)から、ゴリさんは川田弓枝という女性(沢井桃子)に連絡を取って欲しいと頼まれたらしい。

刑事たちは病院で昏睡状態の黒沼という男の素性を調べると同時に、川田弓枝の行方も探すんだけど、彼女は訪ねて来たゴリさんと一緒に勤め先を出たまま、やはり消息を絶っているのでした。

どうやら、何か犯罪が絡んでるらしい。そう睨んだボス(石原裕次郎)のデスクで電話が鳴り、怪しげな男(溝口舜亮)がゴリさんと黒沼の身柄交換を要求して来ます。

黒沼は、暴力団から十億円相当の覚醒剤を盗み出した一味の1人なのでした。黒沼は盗んだ覚醒剤を独り占めすべくどこかへ隠しており、仲間たちは恋人の弓枝から彼の居場所を聞き出すつもりだった。

そう、ゴリさんは機転を利かせて弓枝を逃がし、その身代わりに自分が捕まってどこかに監禁されてる。そりゃカレーがどうとか言ってる場合じゃない!

もし、黒沼が事故に遭って死にかけてることを知ったら、犯人グループは血眼になって弓枝を探すに違いない。ゴリさんはフルボッコにされながらも事実を隠し、黒沼は逮捕されて取り調べを受けていると嘘をついたのでした。

真に受けた犯人グループは午後5時=約3時間後をリミットに黒沼の釈放を要求。だけど昏睡状態の人間を釈放出来る筈もなく、5時までに監禁場所を見つけないとゴリさんが殺されてしまう!

捜査一係のゴリさん専用デスクには、もうすっかり冷めた出前のカレーライスが…… 果たしてゴリさんは、大好きなカレーをもう一度食べることが出来るのか?

……地味なエピソードが増えて来た『太陽にほえろ!』で久々に観られたアクション編、そしてゴリさん恒例サバイバルシリーズの1本でもあります。

また、食べかけの天丼を残したままゴリさんが行方不明になったジーパン時代のサバイバル編『手錠』(第98話、こちらにも溝口舜亮さんがゲスト出演) のリメイク的な狙いもあったかと思われます。

『手錠』では天丼を片付けようとしたマスコットガールの久美(青木英美)がボスに「そのままにしとけ!」って言われちゃうけど、今回は器を下げに来た出前の兄ちゃんにアッコ(木村理恵)が「持ってかないで!」って言う展開にアレンジされてます。

ストーリー自体はありがちなんだけど、ゴリさんが自分の監禁場所をカレーの匂いで判別しちゃう(店によって違うのは味だけじゃない!)というw、コントすれすれの展開がユニークで、このところベテラン然と落ち着いて来ちゃったゴリさんの「食いしん坊」設定が活かされたのもまた久々で、私は嬉しかったです。

クライマックス、手錠を掛けられたままでの死闘を終えたゴリさんが、ようやく助けに来たボン(宮内 淳)に発する第一声が「腹へった」ですからねw

また、当時セミレギュラーの早瀬令子婦警=長谷直美さんも第296話『ミスプリント』以来、久しぶり(実に半年ぶり)のご登場。

ご無沙汰だったのは同じ日テレ&東宝の制作による刑事ドラマ『大追跡』レギュラー出演で忙しかったせいで、長谷さん史上最も短いと思われる今回のショートヘアも、『大追跡』終盤でのもじゃもじゃパーマをばっさりカットしたからでしょう。

この当時はゴリさんと令子をくっつけるプランがまだ生きてたようで、ゴリさんを心配する令子の様子がやたら強調されており、彼女の後方で背後霊みたいに写ってる未来の夫=ロッキー(木之元 亮、画像1枚目)がやけにダサいですw

また『Gメン'75』には15本近く出ておられた沢井桃子さん(画像7枚目)の『太陽にほえろ!』唯一のゲスト出演作としても注目すべき1編です。
 
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『Gメン'75』#176

2019-12-15 00:00:11 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第176話『香港カラテ対GメンPART2』

(1978.10.7.OA/脚本=高久 進/監督=山内 柏)

メリメリメリメリメリメリメリメリ!

ぅわチャアアアアーッ!! メリメリッ!

ぐりりっ! バキボキッ!  メリメリッ!

おんどりゃあああああぁーっ!!

ばびでぶううううううぅーっ!!

メリメリメリメリメリィーッ!!

亜多多多多多多多多多! ぅ亜多多多多多多多多多っ!!

乳首乳首乳首乳首乳首乳首乳首乳首乳首! 足裏足裏足裏足裏足裏足裏足裏!!

阿部死! 秀舞! 俵薔! うぃっしゅ!

(終劇)

出演:倉田保昭 伊吹 剛 若林 豪 ヤン・スエ(楊斬)

主演の丹波哲郎さんは、東京から電話でムチャな指令を下したほかは何もしてませんw


☆次回予告

メリメリメリメリメリメリ!
 
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『Gメン'75』#175

2019-12-14 00:00:10 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第175話『香港カラテ対Gメン』

(1978.9.30.OA/脚本=高久 進/監督=山内 柏)

台湾、韓国ルートの麻薬シンジケートが日本のブラックマーケットを独占しつつある中、負けじと香港の新興組織「香港チャイニーズ・コネクション」が日本進出を開始。貧困層の3人兄弟をカネで釣って大量のヘロインを日本へ運ばせます。

例によって恐るべき諜報力でその情報をキャッチしたGメンは、空港で3兄弟を逮捕し、ブツを押さえるんだけど、その報復に山田刑事(藤木 悠)が狙撃されて重傷を負ってしまう。

怒った黒木警視(丹波哲郎)は草野刑事(倉田保昭)と中屋刑事(伊吹 剛)を香港へ送り込み、たった二人でチャイニーズ・コネクションを壊滅させよという、ムチャ振りにも程がある指令を棒読みで下すのでした。

香港警察の協力も得られず途方に暮れた草野&中屋は、逮捕した運び屋3兄弟の家族(妹と弟)にとりあえず接触。彼女らの協力により、山田刑事を狙撃した殺し屋(小林稔侍)の隠れ家を突き止めるんだけど、そこで待ち受けていたのは筋肉カンフー用心棒のヤン・スエだった!

メリメリメリメリメリメリ!

出たっ! ちょっと動くたびに筋肉がいちいち唸り、腕に巻かれたロープを筋力だけで弾き飛ばすパフォーマンスも勇ましいカンフー・モンスターを、海外ゆえ拳銃を持たない草野と中屋は果たして倒せるのか!?

(つづく)


『Gメン'75』3度目の香港ロケ編にして、格闘アクションをメインに据えた「香港カラテ」シリーズの記念すべき第1弾。

香港チャイニーズ・コネクションの殺し屋に小林稔侍、女性幹部に三浦真弓、警視庁の保安二課長に川津祐介(後に南雲警視としてレギュラー入り)、運び屋3兄弟の妹に香港の人気女優・ミッシェル(米雪)と豪華ゲストが揃う中、その圧倒的な存在感とアクションで全てを食ってしまったのが誰あろう、香港ロケ編の常連ゲスト、いや主役と言っても過言じゃないヤン・スエ(楊斬)!

アーノルド・シュワルツェネッガーより早くボディービルダーから俳優に転身、武田真治くんに大いなる影響を与えたかどうかは知らないけど、ブルース・リーの映画にも出られた香港の筋肉大スターです。

香港に拠点を置く倉田保昭さんとはマブダチだったもんで二つ返事で出演を引き受け、何度死んでも別人として蘇り、倉田さんの降板後も香港ロケ編の主役として『Gメン』シリーズを支えていくのでした。

日本語はまったく分からず、撮影中はずっと倉田さんの後ろをついて回っていたというエピソードから、なんとなく温厚な素顔が伺えて微笑ましいです。

本場で磨き上げた倉田さんのカンフー、伊吹剛さんの豪快な柔道アクションも素晴らしいけど、やっぱり登場しただけで場面をさらっちゃうヤン・スエあっての香港カラテシリーズ。まさに千両役者と呼ぶべき筋肉大スターです。メリメリメリメリメリ!

(NHKの筋肉体操にも、このメリメリメリ!っていう効果音を入れてみては如何でしょう? バカウケ間違いなしですw)
 
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『太陽にほえろ!』#314

2019-11-30 00:00:22 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第314話『拝啓 ロッキー刑事様』

(1978.8.4.OA/脚本=小川 英&柏原敏之/監督=木下 亮)

小谷早苗(立枝 歩)という女の子が、突然ロッキー(木之元 亮)を訪ねて来ます。恥ずかしそうに手紙を渡し、「またお電話します!」と言って走り去った早苗を、ロッキーはただ呆然と見送るだけ。

毛むくじゃらのくせに隅に置けないヤツめ!とボン(宮内 淳)をはじめ先輩刑事たちはロッキーを冷やかしますが、本人は早苗のことを全く知らないのでした。

彼女の手紙には、栄養学校に通うため地方から上京し、独りぼっちだけど「東京には岩城さんが、七曲署のロッキー刑事さんがいると思うと、ちっとも寂しくありません」なんて書かれており、ちょっと誘えばすぐにチョメチョメ出来そうなんだけど、ロッキーはそれよりも1週間前に遺体で発見された女性の身元を調べる捜査に夢中なのでした。生きた女の子より死んだ見知らぬ女に執着するド変態なんですw

で、ようやくその女性が岡山から上京したOLであることが判明し、山さん(露口 茂)が岡山へ飛んで実家の部屋を調べてみたら、なんと東京の「松永信夫方 岩城 創」から届いた手紙があるもんだから驚いた! 「岩城創」はロッキーの本名です。

松永信夫(佐藤晴道)というのは以前チンピラに絡まれてるところをロッキーに救われたスナックのボーイで、なぜかそいつがロッキーの名を語って(刑事になりすまして)数人の女の子と文通してた。ロッキーを訪ねて来た早苗もその1人だったワケです。

松永が顔も知らない女の子たちと文通できたのは、ペンフレンド募集の雑誌を見たから。当時は個人の氏名・年齢・住所・電話番号に至るまで、普通に一般誌で公開されてたんですよね。私も中学生の頃にそれで女の子と文通した経験があります。

そんなに緩い時代だったの!?って若い世代は驚くかも知れないけど、相手の住所も知らないままSNSで繋がっちゃう現在の方が、よっぽど緩くて危険かも知れません。

で、死んだOLは直前に二百万円の預金を引き出しており、そのカネ目当てで松永が彼女を殺した可能性がある。

ロッキーは手がかりを得るため、早苗と会って文通の内容をそれとなく尋ねるんだけど、それを書いたのが自分じゃないっていう事実を言いそびれちゃう。あわよくばチョメチョメしたい下心があったからでしょう。

ところが、松永信夫が溺死体で発見されて事件は急転直下。松永がロッキーになりすまして文通してたのは、単に自分に自信が無かったからであることも分かり、OLを殺した真犯人が松永を利用していたと睨む藤堂チームは、彼が勤めてたスナックのもう1人のボーイに容疑を絞ります。

で、婦警をオトリにして罠を仕掛けるも、実はマスター(矢吹 渡)が真犯人だったことが判明し、間一髪、マスターに命を狙われた早苗を、ロッキーが捨て身で救うという展開になります。

画像だけ見ると逆にロッキーが早苗を襲ってるように錯覚しますが、それは印象操作の恐ろしさを皆さんに伝えるために、私がやむなく順番を入れ換えた結果です。あんな毛むくじゃらの大男に万が一でくわしたら、逃げたり眼をそらしたりせずじっとしといた方が安全です。

そんなワケで事件は解決し、早苗は田舎へ帰ることになるんだけど、やや複雑な謎解きに時間を割きすぎてロッキーと早苗の交流が充分に描かれておらず、別れのシーンがいまいち盛り上がらないのが残念なところ。

ただ、彼女を見送るロッキーの表情には切なさが滲んでて、私はグッときました。登場して間もない頃のエピソード#272『秘密』では表情が硬すぎる!ってイチャモン書きましたが、約1年経った今回の演技に俳優・木之元亮さんの著しい成長を(偉そうな書き方だけど)私は見た気がします。

立枝歩さんは今回3度目のご出演で、後にボギー(世良公則)登場編でもヒロインを演じられた常連ゲスト。グラビアモデルの仕事は一切されてなかったようで、最後の画像=『新幹線公安官』で見られた水着姿は唯一無二かも知れません。
 
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『太陽にほえろ!』#313

2019-11-29 00:00:06 | 刑事ドラマ'70年代








 
☆第313話『真夏の悪夢』(1978.7.28.OA/脚本=桃井 章&小川 英/監督=木下 亮)

長さん(下川辰平)が七曲署勤務になる前に勤めてた、北署時代の後輩=松沢(広瀬昌助)が結婚することになり、仲人を長さんに依頼して来ます。

7年前、北署の保安課で麻薬事件を捜査してた長さんと松沢は、ヘロインの運び屋を追ってビルの建築現場に足を踏み入れ、鉄骨の落下事故に遭うんだけど、そのとき長さんをかばった松沢の片足に鉄骨が直撃し、それで足が不自由になった彼は広報課への異動を余儀なくされたのでした。

そんな負い目もあるもんで、仲人の依頼に格別な喜びを味わう長さんですが、勿論この番組は主人公を甘やかしはしませんw 次のシーンでさっそく松沢が車に跳ねられ、長さんは彼の葬式に参列する羽目になるのでした。

そこで、彼の婚約者だった節子(早瀬久美)が爆弾発言をします。

「事故じゃないわ。あの人は、殺されたんです」

確かに、事故と断定するには不自然な点がいくつかあり、長さんはボス(石原裕次郎)の許可を得て再捜査するんだけど、他殺を裏付けるような証拠は見つからず、節子に残念な報告をするだけの結果に終わっちゃう。

「なにか、私に出来ることがあれば……」

松沢のことを息子のように思ってる長さんが、良かれと思って言った言葉も、今の節子には全く響きません。

「あの人もそうだったと思ってらっしゃるんですか?」

「え?」

「あの人も、あなたに対して父親のような気持ちを持っていたと思ってらっしゃるんですか?」

「いえ、そう思ってるのは……」

「確かにあの人、いつもあなたのこと尊敬してるって言ってました。でもそれは、嘘です」

「嘘?」

「あの人は、刑事の仕事が好きでした。自分の天職だと信じていたんです。それを……刑事でいられなくしたのは、あなたじゃありませんか!」

「…………」

だけど長さんを恨んだら自分が惨めになる。だから彼は自分に嘘をついて尊敬して来たんだと節子は言います。

「私いつも、あの人の代わりにあなたを恨んで来ました。今だってあなたを恨んでます! 私が代わりに恨んでるからこそ、あの人いつも冷静でいられたんです。死んだ今だってきっとそうですわ!」

息子のように思ってた可愛い後輩が、実は自分を恨んでた……これはまさに真夏の悪夢。あまりのショックで身長が縮んでしまった長さんを、愛妻の康江(西 朱実)が元気づけます。

「あなたに好意を持っている人か、そうでない人ぐらい、私にも判ります。思い過ごしですよ」

「そうだな……しかし……しかしアイツは、本当に刑事が好きな男だった。うわべは笑っていても、心の底では捜査への執念にいつも燃えていたんだ。それだけは、確かだ……」

そんな折り、松沢を跳ねた車を運転していた男=上条(山本 聡)が、ビルの屋上から転落して死亡します。

一見、事故で背負った責任に耐えかねての自殺に見えるんだけど、遺体を調べると常習的な注射痕や、何者かと争った形跡も残っており、藤堂チームは他殺の線で捜査を進めます。

結果、死んだ上条はヘロイン中毒者だったことが判明。そんな男がかつてヘロイン事件を追ってた松沢を車で跳ねたのは、果たして偶然なのか?

そんなワケがありません。上条に松沢を殺させ、その口を封じるために上条を殺した黒幕、すなわちヘロイン組織が暗躍してるに違いない。

どうやら松沢は、広報課に飛ばされた後も密かに麻薬ルートの捜査を続け、ヘロインの運び屋として水沼桂子という女に目をつけていた。松沢は桂子を尾行中に暗殺されたんだと睨んだ長さんは、彼女が経営する喫茶店に探りを入れに行きます。

そしたら注文を聞きに来たウェイトレスが、松沢の婚約者だった節子なもんだから驚いた! そんな長さんのゴリラみたいな顔を見て節子も驚いた!

「私がしてるんじゃありません。あの人が……あの人がどうしてもやりたかった事を、私が代わりにしているだけなんです」

どうやら節子は、愛する松沢の遺志を継いでヘロイン組織の尻尾をつかもうとしてる。プロの捜査官だった男でさえ果たせなかったことが、素人の女ひとりに出来るワケがない!

長さんはろくに睡眠もとらず節子をガードしますが、誰かに呼び出された彼女は姿を消してしまうのでした。

これで節子まで死なせたら真夏の悪夢どころじゃ済まない! いよいよ追い詰められた長さんは水沼桂子の部屋に押し入り、実は七曲署随一かも知れない暴力刑事としての本領を発揮します。

「節子さんには指一本触れさせん! 俺が松沢にしてやれるのはもうそれしか無いんだ! たとえその為に刑事をクビになっても、俺は彼女を助けるっ!!」

そこは健全路線の『太陽にほえろ!』ゆえ『俺たちの勲章』や『大都会 PART II』の優作さんみたいに性別問わずの暴行は働かないけど、ゴリラ顔の迫力にビビりまくった桂子は、ついに黒幕の正体をゲロするのでした。

間一髪、黒幕が送り込んだ殺し屋から節子を救った長さんは、いよいよ鬼の形相で百五十発ほどのパンチを殺し屋に浴びせ、そばにいた暴力大将=ゴリさん(竜 雷太)を本気でビビらせますw

「大北課長なのか!? あの人を殺せと命令したのも大北課長なのか!! 松沢くんを殺せと指示したのも大北課長かあーっ!!」

黒幕の正体は、北署で長さん&松沢の上司だった保安課長=大北刑事(久富惟晴)。節子は、ヘロイン組織の決定的証拠をつかんだら大北課長に密告するつもりでした。もし長さんがいなかったら、その証拠も彼女の命もあっさり闇に葬られた事でしょう。

「ごめんなさい……あの人が、心の底では野崎さんを憎んでたなんて、嘘です。私が、そう思いたかっただけなんです。だって、誰かを憎まなきゃ……誰かを憎まなきゃ、私……ツラくて……」

「……もうそのことは、忘れて下さい。こんなことを背負って生きていくのは、私ひとりでいい」

長さんを恨むことぐらいしか逃げ道がなかった節子の気持ちも、よく解ります。それも刑事の仕事の1つなのかも知れず、つくづく因果な商売です。

松沢の墓に事件解決を報告しに来た長さんは、まさしく息子と接するように墓石に語りかけます。

「ただな、節子さんはまだ若いんだ。お前は寂しいかも知れないが、俺はそのうち、節子さんにいい旦那さんを世話したいと思ってる。その時は怒るなよ?」

「怒りやせんよ、彼は」

こっそり立ち聞きしてたのはもちろんボスですw

「松沢くんもきっと喜んでくれるさ。親父さん代わりの長さんが選ぶ相手だ」

数ある「長さん苦難編」の1本……ていうか長さん主役回の9割以上は苦難編なんだけどw、こうして長さんの怒りが頂点に達する回はそんなに多くなく、それだけに見応えがあります。

そりゃ誰だって怒れば怖いけど、普段は誰よりも温厚な長さん、実は元ラガーマンで意外とマッチョな長さん、そしてゴリさんよりよっぽどゴリラ顔な長さんが本気で怒ったら、ほんと引くぐらい怖いですw 今回はまさに、長さんを本気で怒らせる為に組まれたストーリーと言えましょう。

悲劇のヒロイン=節子を演じられた早瀬久美(出演当時のクレジットは早瀬久美子)さんは当時26歳。デビュー作は松竹映画の『紀ノ川』('66) で、フジテレビのドラマ『お嫁さん』('68) で主演もされてますが、何と言っても日テレの青春ドラマ『俺は男だ!』('72) におけるヒロイン「吉川くん」役が忘れられない女優さんです。

刑事ドラマは他に『キイハンター』『Gメン'75』『特捜最前線』『鉄道公安官』『噂の刑事トミーとマツ』『爆走!ドーベルマン刑事』『非情のライセンス』等にゲスト出演。

'80年代に入って結婚&引退されたものの、2000年代に復帰され、寡作ながら現在も活躍されてます。
 
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