井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

イケマ、アイヌ語由来のつる植物

2010年08月25日 | 日記
ガガイモ科のイケマ。ガガイモは、「イモ」呼ばれるだけあって、大きなイモ(地下茎)を持つが、イケマも大きな根茎を持つ。これをアイヌ語で「イケマ」といい、名前の由来になったという。



イケマの葉と蕾です。
ガガイモ科カモメヅル属。葉が対生し、葉や茎から白い乳液が出るのが、ガガイモ科の仲間共通の特徴だといいます。
アイヌ語の「イケマ」に「生馬」の漢字をあて、そこから「馬の病気に効く薬草だからイケマ(生馬)と名づけた。」という誤解が生じたといいます。
イケマに「牛皮消」の字をあてることがあるのは、中国でイケマの根を「牛皮消根」と呼んで生薬(利尿に効く)としたからでしょう



イケマの花のアップです。
外側に反り返っている薄緑色の部分が真の花冠で、内側の白い花弁状のものは副花冠だといいます。
中央部には、雄しべと雌しべが合体して「ずい柱」となっています。
普通の花とは、ちょっとつくりが違っています。



イケマの果実(袋果)です。ガガイモと比べるとちょっとスリムです。
完熟すると縦に割れて、毛をつけて風で飛びやすくなった種子が次から次ぎと出てきます。
毛をつけて風に乗せて種子を飛ばすといえば、すぐにタンポポを思い出しますが、タンポポの毛は萼が変化したもので「冠毛」といい、イケマの場合は、種皮が変化したもので「種髪」と呼んで区別しています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノブキとフキ、兄弟ではあり... | トップ | クサギ、開葉から開花へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事