☆第318話『カレーライス』
(1978.9.1.OA/脚本=小川 英&四十物光男&櫻井一孝/監督=小澤啓一)
ゴリさん(竜 雷太)が大好物であるカレーライスの出前を注文をしたまま消息を絶ちます。そんなバカな、あの食いしん坊がカレーのことを忘れて帰って来ないワケがない!ってことで、藤堂チームは緊急捜査を開始。
するとゴリさんは交通課の早瀬令子婦警(長谷直美)と一緒にいたことが判明。たまたま交通事故現場に出くわしたゴリさんが交通課に通報し、駆けつけた令子と二人で処理してたのでした。
その際、トラックにはねられ重傷を負った黒沼という男(吾桐芳雄)から、ゴリさんは川田弓枝という女性(沢井桃子)に連絡を取って欲しいと頼まれたらしい。
刑事たちは病院で昏睡状態の黒沼という男の素性を調べると同時に、川田弓枝の行方も探すんだけど、彼女は訪ねて来たゴリさんと一緒に勤め先を出たまま、やはり消息を絶っているのでした。
どうやら、何か犯罪が絡んでるらしい。そう睨んだボス(石原裕次郎)のデスクで電話が鳴り、怪しげな男(溝口舜亮)がゴリさんと黒沼の身柄交換を要求して来ます。
黒沼は、暴力団から十億円相当の覚醒剤を盗み出した一味の1人なのでした。黒沼は盗んだ覚醒剤を独り占めすべくどこかへ隠しており、仲間たちは恋人の弓枝から彼の居場所を聞き出すつもりだった。
そう、ゴリさんは機転を利かせて弓枝を逃がし、その身代わりに自分が捕まってどこかに監禁されてる。そりゃカレーがどうとか言ってる場合じゃない!
もし、黒沼が事故に遭って死にかけてることを知ったら、犯人グループは血眼になって弓枝を探すに違いない。ゴリさんはフルボッコにされながらも事実を隠し、黒沼は逮捕されて取り調べを受けていると嘘をついたのでした。
真に受けた犯人グループは午後5時=約3時間後をリミットに黒沼の釈放を要求。だけど昏睡状態の人間を釈放出来る筈もなく、5時までに監禁場所を見つけないとゴリさんが殺されてしまう!
捜査一係のゴリさん専用デスクには、もうすっかり冷めた出前のカレーライスが…… 果たしてゴリさんは、大好きなカレーをもう一度食べることが出来るのか?
……地味なエピソードが増えて来た『太陽にほえろ!』で久々に観られたアクション編、そしてゴリさん恒例サバイバルシリーズの1本でもあります。
また、食べかけの天丼を残したままゴリさんが行方不明になったジーパン時代のサバイバル編『手錠』(第98話、こちらにも溝口舜亮さんがゲスト出演) のリメイク的な狙いもあったかと思われます。
『手錠』では天丼を片付けようとしたマスコットガールの久美(青木英美)がボスに「そのままにしとけ!」って言われちゃうけど、今回は器を下げに来た出前の兄ちゃんにアッコ(木村理恵)が「持ってかないで!」って言う展開にアレンジされてます。
ストーリー自体はありがちなんだけど、ゴリさんが自分の監禁場所をカレーの匂いで判別しちゃう(店によって違うのは味だけじゃない!)というw、コントすれすれの展開がユニークで、このところベテラン然と落ち着いて来ちゃったゴリさんの「食いしん坊」設定が活かされたのもまた久々で、私は嬉しかったです。
クライマックス、手錠を掛けられたままでの死闘を終えたゴリさんが、ようやく助けに来たボン(宮内 淳)に発する第一声が「腹へった」ですからねw
また、当時セミレギュラーの早瀬令子婦警=長谷直美さんも第296話『ミスプリント』以来、久しぶり(実に半年ぶり)のご登場。
ご無沙汰だったのは同じ日テレ&東宝の制作による刑事ドラマ『大追跡』レギュラー出演で忙しかったせいで、長谷さん史上最も短いと思われる今回のショートヘアも、『大追跡』終盤でのもじゃもじゃパーマをばっさりカットしたからでしょう。
この当時はゴリさんと令子をくっつけるプランがまだ生きてたようで、ゴリさんを心配する令子の様子がやたら強調されており、彼女の後方で背後霊みたいに写ってる未来の夫=ロッキー(木之元 亮、画像1枚目)がやけにダサいですw
また『Gメン'75』には15本近く出ておられた沢井桃子さん(画像7枚目)の『太陽にほえろ!』唯一のゲスト出演作としても注目すべき1編です。
私の登録チャンネルにアッコさんが・・・ほんの少しですが。