井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・ヤナギラン1

2018年09月16日 | 日記


ヤナギランの群落。アカバナ科ヤナギラン属。
樹木では、シラカンバやダケカンバなどが山火事跡などに真っ先に進出してパイオニアツリーと呼ばれる。草本ではヤナギランが山火事跡や野焼きの跡地に大群落をつくるので、Fire Weed(山火事跡に生える雑草)と呼ばれる。
本州では千数百メートルの高原でしか見られないとされるが、北海道では低い山地で見られる。
手稲山ではスキー・ゲレンデのブッシュ刈りが、山火事などと同等の効果で大きな群落をつくっている。



ヤナギランの芽出し。
葉は長披針形で互生する。葉の縁は裏側に曲がり鋸歯は目立たない。
ヤナギの葉に似ていて美しい花をつけるので、ラン科でもないのに「柳ラン」の名で呼ばれる。
山地の日当たりのいい草原に生える多年草で、地下茎を伸ばして大きな群落をつくる。



ヤナギランの花序。
茎上部に総状花序をつける。
下から上へ咲き上がり、無限花序という。花序の先端に成長点があり、条件が良ければ花の数をどんどん花の数を増やせるというのが「無限」の意味だが、実際にはそういうケースは少ない。
ヤナギラン属ではなくアカバナ属とする考え方もあるが、花を単生させるアカバナ属に対して、総状花序をつけるヤナギランは別属とする考え方の方に1票投じたい。
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