井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

釧路湿原で出会った花たち①

2011年07月04日 | 日記
釧路湿原は日本最大の低地湿原で、国立公園にも指定され、ラムサール条約の登録も受けている。



ヒメカイウです。サトイモ科ヒメカイウ属。
ミズバショウを小さくしたような花ですが、違いは大きさだけではない。ミズバショウには花被があるがヒメカイウにはない。開花時期も遅く、白色の仏炎苞は扁平で花序を包まないなどの相違点がある。それで別属とされる。
カイウ(海芋)は一般的には「オランダカイウ」の事だとされるが、カイウは元々はミズバショウの古称で、オランダ船で持ち込まれた「カイウ」ということで「オランダカイウ」と呼ばれたという。
その伝でいけば、「ヒメカイウ」は「姫ミズバショウ」ということになる。
花被はなく、緑色の部分が雌しべである。



ヤナギトラノオです。サクラソウ科オカトラノオ属。
サクラソウ科で黄色の花をつけるものには、クサレダマやコナスビなどいろいろあるが、葉腋から花を密生させる姿は、サクラソウ科の他の仲間と印象が随分違う。
「トラノオ」という名前のつく仲間は、普通、長く伸びる花序をもつものだが、ヤナギトラノオはあまり「トラノオ」らしくない。



コツマトリソウです。サクラソウ科ツマトリソウ属。
基準種のツマトリソウ、茎の先に5~10枚の葉を輪生状につけ、花被は普通7枚。湿原に生え、花や葉が小型のものを「コツマトリソウ」と呼び、変種扱いする。
花被の縁が紅色につまどられる個体があり、そこから「ツマトリソウ」と名づけられたとされるが、そういう個体はむしろ稀であるという。


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