井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

漢名を黄檗といい、シコロの別名もあるキハダ

2011年01月21日 | 日記
ミカンの仲間で香辛料にもなり、生薬としても多く利用される。



キハダの若果実です。ミカン科キハダ属。
ミカン属の果実は液果(ミカン果)だが、キハダ属は核果で緑色から黒く熟していく。
アイヌ達はキハダの実を「シケレペ」と呼び、黒くなる前に採取する。その実は香辛料として料理に使うという。
林業関係者などがキハダのことを「シコロ」と呼ぶことがあるが、これはアイヌ語の「シケレペ」に由来するという。



キハダの樹皮です。
黄褐色の樹皮で、コルク層が発達していて弾力がある。外皮の下の内皮は鮮やかな黄色で、これが生薬の「黄檗」(オウバク)で、苦味成分のベルベリンを含み、健胃剤になる。
高野山の名産「陀羅尼助」(ダラニスケ)の主成分はキハダの黄檗である。



キハダの完熟果実です。
黒く完熟した果実は、ヒヨドリやツグミなどが食べる。
房状で落ちてきたものは、一見「ヤマブドウ」に似るがひどく苦い。子供たちに「ヤマブドウ」と偽って食べさせる。1度はだませるが、2度とだますことは出来ない。
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